テニス上達メモ018.上達の本質を知れば、簡単に成長できる
▶「テイクバックは高くor低く?」論争に終止符
テニスの上達には、いくつかの「本質」があります。
たとえばテイクバックについて、伊達公子はラケットを低く引いていたのに比して、杉山愛は高くセットしていました。
つまり、「テイクバックは低く引いたほうがいいですか、高く引いたほうがいいですか?」という質問に対する答えは、「どちらでも構わない」となります。
つまりそれは、本質ではない。
その人の癖や個性に委ねられるものです。
▶「ボールに集中」はテニス上達のための本質
一方「ボールに集中する」というのは、本質です。
簡単に言うと、ボールをよく見る(感じる)のです。
ボールを見ずに上手く打てるプレーヤーはいません。
それが証拠に相手コート側から飛んでくるボールを、目隠ししながらクリーンヒットできるプレーヤーはほとんどいないでしょう。
仮に目隠しして打てるプレーヤーがいたとしても、目隠しせずに打つほうが、発揮されるパフォーマンスは高いですよね。
本質というのは基本的に例外を認めず(※注1)、あまねく人・事・物に当てはまる不変かつ普遍的な内容です。
▶「フォーム指導」は本質を覆い隠す
ところが、常識的なテニス指導が教える「フォーム」にとらわれると、本質を見失いがちです。
オープンスタンスで打つのかクローズドスタンスで打つのか、ヒザを曲げるのか曲げないのか、手首をコックするのかしないのか、「それらはどちらでも構わない」のです。
その人の癖や個性に委ねられる。
状況にもよる。
ですから本質ではありません。
見た目に表れる「現象」のフォームは、その対義である「本質」をマスクする。
まさしく文字どおり、表面から中身を「覆い隠す」のです。
▶「打球タイミング」は上手くプレーするための本質
一方、たとえば「タイミングよく打つ」などは、テニスを上手くプレーするための本質です。
例外は認められません。
打球タイミングを外したナイスショットはあり得ないからです(※注2)
特にスポーツ指導の常識になっている「フォーム」に関するアドバイスがあった場合、「それは本質?」と、疑ってかかってみてはいかがでしょうか?
断言しますが、フォームに本質的な要素など何ひとつありません。
▶「現象」にとらわれると、テニスが難しくなる
本質ではない表面的な現象にとらわれると、テニスは複雑で、難しくなってしまいます。
テイクバックは高く? 低く?
スタンスはオープン? クローズ?
コックする? しない?
「どちらでも構いません」。
その人の癖や個性に委ねられる。
状況にもよる。
本質はボールをよく見る、打球タイミングが合うなど、何ぴと足りとも例外を認めないエッセンスです。
ですからテイクバックやスタンスや手首のコックなど、本質ではありません。
▶「フォーム」を意識するのは、百害あって一利なし
むしろプレー中にそういったフォームについて考えたり意識したりするのは、百害あって一利なしです。
体の動きはギクシャクし、ボールにも集中できなくなります。
そのうち「コーチの言っているとおりにやっているつもりなのに、私にはできないのはなぜ?」か分からなくなる悩みを深め、自己否定的になります。
自分のセンスや運動神経を疑い、「たかがテニス」ですけれども「されどテニス」で、本気でやればやるほどQOLさえ落としてしまいかねません。
▶上手くいかないのは、テニスだけに「限らない」
テニスに限らず物事が何か上手くいっていない場合、その取り組みが「本質からズレている」と疑われます。
いくら水を飲まずに汗だけかいても、体脂肪は減らないのでダイエットが上手くいかないようなものです。
カロリー計算もナンセンス。
精緻な体が、カロリー計算どおりに反応するわけはありません。
消費カロリーよりも、摂取カロリーが多ければ太る。
消費カロリーよりも、摂取カロリーが少なければ痩せる。
この差分により体重や体型がコントロールされるというのが、現代の医学的な、あるいは栄養学的な、そしてメディアが取り上げるおもな言い分でしょう。
ですがなかには「不食」といって、食べずにやせ細りもせず、健康的に生きている人たちもいます。
本質は例外を認めません。
カロリー計算でコントロールできるほど、私たちの精緻な体は単純ではないのです。
▶カロリー計算・カロリー制限でメンタルを「病む」
高カロリー食なのに、痩せている人もいる。
低カロリー食なのに、太っている人もいる。
本質ではありません。
本質を見誤ると、何もかも上手くいかないのも「本質」です。
むしろカロリーを気にしたり計算したりするほうが、百害あって一利なし。
フィジカルの問題以上に、メンタルを病んでしまいます。
事実、女子マラソンなどではそのような例が散見されます。
▶成長が加速する「本質的テニス上達法」
閑話休題。
本質さえ押さえれば(そしてそれ以外は排除すれば)、テニスはもっとシンプルです。
今後の『テニス上達メモ』でも詳しく説明していきますけれども、本質は数も少ないから、取り組む課題もわずか数個に限られます。
限られるから集中して何度も繰り返せるため、上達するための成長スピードはどんどん加速します。
一方の常識的なテニス指導のフォーム矯正では、持ち方、構え方、テイクバック、フォワードスイング、フォロースルー、スタンス、ヒザの曲げ方、ヒジの伸ばし方、肩の回し方ほか、意識しなくてはならない注意事項は挙げればキリがありません。
しかもひとつを意識すると、もうひとつがおろそかになるいたちごっこです。
▶本質の「すごみ」
本質はシンプルだから簡単。
簡単だからすぐ上達。
上達するとさらに意識したり考えたりのせずに済むから、もっとシンプルになってプレーは自動化され、さらに高みへと上ります。
シンプルな道理です。
これが本質のすごみです。
※注1
「基本的に」と但し書きしているのは、視覚にハンデのあるプレーヤーが行うブラインドテニスでは、ボールを「見る」のではなく、ボールに内蔵された鈴のバウンド音を「聞く」集中によって、打点を探り当てるからです。
※注2
初心者による打球タイミングを外した打ち損ねが、ポトリショットとしてエースになるケースもありますが、「ナイスショット」には分類されません。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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