イップス克服に向けて011:こうすればよくなる系の思考にあらがえない
回答
▶公式「こうすればよくなる=今の自分はダメ」
知識として、十分ご理解いただいています。
あとは、体験を通じていかに腑に落とすか、です。
「こうすればよくなる系の思考」とは、「今の自分はダメダメ系の思考」であり、自己否定です。
またその上、「よくなりたい」欲でもあるため(自分はできるはずという慢心も絡む)、現時点では叶っていない以上、怒りも薄っすらと、誘発されていらっしゃることでしょう。
そのせいで集中力も欠くから、結局テニスも、上手くいきません。
「こうすればよくなる系の思考」とは、苦しみへ、猪突猛進する道と言えます。
▶「自己啓発本」がダメな自分を際立たせる?
ところが世の中の自己啓発本は、「こうすればよくなる系の思考」を扱う内容が(全部が全部ではないにせよ)、ほとんどでしょう。
「こうすればダメになれる系」を出版しても、あまり売れないでしょうからね……。
いわく「あなたはもっとできる!」「自己実現だ!」「お金持ちになれる!」などと、煽り立てます。
そのせいで、「今の自分のままではダメなのかなぁ……」などと、思い込む。
煽られる以前は、取り立ててダメだなんて、思ってなかったはずなのに。
「◯◯ちゃんはデキるんだって」
「あなたも頑張れば、いい学校へ入れるのよ」
「そっか、このままじゃダメなんだ!」
幼いころから、さんざん刷り込まれてきました。
ですから、自己啓発を促されるほど、苦しみへ猪突猛進する道なのです。
「できていない、ありのままの自分ではダメ!」
「自己実現できていない、今の自分には価値がない!」
「お金がない、こんな自分はみじめだ!」
いやはや……。
「暗示」になっちゃってますよ。
▶「足を知る」が最強な理由
まずは「こうすればよくなる系の思考」を否定せず、ありのままに認めてあげてください。
確かに若いうちは、「こうすればよくなる系の思考」に、あらがい難いのが普通だからです。
ですが、、、、
「こうすれば、よくなるんじゃないかな?」
「ああすれば、上手くいくんじゃないかな?」
「どうすれば、もっと成功するだろう?」
それらすべてが、「思考」だと申し上げているのです。
育ってきた環境や、個性、資質、得手不得手、運不運もある。
「こうすればよくなる系の思考」から突破するには、これしかありません。
「足るを知る」です。
少なくとも「テニスができる」という境遇だけでも、この世の全体から見れば、恵まれています。
かの国では、ラケットを銃に持ち替えて戦っています。
なのに日本では、身の安全を案ずることなく、テニスコートに立てる喜び。
▶もう「感謝」しかなくなる
そうやって現実をありのままに見れば、テニスができて「ありがたすぎる」感謝の気持ちが、心を満たすでしょう。
もう、結果はどうでもいいから、「感謝」しかないから、欲も、怒りも、微塵もなくなります。
すると、心を乱すストレスがないから、結果的に集中力が上がる。
「足るを知る」で、何事も上手くいきます。
▶給料は「多すぎる」から「あり余る」
世の中の多くの人が、「給料が少ない」と、不満、不足を口にします。
しかし「足るを知る」の見地からすれば、いただく分として「多すぎる」という立場です。
ですから、結果的にあり余ります。
ないほうに目を向けるのではなく、あるほうに気づく。
そうして心が満たされると、当然、それは日々の生き方にも反映されます。
「運不運もある」と先述しましたが、心が満たされていれば、運さえ味方するのは必然でしょう。
なのに「足りない!」と困るとすれば、それは「ない」ほうに目を向けるから。
「学歴がない」→「だから仕事をもらえない」
「愛がない」→「もっと愛してほしい」
「お金がない」→「金持ちの家に生まれたかった」
ないものねだりの心が、むしろ貧しい(苦しい)境遇(不運)を招く。
▶苦しいのは「ないものねだり」モードだから
通常私たちは、自分でも気づかないうちに、「ないものねだり」モードで生きてしまいがちです。
「お金がない」「時間がない」「物足りない」
「ないものねだり」モードで生きてしまうと、ないものは挙げれば、際限なくキリがありませんから、「ないものだらけ」のように感じてしまいます。
それと同様に「こうすればよくなる系の思考」で生きていると、自分が「よくないだらけ」に思えてしまうのです。
「愛してほしい」と思うとき、自分には「足りない魅力(容姿? 優しさ? 思いやり? 経済力?)」にばかり、目がいくようなものです。
ないものを挙げると、本当にキリがない。
だけど、「足るを知る」モードで生きると、その瞬間から「あるものだらけ」。
パッと見渡すだけでも、机がある、スマホがある、健康がある、笑顔がある、住む居場所がある、命がある。
満たされるのです。
いえすでに、満たされていたのです。
▶「我慢」は一切不要
それは、自己犠牲の「我慢」とは、違います。
「ない、ない、ない」と言っているほうが、よっぽどツラくて「我慢」に決まっています。
「足るを知る」の実践を通じて、「こうすればよくなる系の思考」は、雲散霧消するはずです。
そして、「あるものだらけ」で心が満たされると、それは日々の生活にも、反映されるのです。
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