#おすすめ名作映画
追悼デビッド・リンチ監督 カーテンコールで逢いましょう
年明けにデビッド・リンチが亡くなった。
ツインピークス リミテッドのクーパー(マクラクラン)とゴードン(リンチ)のお別れのシーンが頭に蘇った。最後の台詞は「カーテンコールで逢いましょう」。ツインピークスは、永遠の輪の中に閉じ込められてる。きっとカーテンコールの機会は訪れないのだが、その世界の扉を開ければ必ずやリンチの世界とゴードンに会える。なんか遺言のように思えてきた。
昨年(2024)はデビ
映画『BABY/BROKER』 〜人がフッと鼻を鳴らさなくなる時〜
相手の言葉を受けた時に、フッと鼻を鳴らして軽い笑みを浮かべることが誰しもあるだろう。鼻が鳴った後の笑い方によって意味に強弱はあれど、否定であることに変わりはない。だからこそ、された方は当然あまり良い気持ちはしない。した方は、「あなたにわかるわけはない」とか、「知ったふうなことを言って」とか壁を作ってることを自覚しているかもしれないのだから。
鼻を鳴らされた後、冷静になって考えた時にこんなことを思
映画『ノマドランド』〜私も漂流してるのかも〜
Ashさんのレビューを読んで未見だった『ノマドランド』を見たくなり、アマプラで鑑賞した。Ashさんありがとうございます。
この話、私にとってはデラシネの物語に映った。「だれも漂流者になりたくてなったのではない」と言われる方がいるかも知らんが、自分でその生き方を選んだのであれば話が変わってくる。ドロップアウトしたと自覚している者には卑屈さが見え隠れするが、自分でそれを選んだ者には誇りが見える。主人
『ツインピークス リミテッド』 メビウスの輪のように始まりも終わりもない物語だったのね
そもそも、上の記事読んで、たまらなく「ツインピークス」を最初から見たくなり、DVDをBOXで揃えて見始めた。
2017年には全くアンテナに引っかかることなくスルーしてたのだけれど、プライムビデオの広告により知ることができた。感謝!2017年と言えば、トランプ政権が発足したり、もりかけ問題が賑わってた年ですわ。私は職場の花壇を整備したり、園芸ボランティアグループの発足を促したりしてる年だった。地域
映画『ニューヨーク眺めのいい部屋売ります』 特に予定のない日曜の午後におすすめ
「10年ひと昔」というのだから、40年という歳月は随分と社会のルールや世相を変えてしまう。しかしながら、表面的な変化があっても、その深いところではあまり変わってないのではないか?とも思う。
『最悪のことを思いながら、最善のことを祈る』というのが、主人公アレックスのモットー。共感できる生き方。
その彼が家を売る決意をしてから数日間で忘れていたものに気づくという物語。
モーガン・フリーマンとダイ
映画『未来世紀ブラジル』 私の中に潜むブラジル
学生時代にT先輩と一緒に見た映画。なかなか才気がある人で遊びでイラストを描いたりドラマの脚本を書いたりしてた。三つほど年上だったが、良く飲んで喋った。ビデオの機材を借りて、馬鹿げたドラマを一緒に作ったのも懐かしい思い出。タイトルは『マニラ二号』。如何わしさが満載だわ。彼の影響でモンティ・パイソンも観るようになって、ナンセンスなユーモアに笑い転げていた。
思えば、我々の若かりし頃は全共闘のような熱
映画「さざなみ」 人の心はやわらかくて壊れやすい。すべてを正直に話さなくても…。
『さざなみ』塩辛い映画だった。
人生の晩秋を迎えて、45年も寄り添ってくれた妻に全てをさらけ出さずとも良いのになあ。きっと話さないほうが良いこともあるのだろう。
ジェフよ、いくら愛する妻とはいえ、相手の全てを知ることは不可能だし、自分のすべてを同じように理解してもらうことは不可能に決まってるじゃあないか。
人は何らかの秘密を抱えて生きていくもの。そんな話は墓場まで持っていってくれ。
長年連
映画『桐島、部活やめるってよ』見た 映画って時間が経つと刺さり方が変わるよね
『桐島、部活やめるってよ』を久しぶりに見た。一度目は、目黒シネマで見ているので二度目。
一度目は、最後まで桐島が出てこないという仕掛けに、テーマを忍びこませる凄技に唸らされたのを覚えていたけれど、そこまでは刺さらなかった。青春時代の人間模様を掬ったストーリーは好みの物語だけれど…。私自身は、いわゆるスクールカーストみたいなものを意識しないで生きてきた世代だからか、登場人物にあまりリアルを感じなか