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凪屋佐音の作品

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主に創作系のテキストを収録します。
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記事一覧

【創作】「記憶」

Ⅰ.オモヒデ
頭に必死に入れ込んだり
心が勝手に撮したり
ふわふわしてて ちょっとにがくて
あなたしか見れず
あなたのなかに其はいる

色んなところへ行ってきて
色んな人と出会ったね
色んな夢を見てきたね

あなたをつくるその彩りは
出会った人のその影の
暖かな居所になるの

Ⅱ.トラワレ
僕はにげたい
目を閉ざし、耳を塞ぎ、ベッドのなかに隠れこむ
それでも奴からはにげられない

奴は僕のなかにい

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雑に見送って良かった。本人を前にして泣かずに済んだから。ひとり過ごすこの夜が、あいつの大切さを思い知らせるなんて何て皮肉なんだろうか。
わざわざ2本も記事を書いて、それで「見送る」という感情の難しさと決着をつけるつもりだったのだ、ついさっきまでは。一人を自覚する夜は、少し肌寒い。

生きる。

生きるということその虚しさに苛まれたことがあった。
決して、怖くはないのだ。でも、

どんな個性的な人生を送っても
どんな幸せな思い出を築いても
どんな素敵な人間関係に恵まれても

最後「死」という大きな扉を開けば最後
全てを僕は失ってしまう。

死ぬということそれに救いを求めることもあった。
決して死にたい訳ではないのだ。でも、

どんなに誰かから嫌われても
どんな理不尽を目の当たりにしても

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「今年の桜は、ちょっと物憂げ。」

勝手に働く妄想はひとりぼっちの極みからか、はたまた立ち止まれぬ花見のせいか
桜は僕のことなどお構いなしに、すくとそこに在る

―――来年は、ワイワイみんなで君を観たいな。
物言わぬ桜へ勝手に願ってから、僕は誰もいない道へ一歩を踏み出した