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【創作】「記憶」

4年前

雑に見送って良かった。本人を前にして泣かずに済んだから。ひとり過ごすこの夜が、あいつの大切さを思い知らせるなんて何て皮肉なんだろうか。 わざわざ2本も記事を書いて、それで「見送る」という感情の難しさと決着をつけるつもりだったのだ、ついさっきまでは。一人を自覚する夜は、少し肌寒い。

4年前

「今年の桜は、ちょっと物憂げ。」 勝手に働く妄想はひとりぼっちの極みからか、はたまた立ち止まれぬ花見のせいか 桜は僕のことなどお構いなしに、すくとそこに在る ―――来年は、ワイワイみんなで君を観たいな。 物言わぬ桜へ勝手に願ってから、僕は誰もいない道へ一歩を踏み出した

4年前