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空想お散歩紀行 物語の道

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空想の世界の日常を自由に描いています。
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2023年1月の記事一覧

空想お散歩紀行 ランダムタイムトラベル

空想お散歩紀行 ランダムタイムトラベル

「うーん、どうやらまた失敗か、惜しかったんだが」
街ゆく人々を見ながら、私はもう10回以上は感じている気持ちをさらに上書きしている。
歩いている人、立ち止まっている人、それぞれが手にしているのはスマホだった。
「やっぱり、いないな」
みんなスマホを持っている。スマグラを付けている人は一人もいない。
スマートフォンの次に登場した、スマートグラス。メガネ型の携帯端末。両手が空いて、ファッションとしても

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空想お散歩紀行 風景コーディネーター

空想お散歩紀行 風景コーディネーター

俺の仕事は、いわゆるコーディネーターってやつだ。
まあ、コーディネーターって言ってもいろいろあるが、あえて言うなら、風景コーディネーターと言ったところだろうか。
客の望む風景を提供するのが俺の仕事だ。
個人の旅行者から、ロケ地を探している映画監督まで、とにかくその人が見たい、行きたいと思っている場所に連れていく。
ただ条件が一つある。ご希望の風景の場所に俺は連れていくが、その代わり、そこに行くまで

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空想お散歩紀行 子供の頃にあった物は以外と限定的

空想お散歩紀行 子供の頃にあった物は以外と限定的

冒険者ギルドには今日も多くの人間が集まっている。
よほどこだわりのある冒険者でない限り、各地にある冒険者ギルドを利用する。
ここでは、その土地で募集されている仕事に関する情報が集まる。
短期の肉体労働から、ダンジョン攻略、魔物討伐など、冒険者ならではの仕事のラインナップだ。
単純に冒険者同士の情報の交換という意味でもギルドは有効だ。ここで知り合った冒険者がパーティを組み、その後長い付き合いになるこ

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空想お散歩紀行 異世界安楽椅子探偵

空想お散歩紀行 異世界安楽椅子探偵

ここに来たのは間違いだったかもしれない。
私はその部屋に入った瞬間にそう思った。
窓の無い部屋。いや、正確には本棚で窓が隠されてしまっているんだ。
そして床にはガラクタなのか何か分からない物が散乱している。嫌な匂いがしないのは唯一の救いだ。
この怪しさ満載の部屋の主は今、座椅子に座って私に背を向けている。主の正面ではPCのモニターが光を放っていた。
「んで?私に依頼ってのは?」
座椅子の向こうから

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空想お散歩紀行 戦場主婦

空想お散歩紀行 戦場主婦

「そう言えば、お前知ってるか?」
「何をだよ?」
銃を肩に担いだ男が二人、野営地の中で話し込んでいた。
戦場と言えど、常に弾が飛び交っているわけではない。むしろ何もない時間の方が多いこともある。
「あの、メルゼンのことだよ」
メルゼンとはとある女傭兵のあだ名である。
噂によると彼女は戦場で産まれ、銃弾や砲弾の音を子守歌にし、弾の入っていない銃を人形の代わりに持ち歩き、7才の時には人を撃っていたらし

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空想お散歩紀行 いつかその場所に

空想お散歩紀行 いつかその場所に

ここは?私は隣に座っている運転手に尋ねる。
運転手と言っても、現在は自動運転に任せているから操縦桿は握っていない。
魂の還る場所だと、彼は言った。
宇宙を行く一人旅。なるべく旅費を浮かすためにヒッチハイクを試みたところ、少し不愛想だが親切な人の船に乗せてもらうことになった。
彼が言う魂の還る場所とやらを窓から覗いてみると、時折大き目の小惑星が見えたりするが、基本はどこでも見れるような宇宙空間が広が

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空想お散歩紀行 愛の逃避行

空想お散歩紀行 愛の逃避行

お互いに生まれた時から定められた役割があった。それを運命と言ってしまえばそれまでだろう。
だが、その二つの存在は出会ってしまった。
そしてそのことにより、起こりえないことが起こってしまった。
それはまるで決して出会うことの無い太陽と月のように。
出会ったことによって、まずは互いに互いのことを知りたくなった。
生まれてから与えられた知識を総動員しても、それでも互いのことを知り尽くすことはできなかった

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空想お散歩紀行 空を見上げ、星を感じて想うこと

空想お散歩紀行 空を見上げ、星を感じて想うこと

空を見るのが好きだ。特に夜の星空。
天体観測をしている時は、昼間の世界でどんなに嫌なことがあっても忘れることができる。
学校で嫌なこと言われたことも、苦手な科目の宿題が大量に出されたことも、空を見るだけでちっぽけなことに思えた。
今気になっている星がある。
ちょうどこの時期の、この時間帯に一番よく見える星。星というか、惑星だけど。
私がおじいちゃんから譲り受けたこの望遠鏡は伊達じゃない。
あの青い

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空想お散歩紀行 魔法使い大量覚醒危機一髪

空想お散歩紀行 魔法使い大量覚醒危機一髪

室内だというのに、どこからかすきま風が吹き込んでくる。この時期地上は冬の季節だ。
暖炉に火が入っているが、それでも気休めにすぎなかった。
「まったく、これだから地上は嫌なんだ」
男は一応その宿屋で一番高い部屋の、少し軋む音を立てるベッドに座りながら愚痴をこぼしていた。
男が膝の上に広げているのは、この辺りの地図だ。地図の至る所にペンで書き込みがされている。
それは彼がここ数日で手に入れた情報だった

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空想お散歩紀行 脚本家、世界を歩く

空想お散歩紀行 脚本家、世界を歩く

できた。彼はたった一人の室内で誰に言うでもなく呟いた。
今どき珍しく、原稿用紙に手書きが書かれたそれは、一本の映画の脚本だった。
よい脚本とは何か。それはその物語を見た人が、あたかも自分の物語のように感じることができるもの、というのが彼の持論だ。
そのためには様々なものを見て、聞いて、触れる必要がある。
そう考えた彼は、世界中を歩き回った。
そこに住む人々の人生や広がる風景を自分の中に蓄え続けた。

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空想お散歩紀行 今日も一日忍んでいる

空想お散歩紀行 今日も一日忍んでいる

ぼくは忍者だ。
え?忍者なんてもうこの国にはいない。
確かに、忍者をしている人間はもういない。
でも忍者が人間だけだなんて、そんなのは勝手な人間の間のお話に過ぎない。
ぼくは、今も続いている由緒正しい猫忍者の末裔なのだ。
猫忍者は見た目は普通の猫と変わりない。
それはそうだ、でないとこの社会の中で忍べない。だから頭巾とか被ってない。
人間の忍びに仕事は主に情報関係。敵の機密情報を調べる。それをいち

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空想お散歩紀行 道のりを味わって

空想お散歩紀行 道のりを味わって

新たな技術が生まれれば、生活のスタイルは変わる。
車の発明により、遠くまで歩いて行く人は極端に減っただろう。
そしてその車でさえも、新しい技術が生まれれば、古い技術を使っている車はいつの間にか消えていく。
その流れは古今東西変わることはない。しかし、その消えゆく流れを忘れるわけでもなく、かと言って逆らうわけでもない者もいる。
一定のリズムで身体が上下や左右に小さく揺れる。
レールという決まった道し

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空想お散歩紀行 少子化問題に取り組む彼の言葉には血が通っている

空想お散歩紀行 少子化問題に取り組む彼の言葉には血が通っている

社会には様々な問題がある。それは時代と場所を選ばない。そして社会から問題が無くなった時は一瞬たりとてない。
とりわけ、昨今において世界の至る所で問題となっている社会問題と言えば、少子化だろう。
だが、社会から問題が無くならないのと同時に、問題を解決しようとする者がいなくならないのも世の常である。
ほぼ毎日、日が落ちるくらいの時間帯になると、仕事帰りのサラリーマンたちの流れの中に彼の姿はあった。

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空想お散歩紀行 人の心、刀の魂

空想お散歩紀行 人の心、刀の魂

「我が古の力、手に取る覚悟があるのだな?」
「ああ」

我の名前は妖刀・血桜。誰がいつこの名を付けたのか、もはや我でも覚えておらぬ。
数多の肉を斬り、血を吸い続けた刀身に我という意識が宿った。
我が行うは、ただ我を手にする者に覚悟を問い、応えれば力を貸すだけ。
過去何人もの人間が我が力に溺れていった。
地位ある者もいれば、庶民もいた。剣客もいれば、喧嘩すらしたことがない者もいた。男もいれば女もいた

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