空想お散歩紀行 空を見上げ、星を感じて想うこと
空を見るのが好きだ。特に夜の星空。
天体観測をしている時は、昼間の世界でどんなに嫌なことがあっても忘れることができる。
学校で嫌なこと言われたことも、苦手な科目の宿題が大量に出されたことも、空を見るだけでちっぽけなことに思えた。
今気になっている星がある。
ちょうどこの時期の、この時間帯に一番よく見える星。星というか、惑星だけど。
私がおじいちゃんから譲り受けたこの望遠鏡は伊達じゃない。
あの青い星をはっきりと見ることができる。
私のいる赤い星と対をなすかのような、あの
青に私は惹かれている。
そしてあの青い星には生命が住んでいる。
そこまで私の自慢の望遠鏡は見ることができる。
大勢の二足歩行の生きもの。集団で生活し、いろいろな道具を使っているから、それなりに知的レベルは高いみたい。
でも命と情報の伝達に不完全なところがあるのか、同じ生命体なのに攻撃しあったりして、その数が増えたり減ったりと結構不安定だ。
だからこそ、何が起こるか分からないから見ていて飽きない。
彼らは自分たちが外から見られていることなんて考えもしないだろう。
青い星はここから距離にして、たった100光年あまり。法律で星の外に出てはいけないから行くことはできないけど、もしいつか行けるようになったら一度は行ってみたい。
望遠鏡は見ることしかできない。一体、彼らはどんな音を出しているのか聞いてみたい。
今はただ想像しかできないけれど、星を見て想像を膨らませるのも、また天体観測の醍醐味だ。
うん、今日も満足。これで明日も頑張れそうだ。
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