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創作小説・明青高校シリーズ

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#恋愛

創作小説・神崎直哉の長い1日 第1話 ときぬき萌えリアル

創作小説・神崎直哉の長い1日 第1話 ときぬき萌えリアル

※この作品のオリジナル版は2006年に執筆されたものです。

最終章    伝説の樹の下で

 卒業式を終えたオレは教室の机に戻ると、何か見慣れない物があるのを発見した。

「なんだ? これは……」
 それは差出人不明の手紙だった。

『小波クンへ

今日の夜19時に

公園の伝説の樹の下で待ってます

あなたを想う者より』

「なんじゃこりゃ~っ!!」

 オレは叫んだ。

 教室中のみんなが一

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創作小説・神崎直哉の長い1日 第17話 イジメ、カッコワルい!④ージャイアニズムー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第17話 イジメ、カッコワルい!④ージャイアニズムー

※この作品のオリジナル版は2006年に執筆されたものです。

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 後半戦開始直前、センターラインの前に立つ俺に、敵チームの代表的存在でもある田中が話しかけてきた。

「なんだよ! なにか用かよ!?」

「ふっふっふ、威勢がいいなあ~。先程の攻撃はなかなかだったぞ神崎よ!」

 不快なオーバーリアクションとともに田中が言う。

「そうかい、どうも」

「貴様の実力を少し見くびっていたよ

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創作小説・神崎直哉の長い1日 第16話 イジメ、カッコ悪い!ーブルマ万歳ー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第16話 イジメ、カッコ悪い!ーブルマ万歳ー

※この作品のオリジナル版は2006年に執筆されたものです。

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 グラウンド内は騒然としていた。

「おい直哉! やるなっ! さすがだぜっ!」

 使えない金髪が、ヘラヘラと笑いながら近付いてきた。

「うるせー亮兵! 抜かれんの早過ぎなんだよ」

「へへっ、まあいいじゃないか。それより見ろよ!」

 よくはないだろ。亮兵が指さした方を見る。

「今のお前の活躍で、女子たちがこっちま

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創作小説・神崎直哉の長い1日 第15話 イジメ、カッコ悪い!②ーがんばれキッカーズー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第15話 イジメ、カッコ悪い!②ーがんばれキッカーズー

※この作品のオリジナル版は2006年に執筆されたものです。

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 サッカーコート内にたどり着いた俺の目に映った物は、壮絶な光景だった。

 俺達B組側のゴールキーパーは、相手チームA組メンバーの苛烈な攻撃にボロボロになっていた。

「…………!」

 殺気を感じた。テニスコート側からだ。かなり遠く離れているのにも関わらず、俺が戦慄するほどの強烈な殺気だ。

 オーラが放たれている場所

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創作小説・神崎直哉の長い1日 第14話 イジメ、カッコワルい①ー前園真聖の名言よりー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第14話 イジメ、カッコワルい①ー前園真聖の名言よりー

※この作品はのオリジナル版は、2006年に執筆されたものです。

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「あら~、誰からメール?」

「天堂からだよ。3限目からは授業に戻らないと」

 現在の天堂との契約内容には、こんな内容がある。

 ーー私、天堂梓の代わりにある人物を守る事ーー

「次の時間は、なにやんの~?」

「体育だよ!」

 喜多原の問いに答えを返しながら、俺は天堂に返信メールを送る。

《わかったよ。急い

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創作小説・神崎直哉の長い1日 第13話 保健室登校の甘美な誘い③ー赤ちゃんできちゃう②ー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第13話 保健室登校の甘美な誘い③ー赤ちゃんできちゃう②ー

*この作品のオリジナル版は2006年に執筆されたものです。

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「マジで!?凛ちゃんご懐妊?」

 凛のひと言に万年低血圧ぽい、この保険医もさすがに驚かされたようだった。

「んなわけないだろ……」

「凛ちゃ~ん? 誰の子?」

 おいおい俺の発言は無視かい。

「……なぉやの……」

 ていうか凛も何いってやがる!

「やるね~あんたもなかなか~! パパおめでとう!」

 ノリい

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創作小説・神崎直哉の長い1日 第12話 保健室登校の甘美な誘い②ー赤ちゃんできちゃう①ー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第12話 保健室登校の甘美な誘い②ー赤ちゃんできちゃう①ー

※この作品のオリジナル版は2006年に執筆されたものです。

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 保健室で喜多原と世間話してるうちに、気付いたらすでに2限目へと突入している時間だった。

「あんさ~最近どうよ~?」

「どうって? 何がだよ?」

 まあ、さっきのビンタの跡もまだ目立つし、正直授業もかったるい。まだしばらく、喜多原の相手を続ける事にするか……

「いろいろよ~。凛ちゃんとか」

 凛か……。あいつの

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創作小説・神崎直哉の長い1日 第8話 パーフェクトガールー理想的な関係ー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第8話 パーフェクトガールー理想的な関係ー

 全てが完璧という少女がいた。

 容姿。頭脳。運動神経。人間関係。

 今、俺の横にいる少女、天堂梓〔あずさ〕はまさに全てが完璧だった。

 街を歩けば、誰もが振り返って彼女の事を見る。

 校内で行われるテストでは常に学年トップ。

 スポーツも何でもこなしてしまう。

 人を差別する事はなく、誰とでも平等に接する。

 非の打ち所がない。

 絵に描いたような完璧さだった。

 だが……

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創作小説・神崎直哉の長い1日 第9話 校門前の攻防①ーチョコボール向井編ー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第9話 校門前の攻防①ーチョコボール向井編ー

※この作品のオリジナル版は2006年に執筆されたものです。一部、過激な表現が出てきますがご了承ください。

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「あれ~なんか盛り上がってるみたいだけど、なんかあったの?」

 何も知らない凛が、のん気に俺に尋ねる。

「ああ。北朝鮮のミサイルがその辺に落っこちたらしいぞ」

 腕を掻きながら、適当に答える。

 さっき天堂にされた事で、体中がかゆくてしかたない。

 女に近づかれると

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創作小説・神崎直哉の長い1日 第10話 校門前の攻防②ーツインテールは怪獣の名前ではないー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第10話 校門前の攻防②ーツインテールは怪獣の名前ではないー

※この作品のオリジナル版は2006年に執筆されたものです。一部、過激な表現がございますがご了承ください。

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 凛とチョコボール先生の白熱した、なおかつ微笑ましい戦いも終わり、俺は遂にひとり取り残されてしまった。

 凛も心配気な表情を俺によこしつつ、校内へ入っていった。

 俺の列の風紀委員本当、トロいんですけど、一体どんな顔をしてるやら。

 いつの間にか、俺の後ろに並んでた奴ら

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創作小説・神崎直哉の長い1日 第11話 保健室登校の甘美な誘いー大事マンブラザーズ的恋愛ー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第11話 保健室登校の甘美な誘いー大事マンブラザーズ的恋愛ー

※この作品のオリジナル版は2006年に執筆されたものです。

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「で、ビンタされたってわけ~。は~っカッコ悪いね~」

 タバコ臭い。

 妙齢の白衣の女が俺の前でタバコをふかしていた。

 喜多原夕果。俺の通う高校の保険医兼スクールカウンセラー。

 趣味タバコ吸うこと。

 ちなみにここは保健室の中です。

 て、いいのかよオイ!

 まあいつもこの人はこんな感じだったりする。

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