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笑えないやつじゃーん!

お年の頃は70代、いや、80代…わからない。痩せ型で、白髪のおじいちゃんがニッコニコしながらやって来た。

胸ポケットとズボンのポケットから、紙の束を出してトレーに置く。
半分に折り畳まれたその紙束は、宝くじの袋だったので、当たり外れの確認をしに来たんだなと察した。

トレーに置かれた半分折りの束を手に取ると…あれっ?ん?
それは中身の入っていない袋だけの束だった。
ズコッ!
『これ、袋だけですねぇ、クジが入ってませんよ〜』と言うと、おじちゃんは目をまん丸にして
『えっ?入ってない?なんで?なんで?』と返してきた。
(あ•た•ち•が•聞•い•て•い•る•ん•で•す•よ〜〜笑)
『なんで?って言われても…なんででしょうねぇ?(笑)中身をおうちに置いてきちゃったんじゃないですか?』
『いや〜、そんなはずは、、まいったなぁ、持ってきたはずなんだけどなぁ…』
手ブラのおじちゃんは、あれ?あれ?あれれ?とか言いながらポケットを弄っていたが、
『しょーがねぇなぁ、まったく…ごめんね!』と言ってどこかに行ってしまった。

しば〜〜らくして、おじちゃんがまたやって来た。今度は半分に折った宝くじだけを大量に持って来た。
『家に取りに戻られたんですか?』おじちゃんは、頭を掻きながらニコニコ顔で
『そそそ、あったんだよ家に』と言った。
よかった、よかった、ということになり、受け取って調べてみたところ、小さな当たりが数枚あったので換金して渡した。 

『当たったお金でまた買っていこっかなぁ』
『買ってくれるの〜?ありがとうございます』おじちゃんは当選金で、また宝くじを買ってくれた。
精算して、宝くじとお釣りを渡すと、おじちゃんが恥ずかしそうに、
『お姉ちゃん、ごめんね、オレ、どっちから来たっけ?』
右左を交互に指差して、
『こっちだっけ?あっちだっけ?』と聞いてきた。
おじちゃんは笑顔だけど、私の頭には「認知症」の文字。
『え〜っと、どっちからだったかしらぁ…
おうちの方向がわからなくなっちゃいました?』
『あっ、いや、大丈夫、だいじょーぶ』
おじちゃんは少し離れると、しばし、右と左をキョロキョロしてから、やがて右方向に歩きだして行った。

私はおじちゃんの背中が見えなくなるまで目で追う。おじちゃんは来たときからずっと笑顔だった。笑顔の印象が残った。それが私をしばし感傷に浸らせた。

かなり時間が経って、またまたおじちゃんがやって来た。
『なんか買っていこうかなぁ、今なにがあるの?』
『お客さん、さっきも買ってくれましたよね〜、また買ってくれるんですか?』
『えっ?オレ、買ったの?さっき?ホントに?』
『ほら、そこ、そこ、ポッケに入ってるよ〜』
胸ポケットから出ている宝くじを指差してそう言うと、
『お〜そうだった、そうだそうだ!お姉ちゃんありがと!』
今度は迷わず左方向に歩いて行った。

おじちゃーーーん!!!
自分の親だったら… 未来の自分だったら…
なんだかさぁ。。。せつないよぉ。。。



ヘッダー。(私記録)
雨の日。とてつもなく暇な日。
差し入れでもらったお菓子。秋っぽいけど子どもが食べるようなお菓子かな?
サクサクッ→おおぉぉっ!お見それしました!うんまっ!→見かけたら買おう!忘れないように写メ→このお菓子で、鉛筆ゆ〜らゆら〜みたいなことができるかなぁ?→揺らしてみる→バカげたことをした結果→落とす→お客さんが来る→椅子のキャスターでお菓子を踏み潰す→お菓子は粉々→箒で穿く→ついでに一畳程の床を隅々まで掃く→終わりよければすべてよし!ねっ!そうでしょ?えっ?なんか違う?ま、いっか!愛を込めて♡ 笑

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