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読書記録

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2024年6月の記事一覧

車輪の再発明

車輪の再発明

「既に分かっていることをもう一度発見する」という意味を持つ言葉。

研究の世界では一番になることが重要で、二番目に価値はない。むしろ、先行研究があることを知らないことで恥をかく。

一般的にも「それって時間の無駄ですよね?」「何を当たり前なことを???」と揶揄されることも多い。

けれども、私は車輪の再発明が好きだ。

たとえ既に知られていることでも、自分でたどり着けたことが素直に嬉しい。達成感も

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【読書記録】『静かに生きて考える』

【読書記録】『静かに生きて考える』

『静かに生きて考える』を読みました。

この感想は2回目です。前回のはこちら。
*特につながりはありません。

投稿してから3日しか経っていない。けれども、メモしたのがだいぶ昔なのでずいぶん経ったように感じます。



テレビの話は聞いたことがある。イラストレータの学歴に何の意味があるのかサッパリ分からない。

条件が違いすぎる、というのはとても納得。人にアドバイスを求めるときはどうしようもない

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「疾患」と「病い」

「疾患」と「病い」

文學界の2024年5月号で『贅沢な悩み』連載第5回を読んだ。

内容「客観的に見て、今の自分の状況は贅沢な悩みなんですよね」

という状況において、「客観」とは何なのかを問うためにアーサー・クラインマンの『医療人類学』を引用して書かれている。

「土着の治療者」はシャーマン。「現代の専門的な臨床ケア」は、私たちがイメージする医者を指している。

シャーマンは癒すことができるが、医者は癒すことができ

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語る内容

語る内容

森博嗣の『静かに生きて考える』を読んだ。

考えたいことがたくさんあったので、分けて書く。

確かに、過去の栄光はよく聞くが、今に対して話す人は少ないように思う。むしろ過去の素晴らしい経歴で今を覆い隠そうとすらしているように感じる。

それに対して、研究者は今悩んでいることについて話すという。むしろ過去の栄光は語らないと。

大学生時代を振り返れば、確かに教授たちは今悩んでいることばかりを話してい

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変化に対応できるようにする

変化に対応できるようにする

『飛び立つ君の背を見上げる』を読んだ。

この本は『響け! ユーフォニアム』という作品の外伝。

丁度いま、3期のアニメが放送されている。

それを見ていて、何かの拍子に関連ワードをネット検索したときに偶然アマゾンで発見したのだろう。詳しくは覚えていない。アマゾンの「あなたへのおすすめ」にこの本が表示されていた描写だけが頭に残っている。

『響け! ユーフォニアム』は高校生の吹奏楽部を描いた、青春

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