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生きることは終わりのない義務を永遠に果たし続けることなのか?

カミュの小説、というか哲学書「シーシュポスの神話」では、重い石を何度も山の上まで持ち上げる光景が描かれます。持ち上げては落とされ、持ち上げては落とされ。それは表面的には、終わりのない義務を果たし続けることのように見えます。

しかしカミュはその小説で、労苦によってのみ人生に勝利できる道筋を描きます。問題が解決したわけではない勝利の仕方を提示します。さて、いったいどうして勝利できたのでしょうか。質問を読みながら解説しましょう。

自分の親が毒親か毒親じゃないかはわかりませんが関わりたくないという気持ちだけははっきりしてます。

でもうちの親は世間的には何の落ち度もないので、子の役割は最低限しとかないと余計面倒になることが憂鬱です。

これから親が病気したりボケたら看る義務が発生することが憂鬱です。
生きるって終わらない義務の連続でしょうか? それが人生の真実でしょうか?自分は何が見えてないのでしょうか?

※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼

※この記事は、ソレア質問箱【 https://solea.me/questions/ 】に来た質問を深掘りして回答したものです。心理相談などはソレア質問箱へどうぞ。

■よりよく生きるための3つの方法

よりよく生きるために❶今どんな気持ちがあるのかはっきりさせよう

この質問者さんは「(親に)関わりたくない」って書いてます。この「親に関わりたくない」これがどんな気持ちなのかはっきりさせることです。

この「関わりたくない」という思考が、不安からくるのか、怒りからくるのか、それとも恐怖なのか絶望なのか。そのときの自分の感情をはっきりさせてみましょう。

たとえば「会社に行きたくない」という思考も、昨日上司にパワハラされた怒りなのか、好きな同僚に冷たくされた落胆なのか、プレゼンをする不安なのか、人によって感情は違います。そういう感情をはっきりさせましょう。

感情がはっきりすると、もやもやは影をひそめてくれるでしょう。もやもやがちょっと収まれば、1mmくらいは幸せになれるかも☺

よりよく生きるために❷自分の気持ちを常に感じていること。

質問者さんは、終わらない義務の連続って書いていますが、この義務の連続ではなくて【気持ちの連続】を感じているなら、よりよく生きられるんですね。気持ちを感じましょう。あなたの気持ちは偽らざるものです。ネガティブでもポジティブでもどちらでも、偽りのないものを感じていれば、それがより良い人生になっていくということですね。なぜか?それを理解するにはポイント➌へ話を進めます。

よりよく生きるために❸結論:自分の気持ちを回復させよう(知ろう)

よりよく生きることを見てきましたが、全部自分の気持ちを知ろうという話なんですね。実際、自分の気持ちがわかってない人が多い。自分の気持ちが分からいのは感じないようにしているからです。つまり自分の気持ちにフタをしてしまうんですね。フタをすると、それはガマンということで、怒りが1つこころの奥底に影を落としてしまいます。ガマンされれた怒りは強いです。制御不能になります。その前にガマンしないことが必要なんですね。つまり自分の気持ちを知っているということです。

これ以降は、番外編ですが一番大切なものといえるでしょう。なぜ番外編なのか。それはいろいろ気持ちが分かってきた上で到達できる楽園だからです。

よりよく生きるために➍かなしみを知る

いちばんたいせつなことは、あなたのいろいろな気持ちを知った後で、その彼方に漂っている【かなしみ】に到達することです。十分にかなしみを知れば、人生うまくいくでしょう。

どんな苦労をしても十分にかなしみを知っていけば人生に勝利できることを、カミュはシーシュポスの神話で書いているのです。

なぜかなしみなのでしょうか。大江健三郎の「人生の親戚」の巻末解説で、河合隼雄氏は解説しています。

人生の勝利は「一人一人がそれなりに味わう「悲しみ」によってしか到達できない」(河合隼雄)

かるあ学習帳より

■よりよく生きるために、まとめ。

✅よりよく生きるために❶今どの気持ちがあるのかはっきりさせよう
✅よりよく生きるために❷自分の気持ちを常に感じていること。
✅よりよく生きるために❸結論:自分の気持ちを回復させよう(知ろう)

✅いちばんたいせつなことは、あなたのいろいろな気持ちを知って、その彼方に漂っている【かなしみ】に到達することです。十分にかなしみを知れば、人生うまくいくでしょう。

そして、わたしの著書「孤独と愛着」のラストは【かなしみ】の話です。

あの青い空の波の音が聞えるあたりに
何かとんでもないおとし物を
僕はしてきてしまったらしい

透明な過去の駅で
遺失物係の前に立ったら
僕は余計に悲しくなってしまった

かなしみ,谷川俊太郎, 二十億光年の孤独, 1952

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