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映画感想vol.1

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劇場、DVD等で鑑賞した映画の感想をまとめたものになります。
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【2022年鑑賞映画ベスト10】

【2022年鑑賞映画ベスト10】

今年ももう終わるということで、今年観た映画のベスト10を挙げます。

選考対象は今年劇場公開された新作映画(リバイバル上映などは除く)。

選考基準は、面白かったり好きだったり、言葉にできない気持ちになったりと、とにかく心に強く残った順で選びました。

選考理由と共に10位から順に挙げています。

10位『NOPE』IMAXで鑑賞したこともあって、映像の迫力にやられたし、色々考察するのも楽しい。ジ

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【最高のアクション映画がやってきた!】『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』感想

【最高のアクション映画がやってきた!】『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』感想

『トワイライト・ウォーリアーズ』という映画を知ってるだろうか?
香港からやってきたとんでもないアクション映画だ。
80年代の香港を舞台に九龍城砦を巡る男たちの血沸き肉躍る戦いが描かれる。

監督は『ドラゴン×マッハ!』のソイ・チェン。
出演に『SPL 狼たちの処刑台』のルイス・クー、サモ・ハン、アーロン・クォック、リッチー・レン、レイモンド・ラムらと豪華キャストが名を連ねている。

アクション監督

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【誰にでもやらなきゃいけない時がある】映画『おんどりの鳴く前に』感想

【誰にでもやらなきゃいけない時がある】映画『おんどりの鳴く前に』感想

『ミッドサマー』、『ガンニバル』、『黄龍の村』、『犬鳴村』など「イヤな村映画」というジャンルが定着しつつあるが、これもおおまかに言えばイヤな村映画に属する作品かもしれない。(といってもこの作品の場合、嫌なのは一部の人だが)

物語の舞台はルーマニアの片田舎。
のどかな村で斧で頭を割られて死んだ男の死体が発見される。村に駐在する警察官イリエは捜査を始めるが…というあらすじ。

監督はルーマニア出身の

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【あなたにとっての敵とは?】映画『敵』感想

【あなたにとっての敵とは?】映画『敵』感想

穏やかな生活を送っていた独居老人の前に敵が現れる物語を、モノクロの映像で描いた映画『敵』。

原作者は『時をかける少女』、『パプリカ』などで知られるSF界の巨匠筒井 康隆の小説。監督は『桐島、部活やめるってよ』、『騙し絵の牙』の吉田大八がつとめる。

主人公、渡辺儀助を演じるのは長塚京三。
共演には瀧内公美、黒沢あすか、河合優実、松尾諭、松尾貴史、カトウシンスケ、中島歩らが脇を固める。

主人公は

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【この復讐は己のために】映画『悪魔を見た』感想

【この復讐は己のために】映画『悪魔を見た』感想

「人を呪わば穴2つ」という言葉があるけど、この映画はある意味そうなのかもしれない。

韓国映画『悪魔を見た』。
日本での公開は2010年と15年前の作品なんだけど、去年観た旧作映画で1番好きだった。

物語は殺人鬼に婚約者を殺された刑事の壮絶な復讐劇。
復讐者である刑事スヒョンを演じるのはイ・ビョンホン。復讐相手の殺人鬼ギョンチョルを演じるのはチェ・ミンシク。監督は『箪笥 たんす』、『甘い人生』な

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映画『アット・ザ・ベンチ』感想

映画『アット・ザ・ベンチ』感想

一つのベンチから見る人間模様。
東京、二子玉川の川沿いに実在するベンチを舞台に人々の日常を描いた映画『アット・ザ・ベンチ』。

ワンシチュエーションの会話劇でエピソード毎にそれぞれ異なる脚本家が担当している。(ただし、エピソード1と5は同じ脚本家)

2025年最初に観たのがこの作品だったがとても良かった。
気楽に観れて笑ったり切なくなったりと色んな感情を揺さぶられる。それでいて鑑賞後も重くない。

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【最高なハチャメチャ復讐劇!】映画『私にふさわしいホテル』感想

【最高なハチャメチャ復讐劇!】映画『私にふさわしいホテル』感想

文学の世界を舞台に不遇な扱いを受けた新人作家の逆襲と奮闘を描いた映画『私にふさわしいホテル』。『BUTTER』などで知られる柚木麻子の同名小説が原作となっている。

監督は『池袋ウエストゲートパーク』、『トリック』などの人気ドラマシリーズで知られる堤幸彦。主演は『さかなのこ』ののん、共演には滝藤賢一、田中圭、田中みな実などがそうそうたる面子が名を連ねる。

正直、堤幸彦はドラマは好きだけど映画はそ

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【2024年映画ベスト10】

【2024年映画ベスト10】

自分が去年、劇場で観た映画のベスト10本を挙げていきます。
条件としては自分が去年劇場で観て(公開日が一昨年でも鑑賞したのが去年の場合はカウントしています)特に好きだった作品を選んでいます。

順位はつけていません。
特に心に刺さった作品10本を選出して挙げています。良かったらどうぞ。

【枯れ葉】この魅力は唯一無二。
アキ・カウリスマキが引退を撤回しての復帰作ということで一抹の不安があった訳でも

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【青春なんてイタくてなんぼ】映画『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』感想

【青春なんてイタくてなんぼ】映画『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』感想

『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』は2003年のカナダを舞台に映画好きの少年の青春を描いた物語だ。監督は本作が長編デビューとなるチャンドラー・レバック。

いわゆる「イタい主人公が傷つきながら成長していく青春物語」なんだけど、想像以上にビター&シビアであった。

まず主人公のローレンスが性格にだいぶ難がある。
ワガママ、プライドは高いくせに打たれ弱い。そのうえ人をナチュラルに

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【あの帽子の行方を探して】映画『SUPER HAPPY FOREVER』感想

【あの帽子の行方を探して】映画『SUPER HAPPY FOREVER』感想

絵画のような映画だと思った。
映画『SUPER HAPPY FOREVER』は、妻を亡くした男の現在と亡き妻との出逢いの日を描いた物語だ。

予告編の印象から感傷的な話かと思っていたが、構成や演出が凝っていて物語自体も面白い。映画の前半は妻を失った夫の現在パート、後半は2人の出会いを描いた過去パートという構成になっている。

疑問が生じる現在パートを過去パートで答え合わせしていくような演出が面白い

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【生きるのも死ぬのも上手くできない私たちは】映画『地獄でも大丈夫』感想

【生きるのも死ぬのも上手くできない私たちは】映画『地獄でも大丈夫』感想

何とも奇妙でポップなバディ・ムービーだった。

物語の舞台は韓国。イジメにあっているナミとソヌ。彼女たちは自殺を考えているが、その前に自分たちをイジメた元凶に復讐しに行くことにする。
だが、そのイジメっ子は新興宗教に入信しすっかり改心していた…

こんなクソみたいな世の中では死ぬことも生きることも上手くできない。
それでも相棒のような、この世を一緒に生き抜いてくれる誰かが傍にいるなら生きていけるか

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【何が正しいのか分からない世界の中で】映画『動物界』感想

【何が正しいのか分からない世界の中で】映画『動物界』感想

人間が動物に変異する奇病が蔓延する世界を舞台に、愛する妻が動物に変わってしまったフランソワと息子のエミール。
映画は彼らの姿を通じて、混乱する世界で生きる人々の繋がりや絆を描き出す。

映画『動物界』はフランスで観客動員100万人を超えるヒットを記録したSFスリラーだ。監督はフランス出身のトマ・カイエ。主演は『彼は秘密の女ともだち』のロマン・デュリス、『Winter boy』のポール・キルシェがつ

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【暗黒青春ファンタジー?】映画『オアシス』感想

【暗黒青春ファンタジー?】映画『オアシス』感想

清水尋也と高杉真宙がW主演を務め、危険な裏社会に生きる若者たちの青春を描いた映画『オアシス』。

鑑賞していく内に印象の変わっていく不思議な映画だった。

冒頭こそまさにノワール、ピンと張り詰めた空気に背筋がゾクッとする。
「雰囲気良いね~」と思って観ていくと伊藤万理華演じるヒロインが登場した辺りから緊迫感はどんどんゆるくなっていく。

謎だらけの彼らの関係や過去が明かされるにつれ、映画の雰囲気も

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【懐かしき近未来】映画『HAPPY END』感想

【懐かしき近未来】映画『HAPPY END』感想

近未来の日本を舞台に2人の高校生の青春と友情の行方を社会問題を取り入れながら描く映画『HAPPY END』。監督は昨年3月に死去した音楽家・坂本龍一の息子であり『Ryuichi Sakamoto | Opus』の空音央がつとめる。

近未来が舞台なのに懐かしいという不思議な世界観だった。
他の方の感想でも書かれてるが『AKIRA』などが好きな人なら是非チェックして欲しい。本作で描かれているのは80

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