やりたいことを見つけよう!って風潮もうやめないですか??
現在、転勤族の夫と結婚し、新卒から勤めた会社を退職後、フリーランスになりました。
その中で、自分の人生を見つめ直し、自分に何が出来るのか、自分の強みは何なのか、世の中に価値提供出来ることはどんなことかを日々考えながら模索する毎日です。
今日はタイトルそのままがオチになってしまうのですが、「やりたいことを見つけよう!」「やりたいことで生きていこう!」「好きなことを仕事にしよう!」っていう風潮はもうやめませんか・・・?という問いかけです。
一体誰に向かって言っているのか分からないですが、最近のこの風潮ものすごく強くなってきている気がします。
そしてわたし自身も、会社を辞めてフリーランスになると決めた時、この風潮に見事に流されてしまいました。
そこで、今この流れを再度俯瞰して見てみた時に本当に思うことについて書いてみようと思います。
そもそも好きなことが分かっていない問題
わたしがフリーランスになって、会社という看板が自分から外れた時に、一体自分が世の中に価値を提供できるものは何か・・それをすごく考えました。
その辺の葛藤はこちらの記事で書いております。
この記事でも書いている通り、最初に自分の好きなことをずらっとあげています。
この記事を書いた時はそもそも、そういった風潮に流されていたという感覚は無かったのですが、フリーランスになるんだから自分の好きなことをやってこそのフリーランスだ!!!と思っておりました。
ですがそもそも論、自分自身が好きなことがなにか、はっきりと分かっていない問題があります。
これは意外とみんなあるのでは??と勝手に思っているのですが、自分が好きなこと、しかも仕事にしたいくらい好きなことって、パッと思いつきますか??
この記事で書いた時は、結構な時間を使って自分の好きなことをノートに書き出したりしていました。
今までの自分の経験や、他の人から褒められたこと、自分が苦ではなく出来ることなんかをザッと書き出したりしていました。
この行動に関しては、ムダだったな~とは一切思っていなくて、現在でもやってよかったと思っていますしやるべきだったと思っています。
ただ、ここで出てくる、ノートに書き出せることって、既にしっかり自分の中で言語化されていて、表面に出てきているものだけというのが抜け落ちている気がしています。
フリーランスになって色々な仕事を経験してみて、今自分がこの仕事好きだな~と思うもの、この環境が好きだな、こういう人が好きだな、こういう仕事の仕方が好きだな、と思う好きなものってノートに書き出すことって難しいんですよ。
これは言語化するのが難しいというより、好きなことを仕事にしたいと最初に考える時に、思いつかないものばかりということです。
なんだか抽象的すぎて分かりにくいので、次の章でわたしの具体的な例をあげながら説明していきたいと思います。(非常に分かりにくいけどどうかついてきて~~笑)
表面に出てきている好きと見えない好き
例えば、わたしの場合。
最初にフリーランスとして仕事をしていくと考えた時に、自分の好きなものに料理をあげました。
また、幼少期からピアノをやっており、これもいつか仕事にできたら良いなと思っていたので、ピアノも選択肢にあげています。
そして、実際にフリーランスになってからどちらも仕事としてやってみました。
外国人に料理を教える、和食料理教室。
ピアノ講師の求人に応募してピアノの先生もやってみました。
でも結局なんだか違うな~と思い続きませんでした。
なぜ好きな事を仕事にしたのに上手くいかなかったのかは、こちらで書いています。
結局、好きの概念が大きすぎだんだと思います。
この好きは、自分の中で表層化している好きです。
イメージはこの氷山の見えている部分。
これって、自分を振り返る時、自分と向き合うときに、出てきやすい状態の好きなことなんですよね。
どれもノートに書き出しやすいし(名詞が多い)、頭の中に映像や文字として浮かびやすい状態に既になってくれています。
でも、今自分が楽しい・やりたいと思う仕事って、この氷山の隠れている水中の部分のものばかり。
これも同じく自分の好きなことなのですが、ここに最初から行き着けるわけではありません。自己理解や自己分析のやり方が悪かったり、理解が浅すぎるんだと最初は思っていたのですが、恐らくこれも違っています。
自分自身でも、表面的ではない好きなことが分かっていないんです。
色々な仕事をしてみて分かってきたことではあるのですが、そもそも仕事ってこんな仕事もあるの??こんなことやっている会社もあるの??こんな職業もあるんだ、こんなことでお金をもらうことができるの??知らないことばかり。
自分がフリーランスになって仕事をしようと思った時に、自分の頭の中に浮かんでくることなんて、自分が好きなことで自分の知っている職業だけ。当たり前ですよね、そもそも知らないので浮かんでくるわけもない。
会社員としてしか働いたことのないわたしが、自分の好きなこと(ノートに書ける表層化したもの)で知っている職業(ノートに書き出せるレベルの固有名詞のある職業)って片手でおさまる程度。
その結果、ピアノが好きだからピアノ講師、料理が好きだから外国人向けの料理教室、こういった思いつきやすい好きなことを本当に好きなことだと思って仕事にしてしまったというのがこれまでの流れです。
より深い好きの深層部分に入り込む
じゃあ、どうやって氷山の水中部分にたどり着くのかと言う話ですが、やぱりこれは経験以外から生まれることはないと思います。
水泳が好きかどうかは泳いでみないと分からないし、タイ料理が好きかどうかはタイ料理を食べてみないと分かりません。
しかも、経験をしながらも自分の好きなことをかなり細かく細分化していくことが大切です。
例えば、わたしの料理講師やピアノ講師をやってみて好きと思うことは、
→教えることが好き
→ただ教えるのではなく相手が成長していることを感じられるのが好き
→物事の背景や経緯を一緒に伝える・考えるのが好き
→そこにコミュニティや文化が生まれることが好き
→少し困難なことを越えようとするエネルギーが好き
→答えが明確にあるものではないものを考えることが好き
→自分にはない他の人の思考を聞くことが好き
講師をするという経験だけでこれくらい細かく好きが細分化されていきます。
そこから、更に一緒に働く人や相手にする顧客に対しても考えます。
→自分の思考が深く伝わる相手であって欲しい
→言葉の言い回しや伝え方の感覚が合うことが嬉しい
→綺麗と思う感覚や自分が少し違和感を感じる感覚が同じだと心地が良い
→その人の人間味や感性が見えることが嬉しい
要はこの感覚が満たされることが自分にとって好きなことをしている状態であって、自分の深層にある好きにたどり着いている状態です。
そう考えると、この状態を満たしている仕事をすることが、わたしの好きな仕事をするという状態になります。
わたしはこのあと、全然違う企業向けの法人研修のカスタマーサクセスの仕事をするのですが、その人の成長に関わることができたり、目標達成に向けて道筋を立てたり、全く違う状況ではありながら、同じ事が感じられました。
この好きな状態って、結構汎用が可能だったりします。
逆に表層化している好きは、他のものに転用することが難しかったりします。
今日はなんだか哲学的な話しになってしまった気がするのですが、最近良く言われる好きなことを仕事にしよう!というのを真に受けて、表面に出てきている好きを仕事にする事を考えると、どんどん視野が狭くなってしまいます。
そこで、あれなんか思ってたのと違うな・・?と失敗するというのもわたしは経験の一つとして、とてもいい経験になると思うのですが、是非その奥底にある自分でもまだ見えていない好きの感覚に気づくと、よりやりたいことを追求して充実した人生を遅れるんじゃないかなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
シンバ🦁