はじめまして、思方(しほ)と申します。 唐突にnoteを始めました。というのも題名にある通り、「ピローマン」という衝撃的な演劇作品に出会ったのがきっかけでいてもたってもいられなくなったからです。 とはいえTwitter(まだXとは呼べない)は140字しか書けないし、とてもじゃないけどそんな簡潔に潔良く明快にこの舞台の感想をまとめられる自信もなく、うじうじしていたらついに千秋楽を迎えてしまいました。おめでとうございます…! 最近読んだ本に、推し(人に勧めたくなる何か)を語る時
2024.10/28 大内彩加さん、谷賢一さんの公開裁判の傍聴に行ってきました。 あの場に居合わせた1人として、私の意見をここに書きたいと思います。 まず、私が今回の傍聴に行った経緯について書きます。 2年前の2022年12/15、大内さんのツイートで初めて谷さんの性加害を知りました。ツイートを見た瞬間頭が真っ白になり、思わず声が出たのを覚えています。 その1年前の2021年5月、私はDULL-COLORED POPの演劇学校(WS)に1ヶ月程通っており、谷さん、大内さ
2023.10/11 観劇 10代のうちに数え切れない程観劇をしてきましたが、中でも「テンダーシング」の世界に居た時間は忘れられない体験です。 高校生の時客席に座るに至った経緯も、2年越しにこの作品に再会したタイミングも全てが私へのギフトであり、忘れかけていた高鳴りにも、忘れられない恋しさにも気付かせてくれました。 初演を観た時の自分からすっかり無くなってしまった脆さや、実はずっと当時からそこにあった軸に久しぶりに対面することになり、戸惑いながらもどこかやっぱりねと、自分
2022.5/11 観劇 昔から大好きでずっと胸にある大切な作品。 久しぶりにこの世界に訪れてみたら、いつの間にか自分が星の王子さま側ではなく、彼が出会っていく大人側になっていたと気付く。 どうにかして一瞬一瞬の私を繋ぎ止めたいのにどの感情の波も忘れたくないのに、毎日忙しなく生き急ぐ中でだんだんとユーモアも想像力も手放しながら、大人になったんだと思った。 いつかこう思うのが怖かった昔の自分を忘れてしまうくらいには、強くなってしまったみたい。 自分の経験した感情の行方が知り
2021.12/19 初日に観劇。 久しぶりに心が燃える舞台に出会った。 モリーナの生き方が死ぬ程美しかった。あれが私のゴールのような気までしてくる…。 モリーナにとっての映画が私にとっての演劇で、現実逃避の為に芸術に寄りかかっている。それが娯楽の役割だとしても現実世界で幸せになることから逃げちゃいけないんだな…。 映画を語るシーンは舞台上を上手く使って、想像の世界が綺麗に融合していてとても演劇的だった。昔、映画で観たことがあったけどここのシーンは特に舞台化が活きていたと
2021.8/21 A日程を観劇。 観劇後、前回よりもずっしりと受け取るものがあった。B日程よりも生々しく、テンポがリアル。B日程の方がコメディ感は強かった気がした。(観客の反応もあると思うが) スズナリから離れたくなくて、暫く動けなかった。思う事が沢山あるのに、全部自分の中に閉まって歩き始めるのには労力がいる。(だからここに書くんだけど) そろそろ若さや無知を言い訳に生きていけなくなる事に凄く焦る。これからどうやって生きていけばいいのか、それこそ子供は産むのか、結婚は出
2021.8/13 観劇 B日程(女性が男性、男性が女性を演じる)を観劇してきました。 恐らく男性女性がそれぞれの性別で演じていたら、女性の立場が悔しくて観るに耐えられなかったかもしれない。(だからこそA日程も是非観たい) 異性を演じることにどんな意義や効果があるのか気になっていたが、個人的にはとても観やすかった印象。自分の感情をマイルドにして観られた。でもだからと言って決して薄いのでは無い。 女性が演じる男性だから、男性に心を開いて男性目線で観ることも出来た。両性の立
2021.8/6 観劇 大好きな先輩が出演されてる舞台を観劇してきました。 言葉だけで情景が浮かんでくる。役者の発する音の偉大さに脱帽した。 8月6日にこの作品を知れて、私にとって意味のある出来事だった。 被爆地で何が起きていたのか、どんな人生があっ たのか、目の当たりにして衝撃を受けた。 理不尽で身勝手な政府や、容赦無く襲いかかる原爆の脅威、無慈悲な自然の威力を前に必死に足掻く若者に、国政やコロナに楽しみが奪われ、我慢するしかない高校生の自分がどこか重なった。(もちろ
2021.7/23 観劇 人間一人では受け止めるには本当に、なんというか、あまりにも莫大で壮絶で、たった4時間弱でこれが味わえる演劇ってなんなんでしょうか…。 サラとリュディヴィーヌのシーンに嗚咽。客席で息を殺してる時間って本当に宝物だ…。 アルデンヌの森の家族のシーンも死ぬ程苦痛だった。 アルベールの思想に理解したくないのに、言葉が美しくて自分の中に容易く入ってくる感じが凄く嫌だった。 2回目のサラとリュスのシーン、実際の年齢的には逆なのに何の違和感も無く親子に見えて
2021.2/26観劇 ロミオとジュリエットの天国も地獄も、その全てをみせて貰えた。 この清々しい空虚感をどう表現したらいいのか分からない。これ以上の幸せは無いってくらい晴れやかに踊る2人が丁寧にお辞儀をして手を振って捌けていく。 ただのカーテンコールなのにどうして涙が止まらないんでしょう。 無知な私にはまだ想像も出来ないような愛があって、信頼がある。それが舞台上で透けてみえた気がする。 劇場を出るとそこには来た時と同じ建物と人と空があって、知らない間に沢山置いて行かれた
2021.1/28 観劇 なにか凄く重要なことを訴えかけられたような、とんでもない秘密を打ち明けられたような、そんな衝撃があった。 暗転になる度におもしれえええってニヤニヤして、物語が展開していくにつれ、笑いも涙も止まらなくなって。熱量を発しながらぶつかりあってる人間の会話に痛い程鳥肌が立った。 開演前の音楽が凄く耳触りが良かったし、劇中の音響もなんだかルパンっぽくてかっこよかった。あとカーテンコールで役者さんが5人しかいないの分かってたのに驚いてしまった。劇中ではもっと
2020.12/17観劇 最後の最後まで不快、本当に胸糞悪い。 誰も幸せになれない世界観がチェーホフらしいなあと。 そもそも人間って所詮あんなもんだし他人の辛さって理解出来るものじゃないし私は理解したくもなくなった。 ラストはまさかと思ったらそのまさかの演出で凄く苛立ったのに何故か美しく感じた。 途中から日本の国旗を見るのも嫌になって日韓関係はこれからだって根底は変わらないままなんだろうと絶望した。 音響も耳を塞ぎたくなる程不快。 なのにというかだからというか、自
2020.12/14観劇 ずっとこの作品を待っていたのではないか、そんな気がしてくる。私は自分の痛みや大切な人と向き合う事を無意識に避けてた。それを思い知った。 どこまでも人間臭くて、汚くて、素直で、皮肉。気付けば抜けられなくなってる泥沼の空気感に「こんな演劇知らない!」って驚いているのに、自分を見ているみたいでどこか冷静だった。 良くも悪くも人間の鑑のようで、感情を爆発させても必死に自分を保とうとする姿や目を背け続けてきた傷と向き合う姿を観るのが苦しかった。 兎に角「
2020.12/13 二度目の観劇でした。 愛憎と復讐心。 常時無意識に理性で押さえ付けている感情がどんどん刺激され、込み上げて溢れていくのです。 初めて味わう感覚に興奮と動揺が止まりませんでした。 愛すると同時にどこか見返りを求めていたり、激しく愛した分、激しい憎しみに豹変したり。最近の自分とピュラデスが重なり過ぎて、今にも叫び出してしまいそうでした。 人間を振り回す欲望や苦しみにダイレクトに訴えかけられた時間でした。 この舞台で私が得られたものはセラピーです。 誰