蜘蛛女のキス(アーカイブ2021.12/19)
2021.12/19 初日に観劇。
久しぶりに心が燃える舞台に出会った。
モリーナの生き方が死ぬ程美しかった。あれが私のゴールのような気までしてくる…。
モリーナにとっての映画が私にとっての演劇で、現実逃避の為に芸術に寄りかかっている。それが娯楽の役割だとしても現実世界で幸せになることから逃げちゃいけないんだな…。
映画を語るシーンは舞台上を上手く使って、想像の世界が綺麗に融合していてとても演劇的だった。昔、映画で観たことがあったけどここのシーンは特に舞台化が活きていたと思う。
同性愛者として差別されるのが当たり前のモリーナにとって、バレンティンのように否定しないでくれる存在がどれだけ大きくて危険であるのか。
愛は強過ぎると搾取される弱さになるな。それでも二人の人間の愛が素敵だった!
あと舞台美術が凄く好みだった。
紗幕や高低差を効果的に使っていて。檻の奥が牢屋になったり手前が牢屋になったりするのも良かった。二人の食事のシーンはプレイハウスが急に小劇場なったような吸引力があった。照明も、舞台の形や役者のみえ方が次々変わり面白かった。
とても質の高い作品に触れられた。