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ポップカルチャーは裏切らない

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”好きなものを好きだと言う"を基本姿勢に、ライブレポート、ディスクレビュー、感想文、コラムなどを書いている、本noteのメインマガジン。
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#コンテンツ会議

2024年ベストドラマ トップ10

2024年ベストドラマ トップ10

良作の多い年だったと思います。私は明確なメッセージにひた走るタイプの作品を苦手としていて(良質かつ誠実なのは分かるが好きになれない)、ゆえに近年のドラマのトレンドは刺さりづらかったのですが、配信限定も含めると今年は久しぶりに連続ドラマであることの豊かさを堪能できました。大半は配信中。皆さま是非!(特に1位)

10位 3000万

ふとした結果で3000万円を手に入れてしまった家族が巻き込まれるブ

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2024年上半期ベストドラマ トップ10

2024年上半期ベストドラマ トップ10

最近は上半期ベストドラマというのは選んでこなかったけど今年はどういうわけか山ほどドラマを観ている。これは恐らく昨年「ゲーム・オブ・スローンズ」全シリーズを観ていた時間をドラマ視聴時間に充てることができている、ということなのだけど、それにしても良作が多すぎる気がする。年間ベストで拾い切れなくなる作品が惜しいので、トップ10を久々に決めてみた。

10位 エリック

今年、数多い"子供が失踪する"とい

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2024年上半期ベストアルバム トップ10

2024年上半期ベストアルバム トップ10

アルバム編、今回の10枚は結構新鮮な顔ぶれになっているのではないだろうか。何度目かの新たなものを求めるターム。それでいて、常に安心感をくれるものも同時に愛したいターム。これですね

10位 グソクムズ『ハロー!グッドモーニング』

振り幅も円熟味もフレッシュさとはかけ離れた充実のメジャー1stアルバム。各曲ごとのフォークとロックンロールとダンスビートの切替が絶妙で、それぞれのキャラは濃いのにつるん

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2024年上半期ベスト映画 トップ10

2024年上半期ベスト映画 トップ10

映画館に見に行く本数は減ってしまったけれども、配信などで食らいつくことができたと思う。結論をすぐ出さない、"揺らぎ"のある映画たちを10本。

10位 アメリカン・フィクション

本年のアカデミー賞作品賞ノミネート作。海外の作品を見始めたのはここ数年だけど、“真っ当”なものとして見てきた傑作にもこのコメディが刺そうしている目線があるのでは?と思わせるような毒と説得力があった。戯画化された正しげな配

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2023年ベスト映画 トップ10

2023年ベスト映画 トップ10

劇場公開から配信までの間隔がどんどん狭まって、年末には9月公開くらいの映画ならば(特にU-NEXT)配信で観れちゃうようにはなってるのだけどこうして振り返ると劇場鑑賞のインパクトはやっぱ強い。来年は恐らくここまで映画館には行けなくなるはずなので、このトップ10を大事に噛み締めます。

10位 正欲

欲望が共有されない寄る辺なさ、欲望を共有することで生まれる信頼、という点でとても根源的な問いにまつ

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2023年ベストトラック トップ20

2023年ベストトラック トップ20

今年からは20曲に。選りすぐりの良い"うた"ばかりです。

20位 Cody・Lee(李)「さよuなら」
つくづく彼らは生活のバンドなのだな、と思う。メンバー脱退をここまで明け透けに歌にするとは。本当の想いを隠し切れないという誠実さ。

19位 Bialystocks「幸せのまわり道」
フォークの装いでどこまでリーチできるか、それを何歩先にも進めてしまう存在が、ど真ん中を撃ち抜いてきた。この温かさ

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マカロニえんぴつの”ずらし方"/2023.11.05『マカロックツアー vol.16』@マリンメッセ福岡

マカロニえんぴつの”ずらし方"/2023.11.05『マカロックツアー vol.16』@マリンメッセ福岡

両日ともにソールドアウトという大記録となった初アリーナツアー福岡公演の2日目。Queblickやvoodoo loungeで観たバンドをマリンメッセで観るのは初めてのこと。この5年のブレイクに伴って興味が薄れるどころか、今年のアルバムで最高値を叩き出してくれた稀有なバンドの大舞台である。

ところでこのツアーには正式タイトルがある。「マカロックツアーvol.16 ~マカロニちゃん、じつはとってもシ

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その先の青さに/9.29 ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour2023『サーフ ブンガク カマクラ』@ Zepp Fukuoka(ゲスト:THEティバ)

その先の青さに/9.29 ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour2023『サーフ ブンガク カマクラ』@ Zepp Fukuoka(ゲスト:THEティバ)

こんな日がやってくるなんて思わなかった。今年、15年ぶりに再録された名盤『サーフ ブンガク カマクラ』、それを引っ提げてのツアーである。2009年に当時の全曲を披露したツアーはあったが当時は高校受験で行けなかった。もうほぼサーフの曲を聴くチャンスは無いと思われたが、生きてるといいことはあるものだ。

福岡公演のフロントアクトはTHEティバ。素晴らしいガレージロックを聴かせてくれた。音源はへろっとし

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救いある関係性を描くこと〜「ほつれる」「こっち向いてよ向井くん」

救いある関係性を描くこと〜「ほつれる」「こっち向いてよ向井くん」

他者と関係を結ぶことはつくづく人生そのものだ。友人、恋人、家族、そういう関係だけでなく孤立を選ぶというのも“他者を拒絶する”という関係を結んでいるわけだから人の心は関係から逃れることはできない。

こういうもの、だとされていた価値観が瓦解しつつある現在。多くの”関係“を見つめる作品が生まれている。ここ最近観て印象的だった2作品もまたしかり。自分や他者にとって救いになる関係性とは何なのだろうか。

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この1年間とこの5年間でよく読んでもらえたnoteたち[note執筆5周年]

この1年間とこの5年間でよく読んでもらえたnoteたち[note執筆5周年]

noteを開設して5年が経ちました。書き手も読み手も入れ替わりの激しい場所で、金の匂いやきな臭さに見向きもせずによくぞここまで書いてきたとちょっと誇らしい気分であります。恒例の年イチアクセスランキングと、この5年間のトータルアクセスランキングをここに載せておきます。

この1年間でよく読んでもらえたnoteたち
10位 楽器未経験の音楽好きがDTMでなんとか歌を1曲仕上げてみた

そういえば最近全

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2023年上半期ベスト映画 10

2023年上半期ベスト映画 10

10位 フレーミングホット!チートス物語

あまり観ない伝記モノだが知られたお菓子という題材に釣られて観たらとても面白かった。自分はこのぐらいのモン、と社会や時代に思わされてしまう境遇においても、ユーモアとアイデアの輝きはきっとずっとそこにあることを実直に描いていた。こういうニッチなヒストリードラマ、もっと観たい。

9位 フェイブルマンズ

スピルバーグの巨匠への道筋をなぞる映画だと思いきやその

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カネコアヤノの2本のツアー/2023年上半期ベストライブ

カネコアヤノの2本のツアー/2023年上半期ベストライブ

カネコアヤノの2本のツアー

先に結果から述べておくと、上半期のベストライブ1、2位はカネコアヤノのツアーだった。2位はZepp Nagoyaでのライブハウス編、1位は福岡市民会館でのホール編。年始にリリースされた『タオルケットは穏やかな』のツアーだ。まとまった感想をnoteに書けずにいたがここに記しておきたい。

まずライブハウス編。長年サポートドラマーを続けてきたBob(HAPPY)が去って初

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2023年上半期ベストアルバム トップ10

2023年上半期ベストアルバム トップ10

例年よりは遅れてしまったけれども、今年も上半期ベストnoteを書き上げることができた。良い歌モノとの出会いのきっかけになればこれ幸い。どのアルバムも、すごく優しい、というのは共通点かもしれない。心に寄り添うという作品が年々好きになっている。下半期も、音楽に抱えられていきたい。

10位 クラムボン『添春編』

蛙化現象という言葉がZ世代の流行語であり、しかもそれがYouTuberの動画を基に流行し

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トラウマを抱きしめ合える町/『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3』

トラウマを抱きしめ合える町/『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3』

※ネタバレ感想です

ジェームズ・ガンが監督するマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の一角をなす「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズ。その完結編である「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー  VOLUME.3」は、1つの愛すべきシリーズに決着をつけるという点でこれ以上ない大団円をくれた。

現在MCUはフェイズ5の真っ只中だ。フェイズ4〜6から構成されるマルチバースサーガとなる予

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