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『綿帽子』

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綿帽子というタイトルで書き綴っているエッセイです。 「親子とは何か?自分とは何か?」 永遠に答えが出なさそうで、案外知っていたりする事実をテーマに書き綴っております。自分の経験や…
無料記事に有料記事8本を含めた『綿帽子』第一部を纏めたマガジンです。
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#母

綿帽子 第六十四話

朝が来た。 荷物を全て運び出したら、俺とお袋は隣駅近くにあるホテルで一晩を過ごす。 午前…

sekirein
2か月前
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綿帽子 第六十三話

いよいよ明日が引越しの日だ。 荷物は全て整えてある。 何だかんだで毎日続いている公会堂へ…

sekirein
2か月前
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綿帽子 第六十二話

てんやわんやの毎日が続く。 引越しの日も迫って来ている。 家の中の荷物は一通り片付いた、後…

sekirein
2か月前
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綿帽子 第五十一話

「今ホテルに着いたわ、これから叔母さんと不動産屋に行ってくる。向こうでまた連絡するしな」…

sekirein
4か月前
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綿帽子 第五十話

叔母は相変わらず首を縦に振ろうとはしなかったが、従兄妹たちの家の近くには住まないという条…

sekirein
4か月前
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綿帽子 第四十九話

「おはよう」 「おはよう」 我が家は落ち着いている 「なんてことは起こり得ない!」 家に…

sekirein
4か月前
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綿帽子 第四十八話

その日はやってきた。 お袋と二人足取りは重く、神妙な気分でタクシーに乗りこんだ。 車内では二人とも何の会話もなく、お互い笑顔を見せるわけでもない。  俺はただひたすらに「ミスをしないように」と心の中で繰り返し呟いていた。 家を売るなんて初めての経験だし、緊張しないはずもない。 だが、それ以上に全身の痛みが激しくて、冷静に対処する自信がない。 目的地に着いた。 初めて来る場所だ。 近くに見慣れた車が止まっている。 ドアが開いて、中から元請けの担当者が出てきた。

綿帽子 第四十七話

突然不動産屋から電話が入る。 どうしたのだろう? 予定よりだいぶ早い。 もしかして気に入ら…

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sekirein
4か月前
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綿帽子 第四十六話

見学者がやって来た。 夫婦とその妹、子供が二人いて両親とも同居するらしい。 お袋と二人で…

sekirein
4か月前
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綿帽子 第四十五話

連絡を待っている。 これまでも何度か価格を相談しては更新をしてきたが、一向に買い手はつか…

sekirein
5か月前
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綿帽子 第四十一話

春は瞬く間に過ぎ行き、多分近々夏が到来するであろうまだ四月後半。 継続している朝の散歩は…

sekirein
5か月前
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綿帽子 第三十九話

あれから、仕掛けを覗きに毎日用水路に来ている。 特に変わった変化は見られない、一箇所だけ…

sekirein
6か月前
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綿帽子 第三十七話

公会堂に向かって歩く日々が続く。 もはや到着して10分もすれば町人さん達がお出迎えに来るよ…

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sekirein
6か月前
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綿帽子 第三十五話

「先生、それでは鎮静をかけて抜歯をお願いします」 「分かりました、それではこれで手術の予約も取れましたので、次回の受診日にまた診させて下さい。詳しい説明が看護師の方からありますから、それまで待合室でお待ち下さい」 「はい、有難うございます。よろしくお願いします」 結局俺は鎮静剤を使って、抜歯と抜歯後の周囲をケアする手術を受けることにした。 相談に乗ってくれた精神科の先生には申し訳ないと思いながらも、釈然としない何かが俺をそうさせたのだった。 原発になっている歯を抜歯