シェア
眠れぬ夜が明け、朝が来た。 太陽の光を感じられる喜びは何事にも変えられない。 自分が生き…
エレーベーターを降りて、正面玄関手前にある入退院受付を目指す。 お袋に肩を借りながら、な…
退院日がやって来た。 二日前に看護師さんがやって来て、突然退院を告げられた。 まだトイレ…
「ああ、ようやく点滴が外れた」 今日は少し気分がいい。 色々な抗生剤を試しては拒絶反応を…
「グレープフルーツが食べたい」 昨夜お袋に頼んだグレープフルーツが今日には到着するだろう…
先生がやって来た。 「◯◯さん、色々と培養したりして調べていますが、変わらず原因は不明で…
「どうや?」 相変わらず気の利いた言葉は何一つ言わないお袋ではあったが、毎日顔を見には来てくれる。 それだけでも有り難いと思わなければならないのだが、本当に側にいるだけなのでそれもまた複雑な気分になったりする。 昨日の夢の話をした。 それから気になっていた話の内容も確かめてみた。 「お袋、どこの話やった?」 「何?」 「いや、だからなんか言うてたやろ?どこか行って大丈夫やったって話」 「ああ、善光寺さんの話かいな」 「せやったかな、その話教えてほしいんやわ」
また眠れない夜が明けた。 眠らない夜か。 眠ってしまったら、もう二度と朝を感じることも、…
「メロディ」 体調の悪さを感じ始めた頃に、俺とは全くの無縁だと思っていたメロディが、突如…
一向に回復の兆しが見えず、自分のメンタルがかなり弱っていることを自覚はしてはいたのだが、…
別段、俺は病気自慢が趣味というわけではない。 毎日を平穏に過ごしたかっただけだ。 「嗚呼…
こりゃあ親不孝の報いが来たかな。 絶体絶命の状況に置かれると、とかく人間というのはマイナ…
現在の状態。 目、視力激減。 おそらく0.1くらいに落ちていると予測する。もっと悪いかもしれ…