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2020年10月の記事一覧

心の傷にもちゃんと、かさぶたはやって来るのだろうか?

心の傷にもちゃんと、かさぶたはやって来るのだろうか?

むかし、今よりずっとおてんばだった私は、身体のあちこちに傷を作っていた。特に多かったのが、膝小僧のすり傷。

どんなに転んでも涙は流さない、つよい子だったらしい。唇を噛みしめ、足を引きずって帰り着くと、自分で怪我の手当てをした。

傷口を水で洗い流すと、全身を電気がびりびり走る。膝こぞうにペタリと貼った、ばんそうこう。濡らしてたまるものかと、必死にバスロマンの波から守っていた。

そんな「おてんば

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「小林秀雄の晩年」

「小林秀雄の晩年」

「小林秀雄の晩年」

小林秀雄の妹である高見澤潤子が「兄 小林秀雄」(新潮社)の中で晩年の小林秀雄の事を書いている。
私はこの著作を小林秀雄の死後出版された時に購入していたが、その内に読もうと思い、今日に至った。

迂闊と言えば迂闊であった。
小林秀雄は「本居宣長」の次は「聖徳太子」を書きたいが、次の世代に託す、という文章をどこかで読んだ記憶があったからである。

「兄は『本居宣長』の後は、ルオー

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「俳句と人生」

「俳句と人生」

人生に喩えると「冬」は死期であろうか。

「月日は百代の過客にして行きかう年も又旅人也」
芭蕉の「奥の細道」冒頭の文章である。
四十六歳にして自己の死を見据え、最後の漂白に旅立つ彼の姿が浮かぶ。
或る「祈り」を胸中に託してひたすら歩むべく。

 「旅に病(やん)で 夢は枯野を かけ廻る」

元禄七年(1694年) 芭蕉・享年五十一歳

私の私見的考察であるが五七五の短い言葉に含ま

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「いろ」(ニ)

「いろ」(ニ)

「いろ」(ニ)

よにいろいろありていろしるにつれいろにまみれま
みれずいろいろいかさんとすこれいろによりていろ
にめざめたるしんがんのまなこといわれどもしんが
んはしんがんへいたりふたたびしんがんへとかえり
ゆくそのしんがんしんがんのまなこもてるひとしか
みえぬこれやむなきことまたこれぜひもなしいかん
せん

いろのよにありていろのいろにいたりてひとひとと
ひととかしそれひといろのいろにみえずい

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化身

化身

化身 

その姿誰にも見えず、知られず、世にあらず、世にありけり

地水火風は自然界の元素たりや 元素の実体は元素たるか?
法則の法則は法則なりや 根源の根源は根源なりや………
我は我とは我々の我か 是色即是空と即自と同じなりや?
時空とは変転するや 無と化しても変転するや……
心とは何処に在るや 肉体が失せても在るや無しや?
意識とは意識であるや 意識の意識も意識であるや……
神とは神に作られた

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