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書籍・論文

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書籍や論文についての記事をまとめました。
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記事一覧

古代ギリシア宗教に地域色はあるのか?:Regionality and Greek Ritual Norms

古代ギリシア宗教に地域色はあるのか?:Regionality and Greek Ritual Norms

古代ギリシア宗教と言えば、ギリシア神話の壮麗な物語よりも何よりもまず、血生臭い動物犠牲がその中核によく挙げられます。これは過去の記事「Greek and Roman Animal Sacrifice: Ancient Victims, Modern Observers」にも書いた通り、昨今の動物犠牲中心主義の産物でもあるのですが、確かに動物犠牲は、崇拝する神々と直接的なコミュニケーションを取ろうと

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どうすれば幸せになれるのか?:グッド・ライフ―幸せになるのに、遅すぎることはない

どうすれば幸せになれるのか?:グッド・ライフ―幸せになるのに、遅すぎることはない

どうすれば幸せになれるのか――この問いは、古代から現代に至るまで、一般市民から哲学者に至るまで、人類を虜にしてきた普遍的な問いです。アリストテレスは人間の目的を「幸福(よく生きること)」だとしましたが、その幸福の内容理解は人によって大きく異なり、富・名誉・快楽を幸福として挙げる者もいると『ニコマコス倫理学』で指摘しています。現代でもそれは変わらず、大金持ち、社会的地位の高い者、自由気ままに快楽に溺

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The Oxford Handbook of Heracles:大英雄ヘラクレスの成り立ち

The Oxford Handbook of Heracles:大英雄ヘラクレスの成り立ち

ギリシア神話最大の英雄、ヘラクレス。彼はネメアのライオンやレルネのヒュドラといった強力な怪物を討ち滅ぼし、巨人族との戦争ギガントマキアでは、オリュンポスの神々と肩を並べて戦いました。彼の事績や偉業は、古代から現代まで様々な作品のモチーフにされ、ゲームやアニメでも非常に馴染み深い存在です。一方で、ヘラクレスは謎めいた存在でもあります。人間の身でありながら神になった存在でもあり、文明や社会の守護者であ

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【読書感想】教養としてのラテン語の授業: 古代ローマに学ぶリベラルアーツの源流

【読書感想】教養としてのラテン語の授業: 古代ローマに学ぶリベラルアーツの源流

基本的にはギリシア語が最優先ですが、私は細々とラテン語も勉強しています。一時期はウェルギリウスの『アエネーイス』をラテン語で読もうとしていましたが、いまいちモチベーションを維持できず頓挫…。今では"Latin via Ovid"、あるいは『ラテン語を読む:キケロ―, スキーピオーの夢』でたまにラテン語に触れる程度になっています。

ギリシア語の学習は、研究会に参加し始める前でさえ習慣化できていたの

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【読書感想】Greek and Roman Animal Sacrifice: Ancient Victims, Modern Observers

【読書感想】Greek and Roman Animal Sacrifice: Ancient Victims, Modern Observers

最近は研究会準備や論文購読にかまけてnote更新を怠っていましたが…、読み終わった本の感想を久しぶりに書きたいと思います。
"Greek and Roman Animal Sacrifice: Ancient Victims, Modern Observers"という動物犠牲に関する論文集についてです。

研究会で碑文を読む機会が多いのもあり、最近は犠牲式や祭儀というような古代ギリシア人の慣習に興

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【読書感想】ゼウスの覇権:反逆のギリシア神話

【読書感想】ゼウスの覇権:反逆のギリシア神話

ゼウス好きとしては見逃せない著作「ゼウスの覇権:反逆のギリシア神話」を通読し終えました。比較的短期間に読み終えることができたのも、主題が「ゼウス」であるからこそ。God of Warシリーズのラスボスとして立ちはだかるゼウスからギリシア神話へと足を踏み入れた身としては、自らの原点に立ち返る思いでした!

我々には残されなかった「伝説の海」本書では、「イリアス」や「神統記」等の初期ギリシア詩を中心に

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「海の民」とは一体何者だったのか?―B.C.1177 古代グローバル文明の崩壊【読書感想】

「海の民」とは一体何者だったのか?―B.C.1177 古代グローバル文明の崩壊【読書感想】

古代史上最も謎に満ちた出来事の1つが、紀元前12世紀頃に起こった文明崩壊の連鎖でしょう。これらの要因は、長らく「海の民」の侵略のせいだという説明がされてきました。私自身、高校時代に世界史Bの教科書に載っていた海の民侵略説を読んで、「海の民って何?」と疑問に思ったことを記憶しています。

B.C. 1177、ラムセス3世率いるエジプト軍が激戦を繰り広げたとされる「海の民」。彼らは一体何者だったのか?

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【読書感想】ミュケーナイ世界 (ジョン・チャドウィック著)

【読書感想】ミュケーナイ世界 (ジョン・チャドウィック著)

線文字Bをヴェントリスと共に解読した言語学者ジョン・チャドウィックの著書「ミュケーナイ世界」を読み終えました。本書は、おそらく既に絶版されてしまっていますが、豊富な線文字B粘土板史料を元に、ミュケーナイ文明の文化や社会について、推測も交えながら、多くを教えてくれます。

ミュケーナイ社会では女性も要職に就けた?特に興味深かった点としては、ミュケーナイ社会では女性でも行政の要職に就けた可能性が高いこ

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【読書感想】ギリシア哲学30講 人類の原初の思索から

【読書感想】ギリシア哲学30講 人類の原初の思索から

非常に刺激的な本を読み終えました。日下部氏著作の「ギリシア哲学30講 人類の原初の思索から」です。副題に「存在の故郷を求めて」とある通り、古代ギリシアの伝統的深層意識であった「存在」を軸に古代哲学史を論じていきます。私は哲学者でも、哲学を勉強しているわけでもないので、理解が不十分なところだらけかとは思いますが、頭の中の整理も兼ねて、感想を書いてみたいと思います。

「存在」とは?日下部氏が本書で解

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