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丘の上から遠く凪いだ海を見ている。沖に船が浮かんでいる。日差しは暖かだ。丘の下にはのど…
ねむれぬ夜は 窓をあけ うすらあおい空に あたまをのせる 目にみえぬ銀河を 目をつむってひら…
酔っぱらって うふふ ぬごうか ぬぐまいか あたいのかたちなんぞ 犬にやってくれ きょう…
道尽きて 陽は天にあり 世界はわたくしを立たせ 走る地平がないのなら 犬のように穴を掘り こ…
夜明の寒さに目覚…
夜中に 猿が哭いている。 寒く 梢をゆらして、 猿が哭いている。 私は笛だ。 だれが …
また来た秋に 遠のいて 空の深さを 浴びてみる 欲しかったのは 消えない野原 ただ手のひらをあわせて ここが何処かへ開かれる 奇跡のようなこともあり 永遠は一瞬に織り込まれた それは確かにあったことだけれど 危い野原… ひとり両手に空を受け 疾る身体を反転し たまらず両手をあわせれば 祈るかたちになっている
線路はカーブで いつも私の前を 斜めに 傾いて 光る乗客を運んだ その後には 深い闇が…
魚だったんです。眠れぬ夜の。水の中にも風は吹く。 星の光が水底に届く時刻でした…
疲れた 部屋の壁も天井も疲れた いちにち 錆びた身の節々 むこうの道から老子が 童子の姿でや…
熱を持つ暮らしの疲れ ひからびた魂の臥所に 狂った蝉が鳴いている 銀の箔銅の箔樹上に乱し …
身もこころも 蒼空にあげた 野原いちめんの 草いきれ ここから どこへゆくのか 知らないけれ…
夕暮れに 外に出て この世を離れる 蜻蛉は舞うか 水は流れるか 木の葉は落ちるか 風の香 空…
この世の花はどこにある この世の花はどこにある わからないのだけれどわたしには この世の花はどこにある この世の花はどこにある わからないのだけれどわたしには この世の花の匂いがする 失語する失語する失語する銀河たち 物語は忘れ 天は災い 言葉は枯れた この世の花はどこにある この世の花はどこにある うたはなく 速度は疲れ 変位は褪せた 生きることを直に 地べたを這いながら 記録もつけず ただ受動する受動を いちにちとして 花ひらきますように ただこの世の花として