詩(夜の蝉)


熱を持つ暮らしの疲れ
ひからびた魂の臥所に
狂った蝉が鳴いている

銀の箔銅の箔樹上に乱し
そよとも動かぬ宇宙の闇の
おまえは何を哮るのか

おれは裸で寝ている
おれは裸で寝ている
せめてすべてを感じるために

そうして幾十年
虚空のような臥所に
狂った蝉が鳴いている


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