詩(笛)


夕暮れに
外に出て
この世を離れる

蜻蛉は舞うか
水は流れるか
木の葉は落ちるか

風の香
空の色
虫の音
壊れてうたう
さまざまな
外の世よ

おれはまた
疲弊した
笛のように
真ん中を
真っ直ぐに

揺れるから
なにかがまだ
揺れる波だから

真っ直ぐに
真っ直ぐに
空っぽに

うたわせた


なんにもない夜
酔っぱらう
わからない
不思議だけがあって
いろんな空が
折り重なる
どうでもいいんだよ

どうしようもない
が歌っている
もう
虫も鳴かないか
風だけが
夜の遠くへ流れてゆく

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