おやじパンクス、恋をする。#162
皆が、出たとこ勝負のコミュニケーションを重ね、傷ついたり失敗したりしながら少しずつ手に入れていく自己肯定感を、俺は攻撃されてもダメージを受けないこの69というステージの中で、あくびしながら貯めこんで、いっぱいになったからってその辺に投げ捨てていた。
そして、彼女という新しい場所へ一歩踏み出した途端、69や、69で俺を訪ねてくれるたくさんの客達から一歩離れた途端、俺はまるで全身火ぶくれの患者みたいに、ただ吹いてるだけの穏やかな風にすら痛みを感じうずくまっている。
情け