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「詩の居場所②」

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今まで創作した詩をまとめて掲載しています。 ご覧いただけると大変励みになります。 よろしくお願いします。
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#つくってみた

詩「ページを破る街」書きました。

詩「ページを破る街」書きました。

「ページを破る街」

君は甘い甘い妄言を舐めながら
どろりとした水飴におぼれ
得意気に張りぼての看板を掲げていた

この街を荒らして、何が幸せなのか
口の中で暴風がいつまでも転がって
道行く人の眉が揃って針金のようだった

腐った夢物語を過ごして
生成されて手垢にまみれた志しか
描けない君は、
側から見れば
自分が手塩にかけた実子にさえ、
浅はかな妄言を浴びせつづけていた

(他人に自身のお猪口を

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詩「ケージの中の似非物語」書きました。

詩「ケージの中の似非物語」書きました。

「ケージの中の似非物語」

ああ  もお
アタマが こんがらがって
こんぐらっちゅ・れいしょーんず

あぁ  あたしって
いっつも アテンション
いつでも たかーいたかーい

たかーい たかーいは
オトナになったら ノンキャッシュレス
セノビしながら てをのばすのは
グルグルのキャンディばかり

アタマもナニもかも
こんがらがって アナタのおめめに
こんぐらっチュ しちゃいたい

ああ   これっ

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詩「配慮が追いやられた、夜」書きました。

詩「配慮が追いやられた、夜」書きました。

「配慮が追いやられた、夜」

凪に傷ついた夜だった
夏をナイフで刺してみて
突き刺したフォークの隙間から
マグマが溢れた日だった

自転車を静かに走らせていく

黄色い凸凹の上には雑草が鬱蒼と茂っている
ダイバーシティもあったもんじゃないと
夕暮れが静かに薫る信号機の下で
ぼんやりと
わかったような口を聞いて
杖を持つ手が怪訝そうに
白い目で訴えてきた

自転車の急ブレーキがかかる

必要とされな

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詩「空白の廊下、殿下」書きました。

詩「空白の廊下、殿下」書きました。

「空白の廊下、殿下」  

涙が出ないのにコーヒーを飲んだ
(今日は何の日だったのか)
錆びた王冠が無造作に置かれているが、
何も思い出せない
いつもの廊下は静まりかえり、
愚者の笑い声だけが窓から聞こえてきた

ブロンズカラーを静かに飲むと、
日付がめくれなかった日が続いたのを思い出す
声が出ず、
デコルテに無惨が滲み、
支配され続けた廊下の夢を見た

殿下は、未だに私を咎める
貴方ほど声を出

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詩「2.5%」リメイクしました。

詩「2.5%」リメイクしました。

みゆと申します。
ご覧いただき、ありがとうございます。

以前投稿した詩を、今回リメイクしました。
原作は「2.5%」という詩で、
リメイク作のタイトルは
「課せられたパーセンテージ」です。

元の記事は、こちらからご覧いただけます。↓

この詩は、私にとって転機になった作品です。
詩を本格的に書いたのがこの作品が初めてでした。

私はとあるボカロP・歌手のファンで、
当時もろに彼の影響を受けなが

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詩「病み上がりの境界域」書きました。

詩「病み上がりの境界域」書きました。

「病み上がりの境界域」

絵に描いたような入道雲が
私の目線に飛び込んできた
ここから出られないことを察して
光が眩しくてカーテンを閉じた
現状との落差に両目は沈んでいた

太陽の余韻が色濃く残った特有の空気に酔い、
チョコレートやグミの溶けた大群が
どこまでも粘ついた夢を見た
寝る時くらい、
夢らしい夢を見せてくれないものか

何日も見て見ぬフリをした、
弱りきった花のために予約をして
固い椅子

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詩「転びつづけた子孫」書きました。

詩「転びつづけた子孫」書きました。

「転びつづけた子孫」        

一人になった

きっと先祖が泣いている
懺悔と後悔と、
無念で満ちている
いったい僕は
「申し訳ない」を
何回まで幾重に重ねたら
気が済むのだろうか

人生を賭けた小屋の中で
選ばれる立場から降りた僕は、
生きる術をひたすら模索していた

小屋の中では相変わらず、
妨害の花が忙しなく口を開け閉めしている

(退け、退け)

心で業を犯しながら
君の背中に

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