労働観を見直し“働く意味”を再発見! 新書『仕事と人間――70万年のグローバル労働史――』
毎日仕事に追われているあなた。
ふと「何のために働いているんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?
今日紹介する本、『仕事と人間――70万年のグローバル労働史』は、従来の労働史観を覆す画期的な一冊です。
人類学者ヤン・ルカッセンが、70万年にわたる人類の労働の歴史を、世界各地の事例を交えながら包括的に解説しています。
労働とは何か?
なぜ働くのか?
といった根源的な問いを、人類史という壮大なスケールで探求することで、現代社会における労働の課題解決への糸口を見出そうとする野心的な試みです。
従来の労働史観からの脱却――グローバルかつ多様な視点
従来の労働史は、産業革命以降のヨーロッパにおける工場労働を中心としたものが主流でした。
しかし、本書は狩猟採集時代から現代までの労働の歴史を、世界各地の多様な労働のあり方を包括的に捉えることで、より普遍的な労働観を提示しています。
家事労働から始まる仕事の起源、共同体における労働の役割、そしてグローバル化がもたらした変化まで、労働の壮大な歴史を辿ることで、私たちが仕事に求める意味や価値を再考する機会を与えてくれます。
仕事の本質に迫る――生存から自己実現へ
『仕事と人間』は「仕事とは何か?」「なぜ働くのか?」といった根源的な問いに対して、人類学、経済学、社会学などの多角的な視点から答えを探求します。
仕事は単なる生存手段ではなく、協力や創造、自己実現など、人間の本質的な欲求を満たすための活動であることを明らかにしています。
現代社会において、仕事はストレスや苦痛と結びつけられることもありますが、本書は労働が人間にもたらすポジティブな側面にも光を当て、労働観を刷新するきっかけを与えてくれます。
仕事における喜びや達成感、社会への貢献といった価値を再認識することで、より豊かなワークライフバランスを実現できるかもしれません。
上巻「狩猟採集時代から産業革命まで」――労働の起源と共同体の役割
上巻では、狩猟採集時代から産業革命までの労働の歴史を辿ります。狩猟採集民の労働は、現代人が想像する「仕事」とは大きく異なり、生存に必要な食料や資源を得るための活動が中心でした。
しかし、そこには協力や分かち合いの精神が根付いており、現代の労働にも通じる価値観を見出すことができます。
また、農耕社会や古代文明における労働の役割、中世ギルドの職人たちの労働観など、多様な事例を通して、労働が社会や共同体の中でどのように機能してきたかを明らかにしています。
労働は、単なる個人の経済活動ではなく、社会の維持や発展に不可欠な要素であることを改めて認識させてくれます。
下巻「産業革命から現代、そして未来へ」――労働の変化と課題
一方、下巻では、産業革命以降の労働の変化に焦点を当てています。
工場労働の登場、労働運動の興隆、そしてグローバル化がもたらした労働市場の変化など、現代社会における労働の課題を浮き彫りにしています。
特に、AIやロボット技術の発展が今後の労働にどのような影響を与えるかについては、詳細な考察が展開されています。
労働の自動化が進む中で、人間ならではの創造性や共感性を活かせる仕事が重要性を増していくと予想し、未来の働き方を見据えるための視座を提供しています。
また、ベーシックインカムや週4日労働制といった新しい働き方の可能性についても言及しており、今後の労働政策を考える上での参考になるでしょう。
まとめ
『仕事と人間』は、労働に対する私たちの固定観念を覆し、仕事の本質を深く理解するための必読書と言えるでしょう。
70万年という壮大な時間軸で労働の歴史を振り返ることで、現代社会における労働の課題を解決するためのヒントを見つけることができるかもしれません。
労働観を刷新し、未来の働き方を考えるための刺激に満ちた一冊です。
ぜひ手に取って、人類の壮大な労働史に触れてみてください。
今こそ、仕事の意味を考え直す時です
仕事の本質を知り、今後の働き方を再定義してみませんか?
【編集後記】
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