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詩の作成日記

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2023年12月の記事一覧

鎮魂歌 「命題」 おまけトーク(言うことに意味がある)

「生きる事への命題」

悪魔が囁く
その人生の苦痛を我が腸に捧げよと

求めるのは生贄
私に拒否をする権利はない

眼を閉じる
私には何ら守るべきものがない

痛みさえも私には癒しであるのだから

彼らは聖者の顔で近寄ってくる
しかし彼らは偽善の面を被った詐欺師

私から心と体と時を好き勝手に奪っていく
その表情は悪魔そのもの

やめて―私は叫ぶ
私を放っておいて 一人にして お願い…

救いを求

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鎮魂歌 「レクイエム」 おまけトーク(するめのような人間になりたい)

「レクイエム」

無音―それは心臓の音が止まる音
静寂―それは死の音
だからこれほどまでに死は美しく
沈黙は恐ろしい

黒い衣が閃く
月夜のように闇に紅い薔薇が投げ込まれる
零れる滴は星の一条のように煌めいて

―愛する人よ―

目を閉じて両手を汲む祈り人

あなたの全ての罪の救済を

between

無音―それは心臓の音が止まる音
静寂―それは死の音
(だからこれほどまでに)死は美しく
沈黙は

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時空絵巻 52頁 おまけトーク(現実は自分という器を介して映し出されるスクリーンのようなものなのかもしれない)

「平等と平和の彼方」

傷跡は深すぎるが故にその傷を癒すことは叶わない
憎しみは煌々と燃え広がるが故にその火を全て許すことは叶わない
貧困は海底よりも深い問題を湛え
環境という地球は既に傷だらけになっている

人類に訪れた平和は人類が如何にこの地球に生存ができるのかという新たな問題を生む

最早大昔のように溢れる資源が大地にあり
いくらでも切り倒せる時代は終わろうとしている

一本の木を倒せば

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時空絵巻 51頁 おまけトーク(フラットに受け止めるということ)

「戦争の悲劇」

世界が金と物で繋がる時
国同士が弱肉強食をもってでしか生きてはいけない世の中が訪れてしまった

人類が繋がり
人種と文化の違う世界が入り混じるこの世界で
我らこそが正しいと声を上げた者達は
他の国を支配し 他の文化を蹂躙し 他の世界を奪うことで力を持つだろう
しかし力を持つ国々が入り乱れたこの世界で
勝利をし続けることは不可能になったのだ

多くの血は海のように流れ
失った命の数

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時空絵巻 50頁 おまけトーク(うなぎ食べに行こうという話)

「涙と血の傷跡」

我らこそが特別である
それは能力に由って定められる
人類の全てを生かすためには知恵と能力が必要なのだ
だがその能力は自らより劣る者を切り捨てることで成長する邪悪な樹である

繁栄に劣悪な人種は必要ない
文明の力は持たない先住民族を汚すことに力を注ぎ始める
銃と槍―鉄と木…どちらの方が強いかは語らなくても分かるだろう
文明の武相のない彼らに勝利の余地はなかった…

奴隷を排せ―国

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時空絵巻 49頁 おまけトーク(立ち止まって自分の状態を把握する)

「機械と自然」

自然を太古の人々は神と崇め恐れただろう
時を経て人の手によって生み出された機械はこの世界の新たな神となるだろうか
しかし機械にとって自然こそが神であることは変わることはない
雷 雨 光 熱 原子の力
その全てが自然であり その恩恵無くしては
機械などただの鉄の塊である

一見平和な世が訪れた―そうして人々は増えていく
留まることはない
自然の猛威さえも我らは乗り越えるのだから

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時空絵巻 48頁 おまけトーク(立ち止まって振り返ることの大切さ)

「革命」

王の圧政が頂点を迎えた時
民の怒りが雪崩となって王宮に押し寄せるだろう

従順な民と支配を当然と王は思っていたのだろうか
民を道具として扱い 己は私利私欲を尽くすその傲慢さを
なぜ民が許すことができるのか そこまで王は思い至らなかったのだろうか
王は特別であり そして許されるとでも思っていたのだろうか

王は国を総べ 民を導くからこその地位であり だからこそ民は血税を差し出すのだ
王位

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時空絵巻 47頁 おまけトーク(羊文学の新譜は素晴らしい)

「貿易戦争」

価値のあるものを求め
自らの所有する財を海さえも隔てて他の物と交換する

そうすることで彼方の産物が手に入り
しかし自らの懐は減っていく

やがて自分の立つ大地が痩せ細っていることに気づくだろう
異なる物質はここにとっては異物でしかない

しかしその時には既に遅い
最早他の物の財によってでしか生きてはいけない

あれほど豊かにあった樹も
切り倒してしまった

しかしあれほど広大に築

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時空絵巻 46頁 おまけトーク(ネガティブとは不足という話)

「神の居場所」

神はどこにいる

我は神の信託を受けた

法皇が民に告げた時
人々は彼こそが神の化身だと信じて疑わなかったことだろう

しかし―貢ぎ 捧げ 添えられるありとあらゆる富を前に
法皇は果たして民の祈りを聞き取ることができるだろうか

神を語ることの恍惚な位から世界を見下ろして
その溢れんばかりの財に目が眩むことがないとは言い切れるだろうか

貪りつくす富の姿に人々は幻滅するだろう

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時空絵巻 45頁 おまけトーク(人から教えてもらうことの効能)

「活路―大航海時代」

目の前には剣
山のように険しく
決して立ち向かうことのできない頂
背後には海
砂漠のように広大な
前人未到の領域
果てには一つ目の悪魔が人肉を食らう伝説があるという
海に阻まれ航路という見えざる道を求めて旅をする
金と富を夢見て国の活路を見出そうとその冒険は始まった

未開の地を開拓し
交易を築き他国を出し抜くそれはフェイクと駆け引きの心理戦

辿り着くことを夢見たその場所

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時空絵巻 44頁 おまけトーク(わがままでいてもいい)

「隆起台頭」

かつては略奪者として栄光と帝国を築いた都市は今や搾取され奪われる側となったのだ
奪う側として私腹を肥やした者が遠い祖先であろうとも
奪われた者達の怨念は時空を超えて子孫に刃を振り落す

歴史と戦争と略奪と悲劇
これらは軽々しく時を超えてしまうのだ

だから我らは歴史の重みを今一度知らなければならない
そして歴史という混沌から見える一条を見出さなければならない

しかし富に心を奪われ

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時空絵巻 43頁  おまけトーク(福祉の大変さ)

「悲劇の産声」

死神が目覚めた場所は闇
闇は光から産み落とされた
光は果てに闇をも孕み輝き消える
散った煌めきは涙となって世界を海に沈めただろう
海は彼方の雲から始まる
鎌は土から現れ出で
衣は星の涙で作られた
草原流離【さすら】う風が悲劇を伝えるだろう
それは踊る影と蠢く闇
栄光と名誉の限りを尽くすその足元で嘲笑う
空の彼方から 海の果てから 古の大地から
それはやってくる
狂気と凶器を携えて

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時空絵巻 42頁  おまけトーク(引き寄せの話)

「栄枯盛衰」

形あるものはいずれ壊れ
生ある命はやがて死ぬ

それは自然の摂理であるだろう
一瞬の移ろいこそが永遠なのだから

国はいずれ崩れ落ち
その上に新たな国が経つだろう

永遠の都などこの世界にはそんしないのだろうか

そう―桃源郷と呼ばれた永遠とも言えるような楽園のような場所…
そんなものはこの世界にないのだろうか…

螺旋のような争いは階段のように洗練されていく
武器はより凶刃に 戦

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時空絵巻 41頁  おまけトーク(過去と現在と未来の自分)

「螺旋階段―茨の道」

そこは深淵の闇
光無き未知の世界

咆哮と慟哭が木霊する地獄の果て

雨は既に渇き
光は燃え散った

絶望と失望
失意と憎しみの渦巻くこの世界に

その者は神の声を聴く

神はこの世界には存在しない
それは天にのみ存在するのだと…

その時世界から精霊と神が消えたのだ

世界のあらゆる大自然の恩恵は現象とみなされ

人は神の信託を受けた霊的な皇位継承者であると雄叫びを挙げた

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