時空絵巻 41頁  おまけトーク(過去と現在と未来の自分)


「螺旋階段―茨の道」

そこは深淵の闇
光無き未知の世界

咆哮と慟哭が木霊する地獄の果て

雨は既に渇き
光は燃え散った

絶望と失望
失意と憎しみの渦巻くこの世界に

その者は神の声を聴く

神はこの世界には存在しない
それは天にのみ存在するのだと…

その時世界から精霊と神が消えたのだ

世界のあらゆる大自然の恩恵は現象とみなされ

人は神の信託を受けた霊的な皇位継承者であると雄叫びを挙げた

拳を上げて国家は帝国となり
一つの神が刃を次々と力無き者を屠る時代がやってきた

神は存在しない
故に人々は次々と信仰を砕かれ
そして支配されていく
支配されたのは信仰する神ではない
その心である

精神を侵す薬物のように 妖艶な紅の月のように
それは心を愛撫し手懐ける

魅せられた者は倫理を手放し欲望と権力を手にする

思考の変化は世界の変化に等しいのだ

炎と血と涙は神への捧げ物
神よ―我が道に栄光を示し給え

涙ながらに朽ちる人々に王は罵るのだ
汝が崇拝する神など紛い物であるのだと

その屈辱は憎しみの炎を燃え上がらせ
混沌と刃によって血で血を洗う

しかしその力は滝のように止めようがなく
洪水のように圧倒的だった

打ち立てた礼拝は権力の象徴でしかなく
支配の権化だった

我が正義である
それを人は聖戦と呼び
死する魂は神に抱かれると悲劇を呼んだ

王の背後で影が踊る
それは死神のような微笑だった

between

(そこは)深淵の闇
光無き未知の世界

咆哮と慟哭が木霊する地獄の果て

雨は既に渇き 光は燃え散った
絶望と失望 失意と憎しみ(の)が渦巻き(くこの世界に)

(その者は)神の声を聴く者が現れた
神の啓示は神託を受けた者が告げる
(神はこの世界には存在しない
それは天にのみ存在するのだと…)

(その時)世界から精霊と神が消えた(のだ)
世界のあらゆる大自然の恩恵は現象とみなされ
(人は)神の信託を受けた霊的な)皇位継承者が神となった(であると雄叫びを挙げた)

(拳を上げて)国家は帝国となり
一つの神が刃を次々と(力無き者を)屠る時代がやってきた

神は存在しない
(故に)人々は次々と信仰を砕かれ
(そして)支配されていく
支配されたのは信仰する神ではない
(その)心である

精神を侵す薬物のように 妖艶な紅の月のように
(それは)心を愛撫し手懐ける

魅せられた者は倫理を手放し欲望と権力を手にする
思考の変化は世界の変化に等しい(のだ)

炎と血と涙は神への捧げ物
(神よ―我が道に栄光を示し給え)

(涙ながらに朽ちる人々に王は罵るのだ
汝が崇拝する神など紛い物であるのだと

その屈辱は憎しみの炎を燃え上がらせ)
混沌と刃によって血で血を洗う

(しかしその力は滝のように止めようがなく
洪水のように圧倒的だった)

打ち立てた礼拝は権力の象徴でしかなく
支配の権化だった

(我が)正義の名のもとの戦いを(である)
(それを)人は聖戦と呼び
死する魂は神に抱かれると悲劇を呼んだ

王の背後で影が踊る
(それは)死神のような微笑み(だった)

after

深淵の闇 光の無い未知の世界
咆哮と慟哭が木霊する地獄の果て

雨は既に渇き 光は燃え散った
絶望と失望 失意と憎しみが渦巻き

神の声を聴く者が現れた
神の啓示は神託を受けた者が告げる

世界から精霊と神が消え
世界のあらゆる大自然の恩恵は現象とみなされ
皇位継承者が神となる

国家は帝国となり
一つの神が刃を次々と屠る時代がやってきた

人々は次々と信仰を砕かれ 支配されていく
支配されたのは信仰する神ではない 心である

精神を侵す薬物のように
妖艶な紅の月に魅入るように
心は愛撫され 手懐けられる

血と涙と富は神への捧げ物
混沌と刃によって血で血を洗う

打ち立てた礼拝は支配の権化であり
権力の象徴でしかない

正義の名のもとの戦いを人は聖戦と呼び
死する魂は悲劇を呼んだ

王の背後で影が踊り
死神のように微笑む

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