時空絵巻 49頁 おまけトーク(立ち止まって自分の状態を把握する)


「機械と自然」

自然を太古の人々は神と崇め恐れただろう
時を経て人の手によって生み出された機械はこの世界の新たな神となるだろうか
しかし機械にとって自然こそが神であることは変わることはない
雷 雨 光 熱 原子の力
その全てが自然であり その恩恵無くしては
機械などただの鉄の塊である

一見平和な世が訪れた―そうして人々は増えていく
留まることはない
自然の猛威さえも我らは乗り越えるのだから

そして人々はその増えすぎた我らが共に生きる道として
産業を革新し大量生産と汽車によって時と場の限界を超えていく

それは伝統と先祖を重んじた文化を悉く蹂躙するだろう
そこに温もりはない―あるのは金貨の放つ冷たい光沢だけである
便利さと引き換えに我らは尊厳を譲り渡さなければならない
その時労働所は国にとっての奴隷となるのだ

そして太陽の如き原子の力は誰の手にも負えないだろう
それはまさに太陽を地球の体内に孕ませることに等しい
それがどれほど危険なことか―人々は知らないのだろうか

人々の自然への征服の前には春さえ沈黙する
その警鐘は誰の耳にも届かないのか
人は特別である―故に何をしてもいいのか
知性は想像をしてこその知性ではないのか
野蛮と蔑む破壊をまさに人としての知性が行っていることの傲慢さを人類は知らない

鐘の音は鳴り響くだろう
それは時を超えて滅びの足音を鳴らす
その声が聴こえた時
沈黙するのは自然だけではないだろう
人類の鼓動の音色さえも消えるかもしれない

between

自然を太古の人々は神と崇め恐れ(ただろう)
時を経て人の手によって生み出された機械は
この世界の新たな神となるだろうか
(しかし)機械にとって自然こそが神であることは変わることはない
雷 雨 光 熱 原子の力 (その)全てが自然であり
(その)恩恵無くしては
機械などただの鉄の塊であり(る)

一見平和な世が訪れた (―)そうして人々は増えていく
留まることはない 自然の猛威さえも(我らは)乗り越えて(るのだから)

(そして人々はその増えすぎた我らが共に生きる道として)
産業を革新し 大量生産と汽車によって 時と場の限界を超えていく

(それは)伝統と先祖を重んじた文化を悉く覆していく(蹂躙するだろう)
(そこに)温もりはない(―あるのは)金貨の放つ冷たい光沢だけであり(る)
便利さと引き換えに(我らは)尊厳を譲り渡さなければならない
(その時)労働所は国にとっての奴隷となる(のだ)

(そして太陽の如き)原子の力は誰の手にも負えない(だろう)
(それはまさに)太陽を地球の体内に孕ませ(ることに等しい)
(それがどれほど危険なことか―人々は知らないのだろうか)

人々の自然への征服の前には春さえ沈黙する
(その)警鐘は誰の耳にも届かない(のか)
(人は特別である―故に何をしてもいいのか
知性は想像をしてこその知性ではないのか)
野蛮と蔑む破壊を(まさに人としての)知性が行っていることの傲慢さを
人類は知らない

鐘の音は鳴り響く(だろう)
(それは)時を超えて滅びの足音を鳴らす
(その)声が聴こえた時
沈黙するのは自然だけではな(いだろう)
人類の鼓動の音色さえも消えるかもしれないのだから

after

太古の人々は自然を神と崇め恐れ
時を経て人の手によって生み出された機械は
この世界の新たな神となるだろうか

機械にとって自然こそが神であることは変わることはない
雷 雨 光 熱 原子の力 全てが自然であり
恩恵無くしては 機械などただの鉄の塊にすぎない

一見平和な世が訪れた そうして人々は増えていく
留まることはない 自然の猛威さえも乗り越える

増えすぎた人々は産業を革新し 大量生産と汽車によって
時と場の限界を超えていく

伝統と先祖を重んじた文化を悉く覆していく
金貨が冷たく光沢を放つ
便利さと引き換えに尊厳を譲り渡さなければならない
労働者は国にとって新たな奴隷となる

原子の力は誰の手にも負えない
太陽を地球の体内に孕ませる

人々の自然への征服の前には春さえ沈黙する
警鐘は誰の耳にも届かない

鐘の音は鳴り響く
時を超えて滅びの足音を鳴らす

声が聴こえた時
沈黙するのは自然だけではない
人類の鼓動の音色さえも消えるかもしれない

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