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詩の作成日記

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2023年1月の記事一覧

春夏秋冬 冬 Ⅲ

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吐く息が白い中に
足跡が地平に伸び

振り返れば
そこは夢の跡のよう

世界は静寂に包まれ白銀に輝く
山は白く眠り
海さえも閉ざされる
それは太古の眠りを想わせる

足跡は
歩いた先から消えていく…

これまで歩んだ道はどこにもなく
これから歩む道も――見えない

between
ここから足跡消えていく問題(?)について考えていく。
(過去にしたことの意味が失われていくことの比喩)

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春夏秋冬 冬 Ⅱ

before

――雪が
降ってきた……

月の明りに照らされて
銀に輝く光が舞い降りる

木は葉という葉を全て落とし
代わりに銀の衣を纏う

道は雪によって覆われ
白く染められ 消えていく…

今まで歩いてきた道は何だったのか
結局それは消えてゆくのか

こんなにも降り積もるのか
雪は一片の欠片でしかなかったというのに…
寂しさを忘れようとも死ぬ時は一人なのだろうか

孤独は命を持つ全てに降り注

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春夏秋冬 冬 Ⅰ

https://youtu.be/l2v3ReD_bhQ

before

風は寒く 吹けば落ち葉は寒さに枯れる
まるで温もりを奪い去るように

雨は冷たく手足を凍らせ
心を凍りつかせるのだろう

そして雪の降る時
この心はきっと氷に閉ざされる

冬の寒さに耐えられる自信がない…
きっとこれが――最後…

Between

ネガティブすぎて
目も当てられない
もっと違う展開で。

風は寒く(吹けば

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春夏秋冬 秋 Ⅸ~Ⅹ

https://youtu.be/Hqxpn0jsqpI

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(Ⅸ)

歩けば歩くほど失うものは増えるから
耐えられない時 その歩みは止まるのだろう

抱えた重荷に別れを告げるために

傷みは増えていく

それでも歩み続けるためには―灯火がいる

もう後悔なんてしたくない……
歩む理由なんてそれだけでいい

それはやがて訪れる白銀の雪に耐えうる
長い眠りに抱く蝋燭の黄金に輝く灯火

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春夏秋冬 秋 Ⅷ

https://youtu.be/yPBpXcP0LlU

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落葉は星の涙を誘い
流れ星は願うまもなく消え
願いは叶えられないままに祈りを捧ぐ

季節よ―巡れ
星よ―もう一度会いに来て

風は肌寒い
冬がもうすぐ近くまで来ている

紅の絨毯に彩られた道を歩み
落ち葉が舞う

―唄が…
聞こえた気がした

振り返る
愛しき人の影を見る気がした
でもそれは葉が宙を揺れるだけ

その歌声は

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春夏秋冬 秋 Ⅶ

https://youtu.be/yvnBbYNlNrg

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とても大好きな温もり
分かり合えない傷み
それすら愛しくて

それは永遠のように長くて
一瞬のような―思い出

大事なものだから
それはきっと心を照らす太陽

夜だけの世界に
月だけが微笑む世界に
―射し込んだ陽

朝の訪れと共に
巡る太陽 そして輝く月

もう一度会えると想うと
あの月さえもその影のようで愛しい
いっその

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春夏秋冬 秋 Ⅴ~Ⅵ

https://youtu.be/vyI1vVmUtPE

before

i

自分の道を歩んでいた―
それだけでよかった…

星は涙となって降り注ぎ
光は優しくなって零れ落ちていく

ふとゆれる風が眠る草木に寄り添うように
そうして靡く木漏れ日に恋をした

光と闇が出会うように
その巡り会う時の中で触れた温もりが愛しかった

まるで日よりも夜の方が長くなっていくように
いつしか好きな想いよりも

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春夏秋冬 秋 Ⅳ

https://youtu.be/B8FrjIADITk

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背中を向けて去りゆく古人
この足は追いかけることもしない
秋に降り積もる落ち葉は渇いた音を立て
虚しさを優しく埋める

この唄はその背中に届くだろうか
伸べた手のように始めた唄は
木々の涙を誘い
それは大地に降り積もる落葉

この唄は思い出の唄
一緒にいられた掛け替えのない時の沁み

この唄は悲しみの唄
その指先を傷つけて

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春夏秋冬 秋 Ⅲ

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失うこと
それが生きること

人は常に得続けているのではなく
失い続けているのかもしれない

全てを失った末に
月のように残るものがあるのなら
それさえ幸せだろうか

それを人は歳月に託し
それを老いと名づけるのだろう

そして人は失っていく―自らの命さえも
夢や希望さえ失われた力に潰えるのだろう

あの月に希望はあるのか
夢はあるのか
ただ漫然とそこに浮かぶだけでしかない――あの

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春夏秋冬 秋 Ⅱ

https://youtu.be/Me4bCDx7lWs

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かつて求めた栄光も
それは挫折にとって変わる

かつて得たものも
滴る露のように失っていく

それはまるでかつて青々とした葉が色を失い
そして枯れ大地にように

それは
遠ざかる星に手を伸ばすように

それは
地平に沈む太陽を懇願するように

それは
眠りに落ちる月に憎しみを抱くように

最初から何も得てはいなかった
最初

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春夏秋冬 秋 Ⅰ

https://youtu.be/yxCQTG041Ew

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来た道を紅葉が彩る
かつての温もりはここにはないが
風にふわりと浮き上がる―木の葉達がさらさらと歌う
体は力を失った
そっと―風に足をすくわれて―倒れる―

一陣の風は
緑が抜け落ちつつある―葉を舞い上がらせる
一斉に風に乗った葉の中に
虚ろな眼を見開く
まるで時が止まったかのような
永い時の中で
葉が落ちてゆく―雨のよう

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春夏秋冬 夏 Ⅹ

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歩き続けるためには
それまでの自分に別れを告げなくてはいけないこともある

それは自分が自分ではなくなるような
それはとても苦しい道のりかもしれない

それは失われゆく私が
壊れそうになりながら
新しい自分を
見つけていく物語

それでも―その時が来るのなら
その時私は勇気を持って
それまでの私に手を振ろう

between
part1

別れというなら、すがすがしい展開に
歩く。

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春夏秋冬 夏 Ⅸ

before

これで―よかったのだろうか…

しかし―今まで下してきた数々の決断の裁く人は誰もいない

人は―自らの歩みだけしか背負えない生き物だからだ

さようなら―過去よ
歩むことしか残されていない

遠ざかる時に別れを告げて
止まった時が動き出す

さようなら―それまでの自分よ
時を進めるよう

未来へと歩いていく
今をずっと―歩いていく

もう…立ち止まらない
振り返らない

私にはこの

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春夏秋冬 夏 Ⅷ

https://youtu.be/EpsDuGte1xk

before

進み続けることに―少し疲れた
そんな時は夢を見よう 失う前の―思い出を

昔を懐かしんだところで過去には戻れない
だが 心の内なる時計が止まっている
時は進み 誰も彼もが前を向いて歩き始めるというのに
だが 私の足は止まっている―そう―時が止まっている…

―少し 疲れた…

夢を見よう 失う前の―思い出を
失った跡の―こ

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