裏切ったほうが得をする⁈『囚人のジレンマ』
「おまえの相棒は自白したぞ!おまえも早く楽になれよ」なんてシーンをドラマでみたことありますよね。
ドラマの犯人みたいに相棒を裏切ってしまうことを『囚人のジレンマ』とよびます。
『囚人のジレンマ』とは、お互いが協力しあえば、双方に利益になるにもかかわらず、損することを恐れてお互いが裏切り合い、結果として双方が損をするという状況を説明したものです。
今回は、裏切ったほうが得をする『囚人のジレンマ』について紹介します。
囚人のディレンマとは?
『囚人のジレンマ』とは、お互いが協力しあえば、双方に利益になるにもかかわらず、損することを恐れてお互いが裏切り合い、結果として双方が損をするという状況を説明したものです。
ちなみにジレンマとは、板挟み状態のことです。
1950年に数学者のアルバート・タッカーが考案した『囚人のジレンマ』は、経済学、政治学、社会学、社会心理学、倫理学、哲学などの幅広い分野で研究されています。
黙秘と自白とどちらが得か
囚人のジレンマは、ストーリーのあるゲームになっています。
話の概要
いま、あなたと親友の2人がある容疑をかけられて、檻に入れられて取り調べを受けています。
囚人であるあなたたちは、別々の檻にいれられていて、お互いが何といっているか、知ることができません。
ここで、黙秘しているあなたに取調官が話します。
取調官「おい、だまっていていいのか?証拠はそろっているんだ。黙っていても刑務所は間違いないぞ。でも、あいつがやったといえば、あいつだけを懲役にしておまえは無実にしてやるぞ。」と。
さてあなたは、どういう行動にでますか?
補足条件まとめ
条件①:自分(協力的)/相手(協力的)な場合
お互いが黙秘を貫けば、罰せられるのは証拠のあがっている部分だけになるのでお互い軽い懲役3年ずつで済むとします。
条件②:自分(協力的)/相手(非協力的)な場合
自分は黙秘、相手は自白の場合は、自分だけが罪をかぶって相手は無罪になります。さらに相手が裏切った分、懲役は上乗せされて合計10年になります。
条件③:自分(非協力的)/相手(非協力的)な場合
お互いが自白すると、10年分の罪を2人で分け合って懲役5年ずつで済みます。
このときの2人にとって最も望ましい結果は、お互いが黙秘を貫くことで、もっとも悪い結果は2人ともお互いを売って自白してしまうことです。
答えあわせ
もし自分だけが黙秘を続けて、親友が自分を売っていたら裏切り者の親友は無罪という利益だけを得て、自分だけが2人分の罪をかぶって刑務所へ行く不利益を受けることになってしまいます。
あなたにとっては、自分だけが罪を着させられるという状況は、2人とも刑務所に行くよりも耐え難いできごとに感じるでしょう。
・相手が黙秘している場合、自分が自白したほうが無罪になるので有利になります。
・相手が自白していた場合を考えると、自分も自白していたほうが10年ではなく5年の罪だけになるので有利になるのです。
◆答え
実は、相手を信じて黙秘をするほうが危険なのです。
お互いの利益は、「黙秘×黙秘」なはずなのに、実際には「自白×自白」になってしまうのです。
『囚人のジレンマ』とは、お互いが協力しあえば、双方に利益になるにもかかわらず、損することを恐れてお互いが裏切り合い、結果として双方が損をするというものでした。
最後に
今回は、裏切ったほうが得をする『囚人のジレンマ』について紹介しました。
ドラマの犯人みたいに相棒を裏切ってしまうことを『囚人のジレンマ』とよびます。
『囚人のジレンマ』とは、お互いが協力しあえば、双方に利益になるにもかかわらず、損することを恐れてお互いが裏切り合い、結果として双方が損をするという状況を説明したものです。
司法取引に流されず黙秘を続けられればカッコいいのですが、人間の心理は損をしないように働き、裏切ってしまうのです。
『囚人のジレンマ』は、1950年に数学者のアルバート・タッカーが考案した理論で、経済学、政治学、社会学、社会心理学、倫理学、哲学などの幅広い分野で研究されています。