ファラオの食卓―古代エジプト食物語 (小学館ライブラリー)
古代エジプトの食生活について、解説している本です。
古代エジプトの本は、日本でも、たくさん出ていますね。それら類書の中でも、着眼点の独創性と、説明のわかりやすさで、群を抜いていると思います。
古代エジプト文明が好きな方なら、読んで決して損はしません。
むしろ、読まないと損です。古代エジプト人の食生活について、日本語で、ここまで詳しく書いた本は、少ないからです。
古代エジプト文明について、詳しくない方でも、大丈夫です。古代エジプト年表や、古代エジプト関連地図が付いていますので、それらを見ながら、読み進めることができます。
単純に、「ずっと昔の、遠い異国の人々が、何を、どうやって食べていたのかな?」という疑問を持てる人であれば、本書は楽しく読めます。
素朴な知的好奇心は、大切ですね(^^)
以下に、本書の目次を書いておきますね。
[序章]ファラオの食卓
ファラオの朝 ファラオの昼 ファラオの夕べ
[第一章]ナイルの恵みと人びと
ナイルの季節 ファラオの土地と農民 農民の暮らし 収穫の季節の災い
[第二章]エジプト人はパン食い人
「エジプト人は、パン食い人だ」 パンを要求する神がみ パンの製造法
パンの種類の豊かさ 多様な目的をもつパン
[第三章]豊かな食卓
肉を与える動物たち 屠【ほふ】られる牛 忌まれる豚 家畜番の生活
神となる動物
[第四章]魚と禁忌
もう一つのナイルの賜物 魚の禁忌 壁画のなかの魚たち 網による漁法
釣りなどによる漁法 オシリス神話と魚 さまざまな魚の神
[第五章]生薬の体系
10万人のための10年間の野菜 タマネギの二面性 医薬でもある野菜
媚薬であるレタス 古代エジプトのありふれた野菜
貧しい人びとのための豆 ヤシ・イチジク・ザクロ
[第六章]エジプトの香り
母の精髄を授ける乳 神がみが費やす油 蜂蜜はミン神の貴重な液体
食物・税・貿易品としての塩
[第七章]生命の水・ビール
神と死者のための飲み物 神話のなかのビール 古代エジプトのビール造り
大麦の生ビール 生命の飲み物
[第八章]神がみへの贈り物
ワインの夜明け 神の酒から人の酒へ ブドウの産地 ワインを醸【かも】す
ワイン造りの職人と歌・祭
[終 章]宴の日び
宴の前に 宴のはじまり ご馳走・踊り子・歌手・楽師
宴のなかで…現世観と他界観
あとがき
古代エジプト年表
古代エジプト関連地図