osamu_dasai

山奥の男子大学生/エッセイ(似ッ非イ)

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山奥の男子大学生/エッセイ(似ッ非イ)

マガジン

  • 音楽と僕

    好きな音楽、好きだった音楽を通して人生を振り返る。

  • エセ、エッセイ。

    個人的お気に入り?エッセイ?エセ?

  • 嫌われ者でも美味しく食べたいシリーズ

    釣りにおける外道を美味しく食べるお話です。

最近の記事

後悔のない生き方はない

 この3年間、自分を見失った私はあらゆる重要な決断から逃げ続けてきた。(3年間の話は次回あたりに書こうと思う。)私がその間にしていた決断といえば、昼ごはんを米にするかパンにするかくらいのものだろう。かつて私は決断力と行動力のある人間であったように思う。いや、思っているだけでそれすら妄想かもしれない。そう考えても仕方のないほどに、私は決断することが下手になった。  少し前に人生が変わる出来事があり、虚無から抜け出すに至った私は、なぜ決断から逃げ続けていたのかという疑問に向き合

    • アッチューマ現象論

       恋人とのデート、友人との飲み会、時間はあっという間に過ぎる。面白くない授業、テストや面接直前の不安な時間、時計の針は遅々として進まない。ほとんどの人に共感してもらえることだろう。しかし、不思議なことでもある。  昔の人間は地球の自転を1日と決めた。それが時間の基準になっている。したがって、時間はいつも一定だ。1時間後に集合と言えば、ほとんどの人は集まることができる。(例外はある。)  では、同じ時間でも長く感じたり短く感じたりするのは何故だろうか。その感じ方は状況で変わ

      • 涙脆い、愛が多い。

         大学の授業でとある小学校の運動会の映像を見た。全校を二つのチームに分けて、様々な競技で総合得点を競い合っていた。子どもたち自身が中心になっていて全員必死で、先生も親も本気で応援していた。  負けたチームの代表が泣きながら最後の挨拶をしている様子を見て、僕は思わず目を逸らし、スマホを触って気を紛らわせた。そうしないと泣いてしまいそうだったから。   そのとき僕は、中高の部活や高校の球技大会を思い出していた。恥ずかしいくらい本気だった。部活では何度か泣いたこともあった。悔し

        • 雨上がり散歩し隊

           雨が降ると寒いし出かけるのが面倒だ。ジメジメして気分も乗ってこない。私はあまり雨が好きではない。でも、通り雨は好きだ。  急に世界が少し薄暗くなって雨粒が落ち始める。その時の不安感と、雨が上がって空が晴れた時の安堵感。そのギャップが好きだ。  狐の嫁入りも好きだ。関東では天気雨と言うらしい。晴れているのに雨が降っているという、矛盾に近いものをはらんだ不思議さ。そして日光に照らされるきらきらとした雨粒。狐の嫁入りというネーミングもその神秘さを深めている。  夏の通り雨は

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        • 音楽と僕
          9本
        • エセ、エッセイ。
          6本
        • 嫌われ者でも美味しく食べたいシリーズ
          4本

        記事

          パイナップル、愛あふるる

           パイナップルが好きだ。pine(松)appleというネーミングも好きだ。きっと松ぼっくりに似ている、フルーツ(=りんご)なんていう安直な付け方をされたのだろう。そんなところも愛おしい。  昔は舌がざらざらピリピリする感じが少し嫌だった。でも今はそれすらパイナップルの良さだと思っている。歳をとる、痛みに鈍感になるということは、決して悪いことばかりではないらしい。  最近知ったことだが、舌が痛い原因はブロメラインというタンパク質分解酵素で、肉を柔らかくする効果もあるらしい。

          パイナップル、愛あふるる

          恋愛初心者2

           2年半ぶりにできた恋人と、1ヶ月で別れてから2ヶ月半、新しい恋人ができました。僕が一番驚いています。やっと重い腰をあげて付き合ったのに1ヶ月で別れた時は、僕が恋愛で積み上げてきたものを全て失ったように思いました。そして更に腰が重くなったようにも感じていました。2ヶ月前に書いた恋愛初心者には、もうしばらく自分から動くことはない。とまで書いていました。しかし、恋人ができました。何故なのか自己分析してみます。  まず運とタイミングという自分では操作しづらい要素があります。これに

          恋愛初心者2

          夏の読書感想文「さよなら絵梨」

           ※これは漫画「さよなら絵梨」の読書感想文です。さよなら絵梨を読んでから読むことをお勧めしますが、難しい場合は私が書いた「さよなら絵梨、あらすじ。」で妥協しましょう。  この漫画には基本のコマ割りがある。それは横長の長方形が1ページに縦に4つ並ぶというものだ。ほとんどのページがこのコマ割りになっていることで、主人公がスマホの横画面で撮った動画のコマ送りを見ているような没入感がある。また、同じコマ割りが続くことで、変化があった時には印象に残りやすい。この作品にはいくつか1ペー

          夏の読書感想文「さよなら絵梨」

          さよなら絵梨、あらすじ。

          ※このnoteは漫画「さよなら絵梨」のネタバレを含みますのでご注意ください。1冊完結読み切りのため、このあらすじよりも漫画を読むことをオススメします。 【あらすじ】  中学生になったばかりの主人公、優太は自主制作映画を文化祭で上映するが酷評されてしまう。その映画は、病気で死ぬかもしれない母親の願いで動画を撮り続けるが、最期は逃げ出してしまい母親のいる病院が大爆発して終わるというものだった。母親の死という事実と爆発オチというユーモアを組み合わせたことで教師にも激怒されてしまう

          さよなら絵梨、あらすじ。

          一服時間旅行

           8月の夜はぬるい。仲間と騒ぐには少し蒸し暑いが、ただ座っていると何とも言えないこの温度が心地いい。僕はそんなどうでもいいことを考えながら、ベランダで一人タバコを吸っている。二本の指で挟んだタバコを灰皿の縁に軽く当てる。灰を落とす仕草もすっかり喫煙者のそれだ。  すっかり慣れた素振りの僕だが、初めてタバコを吸ったのは一年ほど前だ。古い居酒屋の外で吸ったのを昨日のことのように覚えている。ただ彼女に近づきたくて、誘ってくれたことが嬉しくて、盛大に咳き込んで笑われたのが懐かしい。

          一服時間旅行

          お昼冷やし中華でいい?

           休日の昼ごはんと言われると何をイメージするだろうか。人によって様々だと思うが私がイメージするのは、そうめん、焼きそば、冷やし中華だ。そしてこれらの食べ物が数年前まであまり好きではなかった。なぜなら休日の昼ごはんだからだ。説明不足にもほどがあるか。  突然だが個人的休日のご飯ランク付けを発表したいと思う。Aランクはラーメンやハンバーガーチェーンの外食だ。次に、A+は家の唐揚げ、焼肉、すき焼き。Sランクは外食の焼肉。S+は旅行先での豪華なご飯全般となっている。そしてこれらのご

          お昼冷やし中華でいい?

          ヒーローになりたかった

           僕はウルトラマンが好きな子どもだった。そしてその頃、怪獣というものは空想や映像の中の生き物だった。  僕が大きくなりウルトラマンを卒業した数年後、怪獣と呼ばれるものがこの世界に現れるようになった。それはあくまで生物に分類されるものだが、生物の延長線上にあると言われても、簡単に納得できるような存在ではなかった。しかし、それらは空想の何倍もリアルで生物的なグロテスクさを感じるものだった。    怪獣は生き物であるが、その被害の規模と神出鬼没さはまさに災害であった。幸い僕の周り

          ヒーローになりたかった

          吾輩はダニである。

           吾輩はダニである。名前はまだ無い。どこで生れたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所で這っていた事だけは記憶している。  吾輩は何人かの仲間たちと1Kの部屋に暮らしている。外に何があるかは知らないし、もしかすると恐ろしい場所なのかもしれない。それはもう1人の住人である人間という大きい生き物を見ているとわかる。  その人間はこの部屋に住んでいるらしいが、部屋にいる時はあまり動かない。部屋にいない時間も多く、戻ってきた時はいつも疲れた顔をしている。こんなに散らかっ

          吾輩はダニである。

          自分作りの旅(日帰り)

          最近はメンタルが安定しているのかしていないのか、自分でもよくわからないような日々を送っていました。自分が世界に溶けているような感じです。伝わりづらくてすみません。アイデンティティとかそういう話かもしれません。 火曜日、大学の授業が午前で終わり、午後から映画館に行ってきました。「ルックバック」という映画を見ました。読切の漫画が原作で、僕はその大ファンなので楽しみにしていました。ちなみに作者は「チェンソーマン」などで有名な藤本タツキ先生です。映画の感想としては原作そのまんまって

          自分作りの旅(日帰り)

          恋愛初心者

          失恋から2年半経ち、4月末に彼女ができました。 そして6月初旬に別れました。 告白したのは私、別れを切り出したのも私です。本当に申し訳ないことをしたと思っています。本来こんなnote書くべきではないのかもしれません。 しかし、私の人生は喜劇です。また、これまで人生観、恋愛観、沢山語ってきました。それなのに現在進行形の出来事を黙っておくのも変だと思います。 だがしかし、相手がいることであり、自分一人で完結することではありません。また、その相手を傷つけてしまった自覚もありま

          恋愛初心者

          人生RPG

          10代のどこかで何者にもなれないと気づいた。 私には飛び抜けた才能はなく、血の滲む努力もできなかった。小さい頃は何にでもなれる気がしていた。そんな風に育てられたし、実際自分の努力次第で、ある程度の夢は叶えられるところにいたと思う。私はそれら全てを擲ってしまった。その事実に気づいたのが、10代の後半に差し掛かった頃だった。 人生は長い。10代の後半で現状を見つめ、心機一転、頑張ったとしたら、まだまだ可能性はあったかもしれない。しかし、その時の私は自分を客観視した結果、その時

          音楽と人と生きる

          ※これは「音楽と僕」シリーズの最後ですが、最終回だけ見ても満足できるタイプのやつだと思います。 これまで8本にわたって音楽のことを書いてきた。音楽を通してこれまでの人生を見つめ、それと同時に自分を通して音楽を見つめなおしてきた。こんなに長い時間をかけてやってきたのは、「私にとって音楽とは何か?」という問いの答えを見つけるためだ。1本目を書いているときには分からなかったが、今なら少しは文字にできる気がする。前置きはこれくらいにして、問いに答える努力をしていこう。 私は音楽を

          音楽と人と生きる