パイナップル、愛あふるる
パイナップルが好きだ。pine(松)appleというネーミングも好きだ。きっと松ぼっくりに似ている、フルーツ(=りんご)なんていう安直な付け方をされたのだろう。そんなところも愛おしい。
昔は舌がざらざらピリピリする感じが少し嫌だった。でも今はそれすらパイナップルの良さだと思っている。歳をとる、痛みに鈍感になるということは、決して悪いことばかりではないらしい。
最近知ったことだが、舌が痛い原因はブロメラインというタンパク質分解酵素で、肉を柔らかくする効果もあるらしい。だから肉料理にパイナップルを使うのかと納得した。よくわからない痛みの原因がわかったことでスッキリしたような、少し寂しいような気持ちになった。賢くなるということは必ずしも良いことではないように思う。
パイナップル爆弾という爆弾があるらしい。また、手榴弾のことをその見た目からパイナップルと呼ぶこともあるとのことだ。舌の表面なら良いが、私の体をバラバラに分解されたくはない。パイナップルは大好きだが、それらにはこの世から早く消えてもらいたいものだ。
パイナップルを1個丸ごと買って、2、3日に分けて1人で食べることが時々ある。大きなフルーツを独り占めするという行為には、なんとも言えない優越感がある。また、包丁で葉や皮を落とす作業も楽しい。そのあと果肉を自分好みにカットできるのも良いところだろう。大きくて小さい私の密かな贅沢だ。
パイナップル、可愛い名前、尖った見た目、甘い味、でも少しピリピリ。そのアンバランスなバランス感覚に憧れる。そんな魅力のある人間になりたいなと思う。パイナップルのことをこんなに考えていると、今すぐ食べたくて仕方ない。これが恋だろうか。(多分違う) 今日はパイナップル缶で勘弁してやる。いつかの自分へのご褒美に1個丸ごとは置いておこう。じゃあ、スーパーへ行ってきます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?