『カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ』
サリー・ルーニー 著、山崎まどか 訳『カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ』を読む。ピントを合わせるのが難しいほど多層的で複雑だけど、確かな強度のある感情のかたちや揺らぎが、会話やテキストメッセージの空気を通じて表層しているとても興味深い物語だった。作者は1991年生まれ。新しい世代のテキストという感じ。
作家志望のフランシスはかつての恋人のボビーと共にダブリンの大学に通う21歳。ふたりで舞台に立つスポークン・ワードのパフォーマンスに注目したジャーナリストのメリッサとその夫