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ラヴ・ペンタックス

今回はどうしようもなく、PENTAXへの愛を綴りたくて文章をしたためることにした。(下にいっぱい写真があるよ) もちろん俺はカメラのプロであったり、様々な機種を使い分けたりしたことのある訳じゃなくて、未だに10年近く前に買ってからずっと大事なシーンを共に過ごしてきたカメラについてつらつらとラブレターを書いて、これを読んだどこかの誰かが興味を持ってPENTAXのカメラが一台でも多く売れれば、何だか楽しいカメラがまた発表されるんじゃないかなんて思ったりするだけの人だ。奇特でし

    • 輝きに満ちたキャンパスライフよ

       二十一歳の誕生日は、確か一人きりで過ごしたと思う。 さようなら。  確か、と言うのは今ひとつこの時期の記憶が曖昧であるからにして、写真やツイッターを頼りに何となくこうしていそうだな?みたいな感じで一生懸命思い起こしたりしていたのであった。  そんな風に写真を見返していると、これまで大学で作ってきた作品の写真がボロボロと出てきたりするのであった。  ああ懐かしいねやら、こんな作り込みしてたのかとか、随分熱心にやってたね、等様々湧き上がる気持ちがあったりした。  と言

      • この広大なインターネットでただ一人

         さよならは、さよならを言おうとした時にはもう言えなくなってしまうみたい。  俺はこれまで、これまでの人生の多く、大体十三年くらいの年月をこのツイッターというサービスと共に歩んできた。  特段凄いドラマチックだったり、ドラスティックだったりセンシティブだった事は無いけれど、もはや俺にとってのツイッターというやつは生活に、人生に、活動に密接に関わってきていたのだった。  そうして俺もまた、いつまで続くかわからないインターネットライフを謳歌していくのだろうと思い込んでいたし

        • 手を伸ばしても酷い仕草で

           なつみちゃんの陣地に名実共にいて良いことになった。  不法占拠ではなく、合法滞在に変化した。  滞在のためのビザ発行までのはなし  こういった状態で、関係性の名称こそ変わったものの実情としては多くは変わらず、出掛ける時に手を繋ぐようになったことや、俺の部屋に遊びに来た時ですら気を遣って床で寝ていたと言ったあまり意味のない抵抗をやめてみたり、些細な変化はあったものの随分面白おかしく過ごしていくことになった。  なつみちゃんは結構写真が上手だった。  iPhoneのカ

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        ラヴ・ペンタックス

          OLYMPUS PEN Sを買っちゃった

           ごめん、PENTAX。浮気をしました。  色々なPENTAXに狂わされた人々に読まれている文章。読むことによってお前も狂うかも。  PENTAXに対して「ラヴ」などと申し上げたりしていた訳だけれど、この間新宿のマルイでやっていたオールドレンズフェスに行ったのが全ての始まりであった。  こういったデパートの催事コーナーが大好きな俺はつい、何の気なしにフラッと立ち寄ってみるとずらりとフィルムカメラが並んでいた。  以前からフィルムカメラには興味があったし、しっかり写真を

          OLYMPUS PEN Sを買っちゃった

          【閑話休題】二ヶ月間文章を書いてみて

           二ヶ月前の八月二十七日、突然思い立って開設したものの長らく放置していたnoteに自分のこれまでのことを書いてみたいなと思って筆を取ることにした。   ともあれこれまでの人生をつらつらと書くだけではあっという間に書くことが無くなってしまうからなるべく面白おかしく、時には曖昧な記憶を手繰り寄せ大げさに書いてみたり無かったことにしてみたり。  そんなこんなで二六本、文章をしたためることができた。  ここでは現在地を書き記す備忘録的な意味で、よく読んでもらった文章を五個ピック

          【閑話休題】二ヶ月間文章を書いてみて

          意外な素ぶりが幸せなのかも

           二十歳になる頃、俺はなつみちゃんの家に住み着いていた。  そんなに広くないワンルームで二人。  なつみちゃんに出会いました  前に書いた通り俺はバイト先から随分遠いところに住んでいたから、朝も夜もシフトに入っていた俺は随分と忙しくその遠い距離を歩いたり自転車に乗ったりして休まず通っていたのだった。  なんでこういう流れになったか全然覚えていないんだけど確かバイト先の飲み会の帰りかなんか、方向がやんわりと一緒の俺となつみちゃんは(やんわりと同じだけで俺は遠回り)今日楽し

          意外な素ぶりが幸せなのかも

          最高速で抱きしめたいけど

           人は何故、スターバックスの店員がモテると思うのか。  答えは単純明快、スターバックスで働いているからモテる訳では無くモテる奴がスターバックスでたまたま働いているだけに過ぎないのだ。  大学に入り飽きが来て、遊び歩いたり急にモテたくなってスタバで働くまでの話  そんな事に気がつく訳もなく、もう緑のエプロンしていたらすんごいモテちゃうんだろうなと毎日ウキウキと、碌に大学にも行かず平日の昼やら土日やら、それはもうすごい勢いで働くのであった。  こうして得たのはモテではなくシ

          最高速で抱きしめたいけど

          つまりは大体、思い付きで行動するせい

           大学生になった俺は18にして、完全自分だけのテリトリーを手に入れて(とは言え親は放任的なところがあったからそんなに熱望していたわけではないけれど)悠々自適、楽しい楽しい生活をスタートしていた。 大学に入った頃の話  案外料理も家事も、完璧とは言えないものの創意工夫と未知の世界へのダイブが好きな性格がうまく噛み合いそれなりに楽しくやっていたりした。  日々やる事がそれなりにあると人間、寂しさなど覚えることもなく、別に俺はモテモテなんですよと言う意味ではなく女の子の尻を追

          つまりは大体、思い付きで行動するせい

          降り注ぐ雨になりたくて

           結構インターネットでは死にたくなっている人が散見される。  彼や彼女らの悲しみや絶望はこれっぽっちも俺にはわからないんだけれど、それでも俺がちょっとだけ、彼らの絶望にちょっとだけ、寄り添ってみたほうがいいのかもと過ぎるのは誰にも何も言わずに死んだ女のせいなのかもしれない。  その女との出会いは大学三年か四年の頃、仙台のバーだか居酒屋でバンド仲間主催の飲み会だった。  小説みたいな話で恐縮だけど、その女はその瞬間地球に居た誰よりも美人だった。  目の色が変わったのは俺だ

          降り注ぐ雨になりたくて

          この思い出を箱にしまっておきたいから

           アパートと言う名の完全なる自分のテリトリーを手に入れて俺は、案外完全な自由は思ってたほど楽しいものではないんだなと考えたりしていた。 前回、進学で一人暮らしを始めた時の話  自由が面白くない、と言うよりは何もすることもなければ、AO入試を活かした最速で友達の作れたスクーリング(この呼び方は一般的ではない?)などで得た友達たちも、こんなタイミングで呼びつけてもまだなんか気まずさがあったりしそうで、そうなるとやはり俺は意味もなくそのへんをフラフラしたりギターやベースを弾いて

          この思い出を箱にしまっておきたいから

           神は細部に宿ると建築家ミースファンデルローエは言ったらしいけど、俺の神はいつだって俺に宿っていた。  俺はやっぱりいつだって、多少無理があるなあと自分で思いながらも自分が正しいと言い聞かせながら、思い込ませながら、妄信させながら決断を繰り返している。  結局のところ俺の世界には俺と言う神が居るし、その世界観を他人に押し付けるのもまた、神の思し召しだよねと言ったはちゃめちゃな価値観を他人に押し付けてはこれを「愛だよ」とうそぶいているのが日常なのである。  いつだって何だ

          ちいさな国を手に入れて

           引っ越した日は生憎の雨模様だった。  俺は進学をきっかけに東北に住むことになった。  しかもなかなかマイナー、山形県。  引っ越しを迎える3月中頃はまだ全然寒いとのことだったから、どれくらい寒いかよくわからなかったけどちょっと羽織れる程度のものを持って夜行バスに乗り込んでいた。  昔は今ほど真面目に天気予報アプリを見なかったし、そもそも当時はそんなものをスマホに入れてたか記憶が定かでは無い。  つまるところ、天気予報なんて碌に見ない俺は引っ越し先が今日、どんな天気かな

          ちいさな国を手に入れて

          ここで呪いをひとつまみ

           季節は少し流れて冬頃、俺は大学入試を終えたしことみちゃんとしばらくぶりに会う事になったりしていた 大学を決めた時の話 ことみちゃんとのなんやかんや  やはりことみちゃんは非常に不機嫌だった。心中お察しする、突然俺が遠くの大学に通うことを決めて、あろう事か受かっていやがるのだ。  そんなことみちゃんとやはり、不機嫌なことみちゃんとサザンテラスのスタバに居た。  多分これはきっと、周りの友達のように進学と同時に別れが来るタイプのあれだろうなあと思いながらことの経緯や、

          ここで呪いをひとつまみ

          北の景色に魅せられて思わず

           俺は選択の岐路に立たされていた。  18歳夏の暮れ、高校三年生の確かお盆明け、八月二十日くらいだっただろうか。  気まぐれにオープンキャンパスに行ったものの、進路の話を微塵もしない息子を不安に思ったのか、もしくは何かの気まぐれか、珍しく両親が二つの大学のパンフレットを差し出してきた。  「お前はちょっとおかしな人間だから、大学もおかしいところに行くべきだと思う。交通費は出してやるから素泊まりでどっちか見てこいよ」  そういう父の真剣な眼差しと言葉にギョッとするものの

          北の景色に魅せられて思わず

          あんまり知らない場所で過ごす想像をしたりして

           ことみちゃんと俺は小田急に乗ってオープンキャンパスに向かっていた。  大学に行かない予定のことみちゃんがオープンキャンパスに行きたくなったときの話  ことみちゃんのこの夏にやりたいこと、最後の一つはオープンキャンパスに行くことだった。  進学のことを1秒だって考えたことがなかった俺は、密かにバイトで貯めていた金を使ってノルウェーとかフィンランドにワーキングホリデーに行っちゃおうかな、と母親に相談してみたところ「オッケー」と言いわれたりした。  ところで親ってこう言う相

          あんまり知らない場所で過ごす想像をしたりして