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日々思い出す、亡くなった人たちのこと

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不意に訪れる、亡くなった人たちとの記憶について書いたnote
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ただただ、目を閉じて聴いていた

ただただ、目を閉じて聴いていた

ここ3日ほど、米津玄師の「Azalea」をずっと聴いてる。

電車の中、ふと目を閉じたら、鼻の奥がツーンと来るほどの涙が押し寄せ、夜、真っ暗の中で目を閉じるとじわじわと涙が溢れ号泣する。何も考えずともやってくる。何かを考え始めてしまうと涙はさらに加速するから、すぐにかき消す。

歌詞やドラマの影響だけではなく、美しい旋律・音色。溢れるリフレイン、リフレクション。音の文脈・物語性。体が自然と動いてし

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映画「本心」を観てきたら「VFはいらない」が「VFが少し欲しい」に変わった。やっぱり、亡くなった人たちと喋りたい

映画「本心」を観てきたら「VFはいらない」が「VFが少し欲しい」に変わった。やっぱり、亡くなった人たちと喋りたい

映画「本心」を観てきた。

最初に思ったのは思っていたよりもVF(バーチャルフィギュア)とのやりとりが少なかったなぁと「本心」というよりも「隠し事」と感じた。もちろん、最期の母親の言葉が「本心」であり、主人公が納得した「本心」でもあることは理解できるのだけれど、映画の中でVFになった母親よりも、母親と交流のあった女性とのやりとりが多くて、恋愛要素が主題のように感じてしまった。2時間では足りないんだ

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映画「本心」を見に行く前に、母からもし同じことを言われたらどうするか、答えておきたい

映画「本心」を見に行く前に、母からもし同じことを言われたらどうするか、答えておきたい

本も買って昨日から読み始めた。読み始めすぐにそれはやってきた。

電車の中で目にしたこの一文の前後から、本に集中しすぎてしまい、気がついたら乗り過ごしていた。数回電車の扉が開いたことも、なんの音楽を聞いていたかも記憶がなく、乗り過ごしたという出来事と、自由死(自死)の意思を私自身が打ち明けらたような感覚に陥って気持ちが落ち着かなかった。

もし、母に同じことを言われたらと、昨日から考えている。拒否

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悲しみは、自分ひとりでどうにかするものと思っていた時期が、私にもありました

悲しみは、自分ひとりでどうにかするものと思っていた時期が、私にもありました

先日、渡辺美里のMy Revolutionを聞く機会があった。いつ聞いても名曲だなぁと思っていた矢先にある歌詞が気になった

本当の悲しみってなに?自分一人で癒せる?

他にも気になる歌詞がある。

泣いちゃダメってなってしまったら、何故いま涙が出てしまうのか分析ができないではないか。

昭和の時代、根性論が溢れ強くあらねばならないとの思いから、自らを鼓舞する応援歌生まれたのだろうか。悲しみは一人

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数十年振りに「心的外傷と回復」を開く

数十年振りに「心的外傷と回復」を開く

「グリーフケア・サポートだけでは足りないのかもしれない」数日前にNPOで一緒に活動している人とそんな話をした。それはトラウマについて。

トラウマについて最初に手に取った本をひっぱりだしてきた。10数年前、Twitterで知り合いになった自死遺族の方に、トラウマ問題のバイブル的存在であると教えてもらって購入したジュディス・L・ハーマン「心的外傷と回復」。メールを遡ってみたら2011年に購入していた

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もし、あのときすぐにアクセスしていたらログインできていたかもしれないけれど、しなくて良かったと思う

もし、あのときすぐにアクセスしていたらログインできていたかもしれないけれど、しなくて良かったと思う

部屋を片付けていたら、フィルムを現像してきたときのCD-ROMが出てきた。読み込んでみたら、2017年8月4日に作成された画像で、撮影日が多分2010年〜2017年ぐらいの写真だった。

現像されたファイルの最初の写真。全くどこだかわからない。

赤坂サカスで時計じかけのオレンジの舞台が行われていたのは2011年のようで、この舞台を見に行った記憶はないからただ撮影しただけっぽい。

ってかなんでお

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見るだけで涙が出ていたスカイツリーがなんかもう大丈夫だと思う

見るだけで涙が出ていたスカイツリーがなんかもう大丈夫だと思う

先日、母とスカイツリーへ行った。

人混みを嫌がる母を半ば強引に誘い、目的はアンナミラーズのポップアップショップでチェリーパイを買うこと。

最初は渋々だった母もお店を色々回っていたら楽しくなったようで、欲しいバッグを見つけてきて楽しんでくれていた。

帰ってきて数日後に、そういえばスカイツリーを見ても兄のことを全く思い出さなかったことに気がついた。兄が住んでいたところからスカイツリーがよく見えて

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液晶が壊れたMacBook Proを修理しないとなると使い道はどうする

液晶が壊れたMacBook Proを修理しないとなると使い道はどうする

修理に出した結果、液晶ディスプレイの故障だった。見積もり額が高額だったから修理はしないことにした。修理に出す前に外付けモニターに繋いだけれど全く反応しなかったのになぁ。

戻ってきたらさてどうしよう。メインに使っている以外に、先日2020年のMacBook Airもらってしまったから使い道がない。でも、Appleに回収も捨てたくもない。このMacは兄が亡くなった年、兄が亡くなって入ってきたお金で買

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それとこれとは関係ない

それとこれとは関係ない

ふと、兄のAmazonアカウントにログインをした。兄が亡くなってから、履歴を残しておくために定期的に行っている。

購入履歴を見る。最後の日付をカレンダーで確認をする。私が兄と母に切れ散らかした前日。涙が出る。やっぱり兄が亡くなった原因は自分なのかと。その次の日、兄は水道局とガスと東京電力に立て続けに電話をしている。何故。わからない。でもわかってる。兄は自分が亡くなったあとに私が困らないようできる

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音楽が聴きたい

音楽が聴きたい

昨晩遅くに突然思った。

目を閉じ、耳を澄まし、真っ暗闇で音楽を聴く時間が時々必要になる。

以前から気になっていたハイレゾ音源を購入してみるもなんかしっくりこない。良い音だし良い曲なのだけれど今求めているものと何か違ったのだけれど、Lemonが流れ始めたとき、体が音に溶けこみ目を閉じた。

夜に突然音楽を聴きたくなるのは、濁流に飲み込まれつつある情動をフラットにしたい衝動の現れなような気がする。

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父の死から30年、父と同い年になった

父の死から30年、父と同い年になった

46歳になった。

ここ数年、自分が何歳になったのかあやふやなときが何度もあって1,2歳間違えていた。今年は改めてちゃんと計算したら46歳。そのときふと、そういえば父が亡くなったのは46歳だったようなと思い出す。計算したら46歳で、もう30年経つのねと母の言葉で月日を認識した。

身構えていた節目が2つあった。1つ目は、亡くなってから16年経ったとき。父と一緒に過ごした月日よりもいない月日が長くな

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母の憂鬱

今日何度目かのリビングへ訪れた際に、母が突然憂鬱だと言った。いつからか聞いたら随分前からだそうだ。今日も昨日も普通に喋っていたはずなのに一体どうしたのだろうかと思ったけど、憂鬱ってなんの前触れもなく来るもんだ。兄の命日が近いからではないかと思ったけれど、もしそうだとしたらさらに落ち込むような気がして何も言わなかった。

それに引き換え、私には命日反応と言われるものがいつの頃からか全くなくなった。あ

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拭えない自責からの復活

自責の思いがときどき重くのしかかる。いつもそれは突然やってくるから、すべてストップし、かれこれ2時間ほど経過しようやく復帰。

30年近くの間、自責、後悔、辛さ、悲しさ、寂しさ、孤独、孤立、虚無感、不眠、そんなようなものにどれぐらいの時間を費やしていたのだろうかと考えただけでもぞっとする。でも、ぞっとするなんて他人事のように言えるぐらいの復活感。数時間前まであんなに辛かったのにいまでは同じことを思

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お墓参りで飲んだマウンテンデュー、新たな1年の始まり

お墓参りで飲んだマウンテンデュー、新たな1年の始まり

自動販売機で久しぶりにマウンテンデューを見かけた。缶ジュースは何かと面倒になるから外ではあまり買わないのだけれど、ここ最近ずっと聴いている三浦透子の「私は貴方」で唐突にマウンテンデューが出てくるもんだからずっと飲みたかったんだ。

小さい頃大好きで飲んでいた飲み物で、大人になってほとんど見かけなくなったからもうなくなっていたと思っていたから、20代の女性がよく昔の飲み物を知っているなぁとビックリし

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