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2025年2月の記事一覧

【詞】春雷

【詞】春雷

本棚から取り出した言葉のスープを

やたら過去に重ねて飲み干してしまう

時代の寵児になる夢を見たいだけ

焦りがちなジュブナイル

隠れがちになる

春雷がやがて 心に宿る

言葉にできない系の未来を

うんと引き寄せて

うんと抱き締める

春雷がやがて 心に宿る

言葉にできない系の未来を

うんと書き殴り

そして走り出す

巻き戻しても 戻さなくても 春

くしゃくしゃにした独白を

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【詞】静謐少女

【詞】静謐少女

あの子の仕草は静謐だった

さらけ出したら どんな言葉が宿っているのか知りたかった

髪留めのゴムを肌身離さず持っていた

部屋はぬいぐるみに埋もれていた

スパンコールな夜光虫を描き続けている

(陰影も深く彫っている)

真昼にしか見えない海のあらゆるも書き連ねている

磯の薫りがする悲哀を隠している

それでも あの子は穏やかだった

あの子の理由は静謐だった

本を開いたら 本の世界が飛び

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【詞】夜

【詞】夜

手の平を浸す青嵐に 吹っ切れたい

夜の背骨が ひとり歩きして

雲を蹴っ飛ばした

そういう風に そういう風に

(急足と鼓動)

腕に抱いたがらんどう 忘れられない

(うそかもしれない)

涙を見せないでいた 狼が鳴いた

夜の背骨は 蛇のように 星を連れて尚

カーテンを揺らす青嵐に 飛び出したい

詩のしぐれ煮を 大食いして

水を含んだ

そういう風穴の向こうに

(思慕のふくらむゾー

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【詞】orion

【詞】orion

北国は間近 吐息は白い

淋しい木々や雪は 夜そのものなんだ

明けない夜は無いんだって

歌は鱗を散らして歌う

暗闇の迷子の手を引くように

夜空のオリオン

いつも見守っているから

もう少しだけ もう少しだけ 踏む歩幅

もう少しだけ もう少しだけ 減る歩幅

その繰り返しが 僕そのものなんだ

冬の遥か 月に近く 息を飲む 星羅

星になった すべてのものの

声が降りそそぐ今日だ

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