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政治系

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#狂人日記

日本の教育格差の絶望的な現実

日本の教育格差の絶望的な現実

サンデルによるメリトクラシー批判が話題になっているようなので、このnoteにおいても日本の教育格差について自分が見た事情をお話させて頂こうと思う。

以下の文章は2014年に書いたブログ記事の改稿だが、教育格差はその当時から現在まで引き続き拡大し続けている。今はもっと酷いだろう。

ちなみにこの記事は自分が教育という営みに絶望する前に書かれたものだ。

教育困難者に向けた教育ボランティアを3年ほど

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知識人はなぜ劣化したのか

知識人はなぜ劣化したのか

知識人が劣化している。

そう感じているのは筆者だけではないだろう。

noteのようなテキストメディアに入り浸っている諸氏というのは、基本的に活字中毒者・猟書家が多く、同級生がサッカーやドッヂボールでワイワイと遊んでいるのを尻目に図書室で本を貪る生活を送ってきた人たちが多い。

彼らは古今東西の書籍から、「知識人」なる人々のきらめくような知性を浴びてきた。世の中にはこんな概念が、思想が、考え方が

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幸福になるための「正しさ」を選べない人たち

幸福になるための「正しさ」を選べない人たち

反フェミニズム・反リベラル的な言論が、そろそろ一定数の人々に知られるようになってきたということなのだろう。「リベラル」の側からの反論が、ぽつりぽつりと表面化するようになってきた。

先日話題になったこちらの記事などはその筆頭かもしれない。反フェミニズム・反リベラル論壇の主張をある程度は取り上げながら、その上で「そんな異議申し立てをしても幸福にはなれないのだから口を閉ざせ」と結ぶ内容だ。

当たり前

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「性的客体化」論の根底にある「弱者を排除したい」という女の欲望

「性的客体化」論の根底にある「弱者を排除したい」という女の欲望

もはや何度目かもわからないが、またしてもオタク系表現物がフェミニストに燃やされているらしい。

千葉県警が交通ルールの啓発動画に採用した「戸定梨香」なるVtuberの外見が「性的」で「女性蔑視にあたる」との抗議が全国フェミニスト議員連盟から送られ、千葉県警は啓発動画の削除を余儀なくされた。

フェミニスト議員連盟のロジックはいつもお馴染みの「性的客体化」論で、女性を性的な表徴として描くことは「女性

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医師の仕事はなぜ「つまらない」のか

医師の仕事はなぜ「つまらない」のか

近頃SNSなどで公衆衛生にまつわる論争が過熱しつつあるように見える。

発端はもちろんコロナ禍における諸々の行動制限に関する議論だが、論争が深まるにつれ国民皆保険制度をはじめとする医療行政そのものに対する反対言論のようなものも生まれつつある。

「我々の生活に医療行政が介入することは必ずしも正義なのか?」という命題について、多くの人が疑問を抱きはじめたようなのだ。

ある意味で、これは極めて健全な

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「友達のお父さん」として見たトヨタ会長・豊田章男さん

「友達のお父さん」として見たトヨタ会長・豊田章男さん

なんとなく、色々なところで豊田章男さんのことが話題になっているので、自分も思い出話をしてみようと思う。

豊田章男さんは自分が人生の中で遭遇した人々の中でも10指に入るほどの奇妙人だ。お会いした回数は十数回程度だったと思うが、今も強い印象が自分の中に残っている。人間にとって生まれとは、生き方とは、そういうことを考えるとき章男さんの思い出がチラつくことが幾度となくあった。

自分にとって章男さんは、

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AV女優が誕生するメカニズム

AV女優が誕生するメカニズム

ここのところずっと、AV新法の話題が世間を騒がせ続けている。

もともとこの法案は2016年のAV「出演強制」騒動に端を発するもので、AV業界のコンプライアンス強化を目的として複数の人権団体などが立法を主導してきた。

といっても実は2016年段階からして、狭義の「出演強制」を行ったAVメーカーは1社も確認されていない。当人の意に反してアダルトビデオへの出演を強要すれば強要罪や強制性交の要件を満た

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弱者は性格が悪い

弱者は性格が悪い

「弱者は性格が悪い」という一種のステレオタイプがある。

貧困層は怠惰で頭が悪く、障害者は傲慢で健常者をアゴで使うことに慣れ切っており、非モテ男性は親切に接すれば恩を仇で返される──。こうした感覚は世の隅々にまで行きわたっている。

時には、福祉や医療に携わる「支援者」たちでさえその感覚を内面化していることもある。弱者に関わることは危険で不快で利益の少ない営為であり、ある意味で彼らが悲惨な境遇にあ

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SNS時代の「いじめ」には空手もサッカーも通用しない

SNS時代の「いじめ」には空手もサッカーも通用しない

「男の子が生まれたら、空手や柔道などの格闘技をやらせたい」

そんな気持ちを抱いている男性は少なくないのではないだろうか。

特にいま30代から40代くらいの男性の子供時代は、お世辞に安全と安心が確約された環境とは言い難かった。1980年代のように校内にシンナーが蔓延し不良がバイクで廊下を走り回り…といったことは流石になかっただろうが、それでも「弱い男」は舐められるのが常であったし、男子同士の殴り

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「産んだス文明」という幻想

「産んだス文明」という幻想

どうも最近、若年出産を称揚するようなネット言説が勢いを増しているらしい。

まぁ気持ちはわからないでもない。

晩婚化が急速に進行する現代日本において、「若くして子供を持つ」ことは慶事ではなく凶事として扱われている。そんなことで少子化問題が解決するはずがないではないか、という反発心を抱くのも当然だろう。逆張り的発想として「若年出産こそが次世代のライフスタイルだ!」くらいの大言壮語を吐きたくなる気持

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「話し合い」という名の「集団リンチ」から身を守るために必要なこと

「話し合い」という名の「集団リンチ」から身を守るために必要なこと

「平和的に話し合おう」と言われて、それを拒絶することは難しい。

小学校の「道徳」の授業から、喧嘩の仲裁、国際紛争について論じるTVのコメンテーターまで、知的で良識的と見做されているあらゆる人々が

「暴力ではなく対話で問題を解決しよう」

というメッセージを繰り返し発信し続けている。こうした価値観が広く浸透している現代社会において、「対話」することを拒絶してしまえばその時点で拒絶した側が「悪」と

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「社会正義」は外国の権威に逆らえない

「社会正義」は外国の権威に逆らえない

先月11月に発売され各方面で話題となっているヘレン・プラックローズとジェームズ・リンゼイの共著「社会正義はいつも正しい」が日本の出版界から「キャンセル」される憂き目に遭っている。

本書は英語圏のwokeismの思想的背景を批判的な立場から概説したもので、「キャンセルカルチャー」を始めとする社会正義フリークたちの蛮行がどのような<理論>に基づいているのかを丁寧に説明してくれる一冊なのだが、邦訳刊行

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なぜ韓国は性被害の「虚偽告訴」を厳しく取り締まるのか

なぜ韓国は性被害の「虚偽告訴」を厳しく取り締まるのか

サッカー日本代表、伊東純也選手の「虚偽告訴」報道が話題だ。

子細は読者諸兄もご存じだろう。女性2人から「レ○プされた」として刑事告訴され週刊誌にも報じられたのだが、逆に伊東選手は事実無根であるとして女性2人を虚偽告訴罪で告訴し返した。伊藤選手の代理人弁護士は事実関係について相当の自信を持っているようであり、今後司法がどのような裁きを下すのかを含め、様々な意味で注目を集めている。

伊藤選手のケー

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ホストクラブの歴史 「1億円稼ぐホスト」はなぜここまで一般的になったのか

ホストクラブの歴史 「1億円稼ぐホスト」はなぜここまで一般的になったのか

かつては有閑マダムが集い、ダンスを楽しみながら飲食する貴族的な社交サロンだったホストクラブ。前編でもお伝えしたように、 「愛本店」がホストクラブの基本システムを作ってから料金体系は大きくは変わっていない。売掛金などの制度自体も昔から存在している。

しかし今では少なくないホストクラブが札束で殴り合うホス狂の煉獄になり果てている。そうした業態を巡ってメディアからのバッシングも後を絶たない。しかしそも

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