AV女優が誕生するメカニズム
ここのところずっと、AV新法の話題が世間を騒がせ続けている。
もともとこの法案は2016年のAV「出演強制」騒動に端を発するもので、AV業界のコンプライアンス強化を目的として複数の人権団体などが立法を主導してきた。
といっても実は2016年段階からして、狭義の「出演強制」を行ったAVメーカーは1社も確認されていない。当人の意に反してアダルトビデオへの出演を強要すれば強要罪や強制性交の要件を満たしてしまうが、そのような容疑で立件されたAVメーカーは一社たりとも存在しないからだ。
ちなみに2016年当時「出演強制」を行ったとしてメディアのバッシングを浴びたマークスジャパン社は、散々大騒ぎされたあげく「労働者派遣法」によって起訴され罰金刑を受けている。AV出演が派遣法の禁じる「公衆道徳上の有害な業務」にあたるという理屈なわけだが、これでは全てのAVメーカーが条件を満たしてしまうわけで、要するに散々大騒ぎしたあげく「出演強制」は立証できなかったということだ。無罪放免では当局の面子が潰れるので微罪でとりあえず処罰しておく。こうしたケースは多くの際どい裁判例でときおり見られる光景である。
このように、「存在しない被害を防止するために新しい法律が作られる」というトンチンカンな事態に陥っているのがAV新法周りの光景なのだが、なぜこうまで頭の悪いことになっているかといえば、規制推進派の人権団体や議員が「当事者」の実態をあまりに蔑ろにしている点に原因があるだろう。
彼らは「かわいそうな女の子が騙されてAVに出演してる」という20-30年前の世界観に立脚して規制推進運動を展開している。しかし現代のAV産業は彼らの想定とは全く違った構造を有している。
筆者はAV業界の関係者ではないが、隣接産業であるメンヘラ業界に長年身を置いてきた。AVや性風俗に出演する女性のヒアリング実績ではそこそこのレベルに達しているだろう。
本稿では現代の「AV女優が誕生するメカニズム」について綴っていく。
なぜメンヘラはAVに出るのか
本論に入るまえに基本的な前提について確認しておこう。
AV女優は、ごく少数の例外を除いてほぼ全員がメンヘラである。
よって「なぜメンヘラはAVに出るのか」という命題は、ほとんどそのまま「なぜAV女優はAVに出るのか」という命題とイコールである。メンヘラであることが例外ではなく前提であることを読者諸兄は飲み込んでおいてほしい。
AVを含む性産業を仕事に選ぶのはメンヘラゆえの能力的な偏りが原因であることが多い。時間管理能力やコミュニケーション能力などの「昼職」に必要な能力を有さないために「夜職」としてのAVや風俗を選ぶ。ここまでは他の夜職と志望理由は共通している。
本稿のテーマは、数ある夜職の中であえて「AV」を選ぶ理由は何か?というものだ。傍目から見れば身バレやデジタルタトゥーなどのリスクも高く、容易には選べない選択肢であるように見える。
なぜメンヘラ女子はAVに出るのか。
主な理由は3つある。「知名度」と、「貯金のしやすさ」と、「美容整形」だ。
知名度
多くの方の直感に反することかもしれないが、「AV女優」という仕事はもはや賤業ではない。特に若い女性の間で、人気AV女優はインフルエンサーとしての地位を築き始めている。
特にここ5年ほどは
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