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#スキしてみて

浪人時代の私が17年越しに起こしたちょっとした奇跡のおはなし

嘘のようで嘘じゃない、本当のおはなし。 1ヶ月ほど前のある日、業務関連の連絡で埋まっていた私のメールボックスに、なにやら気になるタイトルのメールが届いた。 件名:「ただの思い出話ですー」 見るとそれは本当に感謝してもしきれないくらい、当時お世話になった高校の恩師からの突然のメール。卒業後も何度もお世話になっていたものの、とても久しぶりだったので 「なんだろう?」 と開いてみると、そこには17年前に本当に必死になってあがいていた頃の私の記憶とともに、その時起こった奇跡

空の選び方

家族も寝静まり、玄関の鍵が祖父によって閉められて僕の1日は始まる。 連絡を取るのが特に苦手だ。 コミュニケーションは人よりも得意な部類だと 自負できるが、マメなLINEというものが本当に 苦手なのだ。 電話で基本的には済ませたいが、時刻が2:35 ともなると基本的に気を遣って誰とも話さない。 閉められていた鍵を開け、普段出かけるよりも 一枚多く服を着込みイヤホンをして外に出る。 12月の空はやけに遠くて星はイヤらしく光る。 10年前はふかしていたタバコ。 今は肺に染み込

何年分の思い出よりも、心を動かす一瞬を

恋愛においても、仕事においても、それ以外においても、一瞬の尊さを実感する。 特に恋愛においては、残酷なほどに当てはまってしまうことが多い。 例えば好きな人と長年付き合ったとして、自分も、相手も、心を強く動かす出会いがあればその一瞬の前では、たくさんの思い出も塵になって消えていく。 思い出の多さや、築いてきた信頼関係は、確かにそこにあって、それが偽物なんてことは決してなくて、大事な人であることに変わりはなく、傷つけたくはないと思う優しさそれが同情だとしても愛の残り香だって

冷めきったフライドポテトだって、制服を着ていればおいしかったんだ

年末が近づくと、友人からの連絡頻度が増えて心が少し沸き立つ。 もうじきやってくる仕事の繁忙期に向けて、同棲中の恋人と「今年も乗り越えておいしいもの食べよう」と笑ってグータッチを交わしたり、「年末はいつものメンバーで集まろう」という連絡に早打ちで「もちろん」と返したり、気が引き締まる思いだ。 それぞれバラバラのところに住む幼馴染がみんな一度に集まれるのは、お盆や忘年会くらいのもので、会うたびに成長した姿を見て自分も頑張ろうと思える。 同時に変わらない安心感と居心地の良さに

セフレと最寄駅。

先日友達とご飯に行った時、 待ち合わせの駅に30分はやく着いた。 待ち合わせの駅は 2年前まで関係があった セフレの最寄駅だった。 時間潰しに駅の周りを散歩して ああ、このコンビニ よく2人で行ったなあ。 はじめて2人で会ったのは この居酒屋だったなあ。 とか セフレとの日々を思い返してた。 最初に関係があったのは5年前位だろうか。 当時は社会人なりたてで はじめてセフレと言う 関係を持った。 5個年上の彼は まあ、女の扱いが上手で 今思うと完全に沼ってた

私が『またね』を絶対使うと決めている瞬間

特別な先輩と1日デートしてきた。 「好きな」先輩も「憧れの」先輩もしっくりこなかったので、彼のことは「特別な」先輩と記すことにした。 本当に楽しかった。 最高の一日だった。 私は最後の一日にするつもりだった。 曲がりなりにも片想い歴、約9年目。 合間合間に別の人を好きになって、そのたびに先輩は「憧れ」だと言い聞かせてきた。 彼女のいる先輩にアプローチできるほど自分に勇気はないと思ってた。 だけど、それは間違いで。 ”彼女がいるから”ではなくて、”今の居心地の良い関係を壊

恋にも愛にも、余裕などあってたまるか

今の恋人と出会ったのは、私が酔って幼馴染に「今から遊びたい」と真夜中に電話したことがきっかけだった。なぜ真夜中にそんな連絡をしたかというと、当時の恋人とのことで傷心していたから。 私には保育園の頃からずっと一緒にいる幼馴染がいて、男5人、女3人(私を含む)くらいの割合。みんなそれぞれに個性が強くて、それもそのはず、私たち幼馴染の親もかなり個性が強い。そして家族ぐるみで仲が良い。そこに加えてみな酒豪。 その中でも、特に仲の良い幼馴染が男3人、女1人。みな互いを異性としてみて

可愛いあの子、芋みたいな私

どうでしょう、この見た目。 惹かれませんか? Pâtisserie L'Authentiqueケーキを買いに来た。7年前に一度だけ食べたことのある、ホワイトチョコムースとピスタチオのブリュレで、表面は白くコーティングされた「エミリー」というケーキが忘れられなくて。 ショーケースを覗き込む。華やかに飾られたケーキたちが、誰かに持って帰られる時を待っている。どれも美味しそう… 残念ながら目当てのケーキは置いていなかった。店員さんによると、時期が来たらショーケースに並ぶようだ

あなたの話なら喜んで聴くよ

高校を卒業した春から彼と毎晩電話している。 その日何をしたか?を話すことが会話のメイン。 2人とも家にいた日とかは数分でその話題が終わることもあるけど、大抵その後もダラダラ喋る。そのダラダラタイムで彼が余計なことを喋ることで、私がイラつくのはまた別の話。 そんな電話では特に土曜日は私がよく喋る。 バイトで担当したチビちゃんの可愛い言動を紹介するのがメインだが、もう1つ。バイト仲間で帰り道が同じ人に、一方的に話し続けるタイプの人がいる。その彼は、クソ暑い日やクソ寒い日も私が

顔に色を纏い、良い匂いの香水を纏った私が可愛くない訳が無い。

本格的に寒さが訪れている今日この頃。 重たいコートやニット、 寒くても頑張って薄手の洋服を着たり 短いスカートにロングブーツを合わせている人もいる。 目元にはキラキラした光を纏い、 乾燥に負けずにうるうるな肌を作る日々。 服の重みや寒さ、肌の乾燥に抗って 何とか「かわいい」を保とうとしている 我らってもしかして最強なのでは…!? そもそもこんな寒い中外に出て 生命保ってるだけでも偉いから そろそろ神様こっちに振り向いて 幸せをぶちまけてくれても良いんじゃない…? 神様〜!こ

いつか思い出せなくなった時のために

定期的に通うようになった歯科の帰り。 麻酔の切れる頃、歯茎の鈍痛に襲われた。さっきまで動きが鈍いだけで何も感じていなかったのに。じーんとした鈍痛はだんだんと意志のあるズキズキとした痛みに変わっていく。そこでようやく、さっきまでの治療は麻酔が効いていたから痛くなかったんだと気がついた。 何を当たり前のことを今更、と言われそうな話だ。 けれど私はそんな当たり前のことをすっかり忘れていた。最初からそれほど痛くない、くらいの気持ちになっていたんだと思う。 こんな風に、文字通り麻痺

「話しかけるか迷う雰囲気」をぶち壊せる人になりたい

「あ、話しかけようかな。でも話しかけるほどの距離感じゃないや。」っていうときに、自分から話しかける人になりたい。 例えば、学校に通学するときを思い出してほしい。通学路を歩いていると、前方5メートル先にバスケ部の先輩が歩いている。 追いついて、挨拶した方がいいな。いやでも、挨拶したら、残り15分の通学タイムを一緒に過ごすことになる。そんなに話がもつ自信がない。 とはいえ、「タカシ先輩、おはようございます!」と元気に挨拶して抜き去っていく勇気もない。よし、ここはこのままの距

かつて好きだった人から、唐突にLINE。

「どーもー✋元気?🍀」 びっくりして、三度見くらいした。そして、なんとも言えない気持ちのまま、未読無視し、すっと指をスライドさせてブロックした。 かつて好きだった人、といっても、まだ一年前のこと。一夜だけ関係を持った上司だった。だが、彼はそのまま転勤。私は私で転職を既に決意していて、長く続くための意思はお互いなかった。それに彼には他に相手がいた。だが私にとっては、初めて本当に好きだと思えた人だった。人生で初めて、ラブレターを渡した人だった。 当時の私がどれだけ恋に恋をし

動物的トリガーで人を好きになる。

「好きになった人がタイプです」と言うと、「ハァ?」と言われるらしい。 けど、私には分かる。 めちゃくちゃ分かる。 好きになった人がタイプです。 好きなタイプを日本国憲法並みに細かく定めている私は、どういうわけか好きなタイプとは全然違う人を好きになる。 たとえば、茶髪猫っ毛、178cm、私服モノトーン系、デザイナー(笑うと目尻にシワが寄る人)がタイプなのだが、 黒髪クセ毛、169cm、私服ダサめの笑わないサラリーマンを好きになったりする。 え、一つもタイプじゃない