大学受験の先にはアイデンティティの喪失が待っていて。
塾講師として働いていると否応なくどこかせわしい気持ちにさせられる12月。受験の最終追い込み時期。不安で地に足着かない生徒も堅実に勉強を続ける生徒もいる中で不意に思い出したのは去年のこと。
二浪目の受験機会を前に共通テストの追い込みをしていた私、胸の内には迫りくる本番への不安と仕上がり切ってない自分への怒り、それでも志望校への消えない渇望。そんな不安定な情緒の中に「受験生としての自分が居なくなることへの恐怖」が顔をのぞかせていた気がする。
長く受験生として過ごした私のアイデン