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映画・ドラマ・小説の感想

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映画・ドラマ・小説などの感想を書き連ねます! 合う合わないあろうかと思いますが、お好きに覗いていってください!
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#映画

”人の裏側”をリアルに描く 映画『六人の嘘つきな大学生』

”人の裏側”をリアルに描く 映画『六人の嘘つきな大学生』


概要

本作は、浅倉秋成による同名小説が原作である。
私は読書好きを謳っていながら、コミック化までされている
原作小説の存在を知らなかった。
以前、別の映画を劇場で観た時に、引き付けられる予告動画を目にし、
今日、公開初日に劇場へ足を運んだ。
私が行った劇場では本作は一日6回上映されており、
私はそのうちの5回目を鑑賞した。席数は車椅子席も含めて321席。
8割型埋まっていた。

本作の概要は以

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凸凹ニューヒーロー誕生!? 映画『レッド・ワン』

凸凹ニューヒーロー誕生!? 映画『レッド・ワン』

いつか夢見たサンタさんの世界に、SFのスパイスを・・・。

この時期の映画デートで鑑賞作品に迷ったら、本作を選択して間違いなし。
無論、家族でも友人でも1人でも。幅広い世代、どんなシチュエーションでも気負わずに楽しめる作品であった。
なかなか視聴作品が決まらない人は、ぜひ本作を検討候補の一つにしてみてほしい。

本作の概要は以下。

昔に想像した”サンタさんの住む世界”って、まさにこんな感じだった

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窮鼠猫を噛む 映画『十一人の賊軍』

窮鼠猫を噛む 映画『十一人の賊軍』

袋の鼠どもよ、己の欲求に忠実に猫を噛め!!

概要と歴史的背景

本作の概要は以下。

本作は、「仁義なき戦いシリーズ」「日本侠客シリーズ」などで知られる脚本家、故・笠原和夫の残したプロットを、映画『死刑にいたる病』「狐狼の血シリーズ」の白石和彌監督が映像化したもの。
そしてこの物語は、一応、史実に基づいている。
”一応”としたのは、本作のメインである賊軍の存在と、賊たちの戦いについては、フィクシ

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あなたは誰? 映画『本心』

あなたは誰? 映画『本心』

目の前にいる人は本当に自分の思っているその人本人か。
目の前の人が話していることは、本当にその人の本心か。
AIに侵食されていく中で変わりゆく人間の価値とは。

概要と事前情報とのギャップ

映画のあらすじは以下。

〈田中裕子が出ている作品は大体当たり〉。
私の中のこの常識にも似た認識は、2010年放送のテレビドラマ「Mother」視聴時に誕生した。そしてこの認識にズレが生じたことはなかった。

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人が人と向き合うことの難しさ 映画『室井慎次 生き続けるもの』

人が人と向き合うことの難しさ 映画『室井慎次 生き続けるもの』

※ネタバレあり
来週11/15(金)公開の「生き続けるもの」を、先行上映にて鑑賞。

前回の「敗れざるもの」で撒かれた伏線は全て回収されるか。
また、”スッキリしない感”は解消されるか。
前回は室井慎次の現状報告に終始した印象だったが、今回はそこから進展があるか。
そして、誰が、生き続けるのか。
これらの謎を一刻も早く解決したく、一足先に劇場に足を運んだ。

これは「踊るシリーズ」か

結論から言

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オールスター感謝祭! 映画『スマホを落としただけなのに〜最終章〜 ファイナルハッキングゲーム』

オールスター感謝祭! 映画『スマホを落としただけなのに〜最終章〜 ファイナルハッキングゲーム』

なんじゃこりゃー!!
本作に於ける感想は、この一言に尽きる。

2018年に始まった本シリーズは、一作目から怖さと不気味さ、そして何より我々の身にも起こり得えそうなリアルさが話題を呼んだ。さすがホラー映画の中田秀夫監督作!だった。
2020年公開の『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』では、怖さがグレードアップしたうえ、凶悪犯・浦野善治(成田凌)が脱獄するという衝撃の展開で幕を閉じた。

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人生のステップを踏むと見方が変わる映画③

人生のステップを踏むと見方が変わる映画③

人は生きていれば何かしらのステップを踏んでいくこと、そして、「人生のステップを踏むと見方が変わる映画」が存在することは、以下2本の記事ですでに触れているので、今回はそのことを前提として早速映画の紹介に入っていきたい。

ピースオブケイク(監督・田口トモロヲ/2015年)

多部未華子主演で、相手役を綾野剛が演じる恋愛映画だ。
しかし、所謂胸キュン恋愛映画ではない。
極めてざくっと概要を説明すると、

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人生のステップを踏むと見方が変わる映画

人生のステップを踏むと見方が変わる映画

我々は、ただ生きているだけのように思えても、その日々の中で着実に人生のステップを踏んでいるのだ。分かりやすいターニングポイントを並べるとすれば、
20歳になり大人の仲間入りを果たすこと、
学生から社会人になること、部下から上司になること、
大切なひとができること、天からの授かりものを得ること、
大切なひとを失うことなどが挙げられるだろう。
無論、人によって経験していく順番や回数は異なる場合があるし

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ただただあっぱれ! 映画『侍タイムスリッパー』

ただただあっぱれ! 映画『侍タイムスリッパー』

これだから、映画鑑賞が好きだ。
これだから、得体の知れない未知の作品に挑戦するのが好きだ。

『侍タイムスリッパー』は、私をそう唸らせてくれる映画であった。

江戸時代の侍が、とあることをきっかけに現代にタイムスリップしてしまう。
時代劇を撮影する撮影所に舞い降りたその侍は戸惑いながらも、周囲の温かい手を借りつつ、現代で”侍としての生きる道”を模索する。
本作は、ざっくりと言えばそんな物語だ。

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室井慎次の現状報告 映画『室井慎次 敗れざるもの』

室井慎次の現状報告 映画『室井慎次 敗れざるもの』

踊る大捜査線シリーズということで、少し期待しすぎたのかもしれない。

踊る大捜査線シリーズは、1997年にテレビドラマとして放送されたことから始まる。
私はちょうどその年に生まれており、さらに厳密に言うと放送時点ではまだ生まれていなかったので、残念ながらリアルタイム視聴はできていなかった。
しかし、再放送だったか何かで観て以来、ファンの仲間入りを果たした。
踊る大捜査線が、織田裕二のかっこ良さを知

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新たな価値観が生まれる映画『正欲』

新たな価値観が生まれる映画『正欲』

2023年11月10日公開の映画『正欲』の感想を、今更ながら簡単に書いてみる。
※以前Filmarksにて掲載したレビューを、やや修正して再掲する

本作は、「桐島、部活やめるってよ」「何者」「武道館」などの話題作の作者朝井リョウ原作。
監督は、「情熱大陸」などのテレビ番組のほか、映画『二重生活』『あゝ、荒野』『前科者』の岸善幸。
演者に、新垣結衣、磯村勇斗、稲垣吾郎らが顔を揃えた。
本作は、ガッ

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世界がティム・バートン色に変わる 映画『ビートルジュース ビートルジュース』

世界がティム・バートン色に変わる 映画『ビートルジュース ビートルジュース』

ティム・バートンが大暴れ

一昨日、現在公開中の映画『ビートルジュース ビートルジュース』を鑑賞した。

まず、私は普段このような類の映画はあまり観ない。
意識的に避けることはしないが、映画に限らずドラマや小説なども、サスペンスやミステリーばかりに興味を持ってしまうからである。すると、自然とコメディー(ホラー?)作品からは遠ざかっていく。

ところが、あれは劇場で映画『あの人が消えた』を観た日だろ

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北野武監督の性癖ダダ漏れ!? 映画『首』 2023/11/23公開

北野武監督の性癖ダダ漏れ!? 映画『首』 2023/11/23公開

※以前Filmarksにて掲載したレビューを、やや修正して再掲する

★★★☆☆

この映画の主役は誰だ?

北野武監督が意図したものか否かは不明だが、
映画『首』は、主役不在の映画であった。
そして、北野武監督の性癖丸出し映画でもあった。(後述する)

予告動画で、にゃーにゃー言っている加瀬亮を最初に観た時から、
劇場に行こうと決めていた。
その加瀬亮が主演かと勝手に思っていたが、そこまでではな

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これは観て正解か? 映画『ナミビアの砂漠』2024/9/6公開

これは観て正解か? 映画『ナミビアの砂漠』2024/9/6公開


鑑賞直後に思うこと

観なければよかった・・・。
正直に言うと、鑑賞直後の今の私が思うことはこれだ。
ただただ、そう思っている。
ところが、同時に心のどこかで、「この映画は心地がよかった」とも思っている。
不思議な感情を生ませてくれた映画であった。

河合優実について

まず、河合優実はここ最近でキテいる女優だ。
業界人はもちろんのこと、作品を観る消費者も、
たくさんの人が彼女に注目し、彼女に魅

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