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個別最適な学びについて考える(93)ー有田和正(1989)有田和正著作集「追究の鬼を育てる」9「教材発掘から授業づくりへ・中学年」ーから

お疲れ様です.本日も元気にアウトプットをしていきましょう!
少し古い本から行きますよ。笑
社会科に多く絞られていますが、それ以外の教科でも共通するところを考えていきたいと思います。
個別最適な学びでは、追究が一つキーワードになってくると思っています。
そのため、有田和正先生の本はとても参考になるところがありますね。
紐解いていきましょう!

本日は「有田和正著作集「追究の鬼を育てる」9「教材発掘から授業づくりへ・中学年」.明治図書,東京」です。では,早速読んでいきましょう!

 「授業のネタ」をつくるには、いくつか考えておくとよいことがある。それをあげてみよう。
 「子どもの常識(固定観念)をくつがえすもの」を考える
子どもが考えていることを、ゆさぶったり、ひっくり返したりするようなネタを準備して、提示のしかたを少し工夫すれば、子どもは意欲的に動き出す。子どもは、なんでも食いではない。ゆさぶられたものやひっくり返されたものを「おもしろい」と思い追究する。
子どもの固定観念をくつがえすネタをつくるには、子どもが今どんな考えをもっているかをつかむことがポイントになる。
 たとえば、五年生の子どもは、「牧場とは、広々とした草原に、サイロがポツンとあり、牛がのんびりと草を食べているようなところ」という考えをもっている。
 この考えをくつがえすネタをさがすのである。つまり、「町のどまん中の牧場」をさがすのである。わたしは、このようにしてネタをみつけてきた。
さがせばあるもので、みつけた本人が驚くようなものがある。東京世田谷の高級住宅地のどまん中に、東京でいちばん大きな牧場をみつけたときは本当に驚いた。ここに見学につれて行った。その驚きは、わたし以上に大きかった。
 そして、「牧場とは何か」と追究し始めた。

有田和正著作集「追究の鬼を育てる」9「教材発掘から授業づくりへ・中学年」.明治図書,東京

この一言に尽きると思います。
「ゆさぶられたものやひっくり返されたものを「おもしろい」と思い追究する。」
なぜ追究したくなるのか、そこには面白さがあります。
なぜという疑問が生まれます。そうすると追究します。

あえて、揺さぶるわけです。その一言から子どもたちは、教科書でも何でも使って追究するわけですね。
教科書がベースになり、さらに疑問が生まれる。
そこが問題の面白さなのかもしれません。

「わかっている」と思っているのに、実は「わかっていない」というものを考える
 二年生の子どもは、ポストやバスについて、よく知っている、わかっていると思っている。これを「発問」や「指示」でゆさぶるネタを考える。
東京のポストは、投函口が二つある。このことは、どの子も知っている。
ところが、二つの投函口の、どちらが「東京都」で、どちらが「その他の地域」かわからない。ここをつくのである。
 さらに、「千葉県は、東京と反対だよ」といえば、「そんなバカなことがあるか。郵政省がやっているのだからー」と怒り、動き出す。そして、千葉県だけでなく、日本中のポストの投函口を調べ始める。調べてみて、県ごとにちがうことに驚く。固定観念もいつのまにかこわれる。

有田和正著作集「追究の鬼を育てる」9「教材発掘から授業づくりへ・中学年」.明治図書,東京

すでに知っていることが多くなる中で、実はわかっていないものがたくさんあると思います。
なんとなく使っている水もどのように送られてきているのかなんて想像できません。なんとなくひねれば出てくるみたいな印象です。

そのように発問と指示で揺さぶれるようになるといいですね。笑
ここは修行のところです。

個別最適な学びでは学習意欲の継続も必要になると思います。
面白いネタ、追究したくなるネタは考えていかなければいけませんね。

本日はここまで!また次回の記事でお会いしましょう!

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nanjolno
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