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ふと思った日記

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ふと思ったことを綴った日記です。ほとんど「むにゃむにゃ」という独り言です。へぼ俳句もついてます。
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2022年12月の記事一覧

12月29日(日記)大掃除ではなく小掃除

晴れ 寒いので一日外に出ず。このまま冬眠してもいいかも。 昔、実家では30日が大掃除の日と決まっていた。それこそ、玄関から倉庫、天井まで隅々綺麗にする。 当然、子供である自分も手伝うことになる。だから、毎年この日が憂鬱だった。手を抜くと怒られるし、真剣にやってもキリがない。母親基準で合格になるまでやらなくてはならない。ひたすら疲れる。 そして、もっと嫌なのは、だいたい夫婦げんかが勃発するからだ。 「嫌々やるならやらないで」から始まって、「やってるだろう」、 「もうこれでい

12月27日(日記)年賀状じまい

晴れ 毎年、来た年賀状の返事は出すが、あらかじめ出すのは一通だけである。 それは、大学のゼミの担当教授だった恩師である。 大学生だった頃、超さぼり学生(授業をまともに聞けない体質)だったが、ゼミだけは、面白かったので、真面目に出ていた。 しかし、大学四年生になり、取得単位不足で卒業が危ぶまれことになった。 仕方なく、何とか単位をもらうべく、教授詣でを始めた。 そして、追課題などの必死な努力の結果、あと一単位まで何とかこじつけた。最後は、出席について厳しいという評判の教

12月26日(日記)老いの特権

晴れ 冬至が過ぎ、日が少しずつ長くなっていくのを味わう。 朝、散策していると、名もない木が、朝日を浴びながら木の葉がきらめく様を見かけるだけで、魅入ってしまうことが多くなった。「なんて、美しいんだろう」と。 たぶん、数年前まではきっと見ずに通り過ぎていた気がする。前にも書いたが、老いることは悪いことばかりではない。見えにくくなったり、聞こえなくなったりと、感覚器官としての感度は悪くなるが、感受性としては研ぎ澄まされていくと。 そう思うと、老いるのも悪くない気がする。たっ

12月23日(日記)一番寒かった時の記憶

朝から大雪 昼間のランチのキャンセルするか悩む。 人生で一番寒かった記憶。 それは、ちょうど十年前。 名古屋では、毎年、クリスマスイブの夜、名古屋港で花火大会が行われる。ちょっとした冬の風物詩だ。 近しい人と、場所取りのために、二時間前には現地に到着。帽子、耳当て、マフラー、ダウンジャケット、まるで今からスキーにでも行けるかのような完全防備。 これで絶対に大丈夫と、ビニールシートを引いて座る。ベストポジション確保と意気揚々としていたのも、数分まで。 冷える、しんしんと冷

12月22日(日記)精神の闇屋

雨のち晴れ 寒い つらつらと、吉本隆明全集6巻を読む。  その中に、まだ、学生だった頃の吉本隆明さんが、太宰治の「春の枯れ葉」という戯曲を上演するために、許可をもらいに直接、太宰治に会いに行ったという話が出てくる。 そのエピソードだけでも、「えっ?すごい、太宰に会えたんだ。うらやましい」と思ったのだが、そのときの交わされたやりとりも、とても興味深い。 これを、吉本隆明さんは、精神の闇屋(終戦直後にあった闇市)と受け取った。 それはつまり、価値が固定化しつつある社会におい

12月21日(日記)クリスマスソング

晴れのち雨 冬の雨はどこか寂しい そう言えば、街に流れているクリスマスソングって、この何十年間変わってないなあ、と思っているのは自分だけだろうか。 山下達郎の「クリスマスイブ」、マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」、ワムの「ラストクリスマス」、ジョンレノンの、「ハッピークリスマス」、レミオロメンの「粉雪」等々、何となく顔ぶれは一緒のような気がする。 それらは、日本がまだ景気が良かった頃に流行った歌だ。当時、クリスマスは一大イベントで、ライトアップされた電飾(神戸

12月15日(日記)一度だけ本を捨てたことがある

晴れ 本は新刊で買う。図書館では借りない。そして、絶対に本は売らない、捨てないことをモットーにしてきたが、過去にたった一度だけ、三十冊以上の本をまとめて捨てたことがある。 その作家のことは、ずっと大好きだった。デビュー作から、新作が出るたびに読んできたし、映画化されたら映画も観てきた。もちろんのこと、雑誌のインタビュー記事も丁寧に追っていた。 その小説家は、まさに時代をリードするとともに、エッセーも秀逸で、読んでいると叱咤激励され、いつも、頭を使ってちゃんと生きようと思

12月15日(日記)モヤモヤを言語化したい

寒い一日 今さらながら、YouTubeで成田 悠輔さんの番組をよく見るようになった。 面白い眼鏡、妙に響きの良いボイス、論理的思考、歯切れのよいトーク。なるほど、聞きやすい。形而上学的なことをおっしゃるとき、詩のように聞こえることもある。 世の中では、ぶっ飛んだ思考回路の持ち主とされているようだが、確かに聞いていて、うならされることも多い。頭が良い方だと思う。そして、主観を徹底的に客観視できる。 しかし、一見、いくらぶっとんだ意見に聞こえても、まったく共感されなければ、世

12月14日(日記)AIが芥川賞を取る日

晴れ 木枯らし 風が吹き荒れる 時々、AIに小説が書けるだろうかと話題になる。個人的には、人間が想うようなことは、だいたい実現すると思っているので、たぶん可能になるだろう。少し違うかもしれないがAIが、チェスの王者に勝ったように。それも思った以上に速いスピードで。 ただし、書けたからと言って、問題は面白いかどうかである。ビッグデータを活用し、最新のAIを駆使すれば可能かもしれない。ただし、それもプログラミング次第だとは思う。 つまりは、推理小説、純文学、ヤクザものといっ

12月13日(日記)やっぱり禅か

晴れ 朝方雨 冬の雨はどこか非情 鈴木大拙先生の「無心ということ」をようやく読み終えて、次に読む作品を探していたら、アマゾンのunlimitedに「鈴木大拙全集」を見つける。 以前から、古本屋に行っては全集を探していたところなので、見つけて狂喜乱舞。本当は紙で読みたいところだが、電子書籍でも充分。 西田幾多郎先生の本は、少し難解なのに比べて、鈴木大拙先生の本はかなり読みやすい。 少し前まで、禅は宗教だと思っていたが、池田晶子先生に導かれて、西洋哲学の本を読み出し、併せ

12月12日(日記)「しない」か「べき」か

晴れ 午後3時には日が暮れ始める。これから、夜が長い日々が続く。 自分を戒めるために、「暴飲暴食をしない」、「くよくよしない」、「他人を羨まない」。など、「しない」系を羅列する人がいる。 その一方で、私や吉野秀雄が尊敬する、会津八一先生の有名な「学規」四箇条(含蓄がある言葉なので引用します)のように  一、 ふかく この 生 を 愛す べし。  一、 か へり み て 己 を しる べし。  一、 学芸 を以て 性 を 養 ふ べし。 一、 日々 新面目 ある べし

12月10日(日記)あと2冊

晴れ 午前中、読書と執筆と瞑想とNote。 午後は、だらだらとYouTubeとNetflixを見る。 既刊の池田晶子さんの著作(約30冊)を読んでいるが、とうとう残り二冊になってしまう。全部読み終えたら、今度は出版順に読んでいく予定だが、やはり未収録原稿を含めて、誰か全集を作って欲しい・・・少しお高くてもいいから。 池田さんの本を読んでいて思うのは、もっと早く哲学の本を手にしていたらということかもしれない。池田さんがよく言う、「自分の頭で考えること」。それは、まあ人並み

12月8日(日記)酔いのコントロール

晴れ 名古屋の柳橋で呑む。 酔いというのは、不思議なものだ。意識が拡大し、新しいひらめきや発想が矢継ぎ早に降りてくる(翌日には忘れているけど)。 誰かが、酒を神からの贈り物に喩えたが、厳密に言えば、「酔い」こそが、尊ばれるものなのだろう。 だから、呑み助の割に銘柄とか、種類にはまったくこだわりがない。ビール、焼酎、ハイボールにカクテル。そのときの、「酔い」を求める気持ちに合わせて呑む。だから、未だに日本酒と言うと、「白鶴」とか、「月桂冠」しか思い出せない。ワインの産地など

12月7日(日記)住宅街を歩く

曇 風が強い 今日も、バスで行けるところをわざわざ徒歩で行く。 最近、住宅街を歩くのが好きだ。 あちこちの住宅街を歩いていると、だんだん自分の好みがわかってくる。この辺りには住みたくないな、ここだったら住んでみたいなというのが、基準となる。 何の変哲もない住宅街でも、それぞれ独特の雰囲気がある。そのわずかな違いを感じ取るのが好きなのだろう。 ときどき小さな商店街のような並びがあって、薬局、スーパーなどを見つける。さびれていたり、流行っていたり。変な名前のスナックがぽつ