12月27日(日記)年賀状じまい
晴れ
毎年、来た年賀状の返事は出すが、あらかじめ出すのは一通だけである。
それは、大学のゼミの担当教授だった恩師である。
大学生だった頃、超さぼり学生(授業をまともに聞けない体質)だったが、ゼミだけは、面白かったので、真面目に出ていた。
しかし、大学四年生になり、取得単位不足で卒業が危ぶまれことになった。
仕方なく、何とか単位をもらうべく、教授詣でを始めた。
そして、追課題などの必死な努力の結果、あと一単位まで何とかこじつけた。最後は、出席について厳しいという評判の教授だった。すると、その先生から「授業を受けていた証拠を示せ」と言われた。
当然、ほとんど出席せず、出たとしても授業などまったく聞いていなかった私は、返事に困ってしまったが、その教授のくだらない冗談は好きだったので、思い出せるのを二、三上げていった。
すると、教授はだまって腕を組んで聞いていたが、「わかった、認めるよ」と言って、単位をくれた。そのおかげで、留年せずに何とか卒業することができた。
その後、恩師から「あなたのこと、教授会で話題になっていたわ。面白い子がいるって」そう言って、笑ってくれた。そして、「そういう機転って、社会人としてやっていくには大切なことよ、あなたの武器ね」と付け足してくれた。
今思えば、この機転のようなもの(本人は自覚なし)のおかげで、これまでの社会人生活を何とか乗り越えてきた気がする(ときどき、大失敗して相当の報いも受けましたが)。
恩師は、年賀状にいつも一言書いてくれるのだが、そのほとんどは、「働き過ぎはよくないから」、「心を病まないように」、「人生いかにさぼるかよ」と、もともと怠け者の私に向かって、さらに助長するような内容のものを書いてくれる。それが変な意味でうれしい。
「年賀状じまい」という言葉がはやっているが、本当に感謝したい相手に対しては、自然に出してしまうものかもしれない。
数え日は 正月よりも うれしくて
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