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12月12日(日記)「しない」か「べき」か

晴れ
午後3時には日が暮れ始める。これから、夜が長い日々が続く。

自分を戒めるために、「暴飲暴食をしない」、「くよくよしない」、「他人を羨まない」。など、「しない」系を羅列する人がいる。

その一方で、私や吉野秀雄が尊敬する、会津八一先生の有名な「学規」四箇条(含蓄がある言葉なので引用します)のように

 一、 ふかく この 生 を 愛す べし。
 一、 か へり み て 己 を しる べし。 
一、 学芸 を以て 性 を 養 ふ べし。
一、 日々 新面目 ある べし。

「べき」を掲げる人がいる。

どこかの心理学の先生が言っていたが、人が自分に「しない」と禁じることは、かなり難しいことで、意識するあまり、かえってそれを「しがちである」という。

その反対に、「べし」は、なりたい姿、目標なので、それを意識することで、実現しやすくなるという。

果たして、人格を高めるには、どちらがいいのだろうか。昔は、よく一年の目標とか、日記に書いていたが、若い頃は「べし」、だったのがしだいに、「○○しない」系が多くなってきた気がする。

それは、己に課した「べし」が完成したので、枝葉の部分で「しない」が多くなったのか、ただ、不完全な人間のまま大人になったので、あれこれ欠点が目につくようになって、「しない」が多くなってきたのだろうか。
謎だ。

人格を向上させると同時に、幸せに生きるには、「べし」を掲げるのか、「しない」を課するのか、そもそも、そんな、自分をあれこれいじるようなことを考えないで、「ありのまま」でいいのか。

まあ、今のトレンドは、きっと「ありのまま」でしょうが、果たしてそれで、幸せになれるかというと、また込み入った話になりそうなので、また後日に。

心中も 遠き言葉に 近松忌













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