12月29日(日記)大掃除ではなく小掃除
晴れ
寒いので一日外に出ず。このまま冬眠してもいいかも。
昔、実家では30日が大掃除の日と決まっていた。それこそ、玄関から倉庫、天井まで隅々綺麗にする。
当然、子供である自分も手伝うことになる。だから、毎年この日が憂鬱だった。手を抜くと怒られるし、真剣にやってもキリがない。母親基準で合格になるまでやらなくてはならない。ひたすら疲れる。
そして、もっと嫌なのは、だいたい夫婦げんかが勃発するからだ。
「嫌々やるならやらないで」から始まって、「やってるだろう」、
「もうこれでいいじゃないか」、「全然、綺麗じゃない」、「すぐ汚れるのになぜ掃除するんだ」、「そういうもんでしょう」と、本格的な掃除論議に突入する。聞いている方としてはどっちもどっちで、怒声が混じる中、かじかむ手で窓を拭いていると、幼心に心底嫌気が差して家出したくなった。
ようやく、日が暮れる頃、とにかくがんばりましたというところで一区切り。あとは、母親が満足するまで、除夜の鐘が鳴るぎりぎまで、一人でブツブツ言いながら続けるという形で終わる。
そんなある年、「30日に大掃除と称してまとめてやるのではなく、1年にわたって均等化してやろう」と父親が言い出した。大掃除ではなく小掃除。それだったら、楽じゃないかと。
そして、翌年から導入されたのだが、結局、父親は振られた役割を何かと理由をつけてまったくやらず、結局、母親と子供たちだけで、1月から天井やら、押し入れなどを掃除する羽目になった。
しかし、30日の家庭内がギスギスした憂鬱な1日を送るより、何もやらない父親に不満はあれど、この方がよっぽど気が楽だった。
「大掃除ではなく小掃除」、恒例の習慣よりも、家庭の平和を優先するために作られた制度。この制度は何十年か後に、めでたく妹の家にも導入されることになる。こういうことって、きっとどの家にもあるんだろうな。
年の暮れ 夫婦げんかが 恒例に
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