マガジンのカバー画像

水と社会

9
水と社会の関わりについて書いた記事をまとめています。
運営しているクリエイター

記事一覧

日本人と風呂文化 ~風呂好き日本人のルーツをたどる~

日本人と風呂文化 ~風呂好き日本人のルーツをたどる~

日本人なら、誰しもが愛する「風呂」。その理由が気になり、日本独自の風呂文化の発展について深堀りしてみました。

風呂文化のはじまりは、仏教伝来日本の風呂文化の起源は、6世紀の仏教伝来だと言われています。

仏教には「温室教」という経文があり、「入浴により七病を除去し、七福が得られる」という教えがあります。

当時の寺院には温浴の設備がつくられ、僧侶が水を浴びて心身を清める禊である「斎戒沐浴」を行い

もっとみる
上下水道の歴史① ~江戸の”和製水インフラ”は世界最先端だった~

上下水道の歴史① ~江戸の”和製水インフラ”は世界最先端だった~

日本における上下水道の発展について、全3回に分けて紹介します。

第1回は、『和製水インフラ』が整備された江戸時代に注目します。
江戸は、都市化による人口の急増に伴い、清潔な水の確保、衛生環境の整備が喫緊の課題となったことで、水インフラが発展しました。

江戸の水道 ~ハイブリットな水利用~江戸時代の都市部では、各家庭や商家は浅井戸を掘って水を確保していましたが、飲用には適しませんでした。
埋め立

もっとみる
水×現代アート ~社会変革の”触媒”としての水~

水×現代アート ~社会変革の”触媒”としての水~

水×現代アートの取り組み、社会へのインパクトを考察します。
今回は、デンマーク出身のアーティスト、オラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)です。

■水の現代アーティスト、エリアソン水のインスタレーション作品で、世界的に活躍するのアーティストです。アイスランドの自然に親しみ育ったエリアソンは、光や水といった自然現象への感性が非常に豊かであり、それらを重要な要素として作品に取り入れて

もっとみる
水と記念日 ~社会変容を促すコンセプト~

水と記念日 ~社会変容を促すコンセプト~

普段の生活で、意識するキッカケが少ない「水」。

実は、国際機関や民間企業など多様な主体が、水に思いをはせるために、様々な記念日を制定しています。

今回は、水に関する記念日の事例やその効果、可能性を考察します。

記念日=コンセプトに深みと社会的意義を加えるアプローチと捉えると、汎用性が無限大の”水”を軸に、あらゆる活動やビジネスを促進できるかもしれません。

■水に関する記念日の紹介①世界 水

もっとみる
複雑な水問題を『自分ゴト化』してみる

複雑な水問題を『自分ゴト化』してみる

今回は、見えにくい『水問題の本質』と『私たち』のつながりを紐解き、水問題を自分ゴト化するキッカケについて書きます。

近年、国内外の水問題の注目度が高まっていますが、そもそも、水問題とは何なのでしょうか。

一言でいうと

「清潔で安全な水に、持続的にアクセスできる状態」と「現状」とのギャップと考えられます。

こう考えると、すでに水道・下水道が普及した日本では、水問題なんて無いのでは?という気が

もっとみる
身近過ぎる『水の価値』を改めて考えてみる

身近過ぎる『水の価値』を改めて考えてみる

水に関する活動を行う中で、『そもそも、水の価値って何だろう?』と考えることが増えたので、言語化してみたいと思います。

日々の生活やビジネスを豊かにするポテンシャルを有する水。面白いと思うので、是非ご一読ください。

水の価値について①生活基盤としての価値

いわゆる、『水は生きていく上で必要不可欠』といった文脈での価値です。水の価値として、一番イメージしやすいかもしれません。
しかし、普段はこの

もっとみる
水に関するイケてる情報ソースまとめ

水に関するイケてる情報ソースまとめ

今回は、水について幅広く活動している私が、特に参考にしている情報ソースをまとめてみました。

■国際協力系

・WaterAid
ウォーターエイドは、1981年にイギリスで設立され、40年以上にわたり、水・衛生分野に特化して活動してきた国際NGOです。「すべての人がすべての場所で、清潔な水と衛生設備を利用し、衛生習慣を実践できる世界」をビジョンに掲げ、計26か国で活動している世界で最も大きな水・衛

もっとみる
水とアート ~ビジュアルアートで、水問題を”感性”に突き刺す~

水とアート ~ビジュアルアートで、水問題を”感性”に突き刺す~

水×アートで、水の魅力を伝える取り組みをご紹介します。
今回は、水の課題をビジュアルアートで提起する『HYPE FREE WATER』です。

HYPE FREE WATERとは、2020年に、人気音楽ユニット『水曜日のカンパネラ』元ボーカルのコムアイさんと、アートディレクターの村田実莉さんが立ち上げた、水問題を提起するプロジェクトです。フィールドワーク、専門家との対話を通じて、水に関する課題や技

もっとみる
水への関心度ってどのくらい? 調査結果から考える、水の魅力の伝え方

水への関心度ってどのくらい? 調査結果から考える、水の魅力の伝え方

今回は、2023年にミツカン水の文化センターが実施した『水にかかわる生活意識調査』(調査対象:20~60代、n=1500)の結果をもとに、水の魅力の伝え方を考えます。

・水への関心度はどのくらい?

普段の生活では、なかなか意識しにくい水。

『水にかかわる生活意識調査』(以下、同調査)において、『水に関心がある』と回答した人の割合は約70%でした。

なんとなく、『関心があるかと聞かれたら、ま

もっとみる