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水の空の物語 第2章 空の上に湧く泉

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第2章をまとめました。 夏澄の夢に憧れる風花。ますます魅かれていきます。
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2023年6月の記事一覧

水の空の物語 第2章 第13話

「……どんな泉だったの?」  自然と、風花の声にも感情がこもった。 「水の精霊の国の、空…

近江結衣
1年前
6

水の空の物語 第2章 第14話

 冗談めかす夏澄に、少し泣きたくなった。  ずっと願いが叶わなければ、普通は感情を無くす…

近江結衣
1年前
3

水の空の物語 第2章 第15話

「……わたしもそんな泉をもどす方法、探しに行きたい」  風花はそっといってみる。 「ねえ…

近江結衣
1年前
9

水の空の物語 第2章 第16話

「もしかして、今日も探しに行っていたの?」 「うん、今日は西の山にある洞窟に行ってきた。…

近江結衣
1年前
6

水の空の物語 第2章 第17話

「飛雨、あれやってよ」  ふいに夏澄は笑顔になった。 飛雨に向き直って、すわり直す。 「…

近江結衣
1年前
7

水の空の物語 第2章 第18話

「オレだけにしか、できないんだぜ」  飛雨はなぜか、背筋を伸ばす。 「水をかけるだけなの…

近江結衣
1年前
9

水の空の物語 第2章 第19話

 夜空に銀の星が瞬きはじめた。  風花は結界の出口の前に立って、手を振る。 「じゃあ、明後日に。風花」 「うん、また……」 「待ち合わせ場所は、蓮峯山にある一本杉の前ね。飛雨が知っているから」  風花は飛雨の案内で、蓮峯山に行くことになった。なんと、一緒にバスで行く。夏澄たちは人前に出られなくても、黒髪の飛雨なら平気ということだった。  夏澄たちは霊体になって、空から風に乗って行くらしい。 「今なら、結界の外に誰もいない。出て大丈夫だよ、風花」  あたりを見回し

水の空の物語 第2章 第20話

 夏澄にいわれ、風花は結界の中で、息を潜めるようにしていた。 「スーフィアさんたち、だい…

近江結衣
1年前
7

水の空の物語 第2章 第21話

 落ち着かない様子の夏澄は、林のほうに視線を彷徨わせる。やがてうつむき、ぽつりとつぶやい…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第2章 第22話

「ど、ど、ど、どうしようっ」  風花は思わず、結界を出ようとした。背後から、夏澄に止めら…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第2章 第23話

「ここから出ていけば、だいじょうぶだよ」 「ありがとう、夏澄くん」 「じゃあ、今度は蓮峯…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第2章 第24話

「ローフィ?」 「そんな名前で、呼ばれていた記憶はない?」  夏澄は瞳を伏せて訊いてくる…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第2章 第25話

 海の精霊のスーフィアは、飛雨と並んですわっていた。  石垣の上から、夏澄たちの様子を窺…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第2章 第26話

 夏澄は風花とローフィを重ね、違うと分かり、また絶望したのだろう。  ああなった夏澄に、慰めは無意味だ。  飛雨にもできない。だから、彼はいらいらしている。  それに風花……。風花がローフィのことを知ったら、どう思うだろう。  ローフィは、風花とそっくりな、陽の精霊の少女だ。  夏澄と一緒に、水の精霊の国を元にもどす方法を探していた。そして、なぜか旅の途中で、急にいなくなった。  ローフィは夏澄と同じくらい、水の精霊の国を愛おしんでいた。  だから、自分の意思で